偉大なるリンカーン
私が南軍、Y君が北軍の時のお話です。
電撃的なフィリップジャクソン要塞攻略で反乱軍に先制した北軍に対し、南軍は海外の援助工作や新兵器水中機雷でさらなる上陸に備えた。
ファラガット「大統領閣下、ここはさらなる海上からの攻撃で、反乱軍の奴らが本格的に動き出す前に、息の根を止めてやりましょう。すぐに上陸と封鎖のための予算を回してください。」
リンカーン「・・・ない。全くない。」
「は?」
「ないと言っているのだ。超レアなあれとか、激スゲーそれとか、どーしても欲しくて使いこん・・・。あ、いやいや。とにかく、ないもんはない!」
北軍にはリー登場前にほとんど上陸できるカードが来ず、封鎖カードも来ず、南軍の封鎖突破船は全て素通りだった。しかも人望のないリンカーンとは裏腹に、デービスは海外の人気が高く、ひっきりなしに援助の申し込みが殺到し、ものすごい軍備を整えていた。
そうこうしている間に、南軍には最強の将軍リーが登場する。ケンタッキー方面で軍を編成するリーに対し、北軍もマクレランでその前面に軍を作って待ちかまえる。
万全の態勢で待ちかまえるマクレランは破れないことを、リーは知っていた。リーは東に向かう。北部の首都ワシントンには騎兵がいなかったが、そこにはエリート2個部隊が居り、簡単に落とせるかどうか。
しかしリーの狙いはそこではなかった。ウエストバージニアは、6戦力のバーンサイド軍が守っていた。9戦力のリー軍では戦ってもそこで止められてしまう。しかし
「ウエスタン・コンセントレイション・ブロック!」
鉄道ではるばる5戦力を呼び寄せたリーは、バーンサイドに襲いかかる。倍以上の戦力となって、戦闘後も移動を継続してペンシルバニアに侵入できるばかりでなく、合計20戦力となって大勝利による大きな戦意も獲得した。実はこのカードは、軍司令官も戦死の対象になりうる危険なカードなのだが、影武者をたくさん連れていったリーは難を逃れた。恐るべしリー将軍の知略。しかし・・
北軍にはリーをさらに上回る将軍がいた。そう、ジョージ・マクレランである。次のターンの開始時、キャンペーンを使い、マクレランはビンセンスからホイーリングへ、ワシントンからはグラフトンへ軍団が送られる。これでリーは補給が切れ、マクレランが迎撃に失敗しない限りウエストバージニアを通っては帰れない。
絶頂から一気にどん底に叩き落とされたリー。ウエストバージニアを強行突破するのはあまりに無謀。そこでリーははるばるオハイオ、インディアナ、イリノイと走破し、パドゥカウKYに鉄甲艦を建造して退路を作り、ようやく逃げ延びた。このターン南軍は北部州の地歩を全て失った。
1862年の秋になると、リーはイリノイ、インディアナへの再侵入を思案するが、すでに戻ってきていたマクレランを前にしてはギャンブルにならざるを得ない。そこで再びウエストバージニアに向かう。
マクレラン「大統領閣下、リーを叩き出すのに成功しました。次の侵攻を防ぎきれば、反乱軍はもはやわが共和国を侵すことはできなくなるでしょう。すぐ軍を動かすための物資を送ってください。」
リンカーン「・・・ない。全くない。」
「は?」
「ないと言っているのだ。カトリーヌちゃんや、キャサリンちゃんや、アンジェラちゃんにねだられて、マンションを買っちまって・・・。あ、いやいや。とにかく、ないもんはない!」
物資を送ってもらえなかったマクレランは動くことができず、ウエストバージニアの防衛は軍団に任された。リーの軍は10戦力に減少しており、これを突破していくのはできないはずだが・・・
「ストラテジック・コンセントレイション!」
「またか!」
この絶妙のタイミングでまたも5戦力輸送カードを引いていた南軍は、再び大勝利を得る。
演説下手のリンカーンは奴隷解放宣言もゲティスバーグ演説もできず、北部の戦意が全然上がっていなかったため、今回の大勝利と北部侵入で南部の独立が実現することとなった。リンカーンは並外れた才能で南部の独立に貢献し、戦争を早期に終わらせた大統領として歴史に名を残すこととなった。南部人には親しまれ、暗殺されることもなく天寿を全うしたと言う。そして誰一人知る由もなかったが、これによりグラントという史上最悪の大統領の登場が阻止されたのであった。
For the Peopleではカードの運だけでバランスが傾くことはあまりないのですが、今回はあまりにカードが片寄ってしまいました。これだけ3のカードが来ないと北軍はろくに動けず、さすがに厳しいです。
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