勝ったと思うな
かさいさんと2度目のFor the People対戦で、今度は立場を入れ替えてかさいさんは北軍です。ルールはもちろん2000年版、作戦備蓄ありです。
第1ターン、サバインシティとフィリップジャクソン要塞に上陸した北軍でしたが、サバインシティには1SPしか上陸しなかったのを見て、南軍は増援を呼んで3SPでこれを撃破します。
第2,3ターン、北軍は西部湾岸海域を封鎖しフロリダを脱落させますが、封鎖レベルも上陸修正も全く上がりません。南軍も第1ターン派手に動いたので、防御を固めるのに忙しくあまり動きはありませんでした。
第4ターンにリーが登場すると、南軍は戦力を集めてケンタッキーに進み、砦を築いて北部に侵攻します。北軍はマクレランを砦に置いて守ってみますが、太刀打ちできず敗走し、西に回ってニューマドリードからメンフィスへ向かいます。邪魔者がいなくなったので南軍はさらに侵攻し、第4ターンの終わりには2州侵攻の戦意を獲得します。
この調子なら次は3州に侵入して楽勝だと南軍が思い始めた第5ターン、北軍は南部鉄道の劣化を出して南軍のカードを捨てさせ、楽には勝たせません。北軍がメンフィスでマクレランの軍を作るべく兵を集めてきたので、南軍はリーを持ってきてそれを阻止します。しかし北軍はさらにヴァージニアでも侵攻を開始し、南軍はかろうじて脱落を食い止めたものの、ここでかなりスペースを奪われます。対応に追われた南軍は、このターン2州侵攻のまま支配を広げることはできませんでした。
第6ターン、南軍には外国の介入カードが来ますが、これを使うには戦意が足りません。前のターンに鉄道劣化を食らっていなければ使えたかもしれないのに、せっかくのチャンスを逃してしまいました。北軍はさらに反撃の姿勢を強めますが、リーの軍とロングストリートの軍団でイリノイとオハイオを守り、最後リッチモンドからヴァンドーンが奪還の兵をばらまいて、ぎりぎりまたヴァージニアの脱落を阻止します。引き換えに南軍は支配を広げられず、結局グラント登場前に勝ちきることはできませんでした。
しかし第7ターン、幸運にも南軍は再シャッフル後一発で外国の介入を引き当てます。今度は発動条件を満たしていたので、すぐにこれを使います。これで今度こそ勝利は間違いないだろうと思いました。ところが北軍はグラントが登場したこのターンに、なんと2枚のキャンペーンとまたも南部鉄道劣化を引いていました。押し寄せる軍勢に、このままではリッチモンドとヴァージニア脱落の危機です。最初のグラントの攻撃に対し、ジョージョンストンはリッチモンド前面で迎撃し、エリート旅団も突撃させて戦います。しかし2つもエリートを持つグラントに対し、ジョーは1の目を出して負けてしまいます。風前の灯の状況でしたが、ぎりぎりリッチモンドで耐えている間に、南軍は北部に侵攻していたリーの軍と、南部を守っていたジャクソンの軍団を呼び寄せ、これ以上のリッチモンド攻撃は逆に北軍が危なくなるようにします。
そこで北軍は作戦を切り替え、狙いをヴァージニア脱落に絞ってきます。南軍はなんとかこれを阻止しようとしますが、物量に勝るグラントは止め切れそうにありません。そこで南軍はまずリーの軍で、既に北部州になっていたウェストヴァージニアに、3箇所の支配を置きます。そして最後にジャクソンでペンシルヴァニアに侵入し、3箇所に兵を配置します。もちろん後番を取っている北軍はすぐにこれに反撃して戦意喪失を防ぎますが、これによりオハイオなどへの反撃は食い止められました。結局ヴァージニアは脱落したものの、南軍は3州の侵入で戦意を稼ぎ、ここで勝利となりました。
かさいさんも大分慣れてゲームがおもしろくなってきました。今回の結果から北軍のための教訓があります。まずリーの北部侵攻に対して、中途半端な戦力で立ち向かうのは大抵無理です。マクレランの軍で砦に迎撃して戦うか、そうでなければ、状況により1、2戦力づつ蒔いておくか、全く好きにさせて他の場所で攻めた方がいいでしょう(もちろんワシントンは別)。
またグラントが登場した時にやりたいことはいろいろありますが、まずは侵攻されている北部州を回復しないと戦意の点で厳しいことが多いと思います。今回の場合リーが引き揚げた時点で、侵攻されたエリアの奪還に切り替えると良かったのではないでしょうか。しかしそうは言っても実際どうするのがいいのかは状況により、一概に言えないのが難しくおもしろいところです。
もし2006年版ならどんな展開になるのか少し考えてみました。北部侵入阻止は安く作れる砦と1戦力のセット(地雷)ばらまきで決まりでしょう。しかも地雷ばらまきに加えて、北軍境界州への侵攻で戦意が稼げなくなった上、上陸修正はどんどん上がって沿岸は守れず、砦を取られるごとに戦意を稼がれるので、普通にやったら2006年版はきっと南軍が不利でしょう。
しかし2006年版では、Foward to Richmondによる活性化が強制になりました。これを使われると、ワシントンに置いた軍は強制的にワシントンから追い出され、南軍はシェナンドー渓谷に軍を置いておけばワシントンをただ取りできます。これを防ぐには、リッチモンドから4スペース以内という発動条件をさけるため、軍をボルチモアに下げてフレデリックに8SPを置く方法がありますが、どちらにしてもワシントン防衛成功率が下がってしまいます。
普通にやったら南軍不利で、ワシントン攻略の成功率が上がったとなれば、南軍がワシントン攻めをやりたくなるのは当然です。そうなると北軍もそれに備えてあらかじめマナサスを占領し、そことハーパースフェリーに砦を作って、マクレランの軍をフレデリックに置き、マクドウェルの軍をワシントンに置いて備えることが考えられます。これならFoward to Richmondを出されてもマクドウェルに行かせればいいので、ワシントンを取られることはありません。しかしこの方法は、南軍が本気でマナサスを守ってくると実行は難しいでしょう。
すると2006年版では、南軍がひたすらワシントンを目指し、これを取れるかどうかだけの勝負になるという展開が予想されます。実際私はネット上のリプレイでよくそういう勝負を見かけ、なぜそんな事をするのか不思議でしたが、2006年版では自然な流れだったようです。しかしそれだけの勝負を、私や私の仲間はおもしろいと思いません。最初のアバロンヒル版も首都の取り合いに終始してしまう欠点があったのを、GMT2000年版で改良したのに、なぜまたここで最大の欠点を復活させるのでしょうか。東部戦線が動くようにしたいということかもしれませんが、今回のリプレイで分かるとおり2000年版でも東部は動きます。というわけでやはり私は2000年版がお勧めです。
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