リーの落日
 
 前回完敗を喫したので、戦略を練り直して再戦です。もちろん前回同様2000年ルールに作戦備蓄の選択ルールで、私が南軍です。

 第1ターン南軍はキャンペーンで先手を取り、プライスでテキサスの沿岸を守らせ、東部では国境の兵をリッチモンドに引き揚げます。ここで北軍は西部湾岸海域の封鎖が難しくなったにも関わらず、フィリップジャクソン要塞に上陸してきます。警戒した南軍は念のためニューオーリンズに兵を送りますが、これは単に北軍に上陸できるカードが1枚しかなかっただけでした。
 その後南軍は新戦略の手始めにケンタッキーで支配を伸ばし、さらにASジョンストンで軍を作ります。そしてこの軍でケンタッキーに侵攻し、3ターンの終わりにはケンタッキーの支配に成功します。
 一方北軍は防衛体勢の構築もそこそこに積極攻勢に出ます。東部湾岸海域を封鎖し、フロリダを脱落させ、さらにキャンペーンで2つのルートからミシシッピ河を下り、十番島そしてメンフィスを占領します。そして北軍は攻撃の手を緩めず、今度はフロリダに上陸した部隊でジョージア州のコロンバスを急襲します。サイの目に助けられてここは守りきるものの、北軍はさらに唯一残った極西部への連絡点ヴィックスバーグを占領してしまいます。
 ああ、南軍大ピンチ!まだ3ターンだというのに極西部3州が脱落の危機です。こんな状況では新戦略どころではありません。リーの北部侵攻を支援する予定だったASジョンストンは、急ぎ南下して付近の北軍を追い払い、アラバマ州東側の都市オペリカでリーや騎兵を含む増援兵力と合流して、今後の作戦を思案します。

 第4ターンのカードを開いてみると、南軍の手にはテネシー州での増援カードがありました。そこでまずASジョンストンは戦力を二分して6戦力で西に向かい、ヴィックスバーグ奪還を目指します。そして残った6戦力とリーで軍を作り、テネシーの増援を拾って北を目指します。
 そこからASジョンストンはヴィックスバーグの北軍を叩き出し、ルイジアナに押し込んでこれを補給切れにします。そしてリーはケンタッキーからの侵攻が無理そうなので、さらに東に進みます。このターンの北軍はまだ騎兵が一つしかなく、序盤の積極的な攻勢で防衛陣地もあまりできていなかったので、効果的な防御が難しく、リーはウェストヴァージニアを支配し、ペンシルヴァニアへの侵攻にも成功します。これで南軍はなんとか危機を乗り越えたように見えました。
 ところが次のターン、ロングストリートの増援を入れ大勝利を得るつもりで戦闘を挑んだリーが、マクドゥエルに6を出されてまさかの敗北。このままではいられないリーは増援を加えてさらに攻撃しますが、ワシントンから1のみの迎撃を受けて互角の戦闘になってしまい、結局これもサイの目で負けて敗北します。
 大損害を受けたリーはさらなる侵攻もできなくなります。ASジョンストンは極西部で活躍してアーカンソーを守り切るものの、南軍は何も得られずこのターンを虚しく終わります。

 第6ターン、ヴァージニアに侵入してきた北軍を押し戻すため、リーは中規模戦闘をしかけます。しかしここでマクドゥエルに6を出されて予想以上の損害を受けた上、フォレストが負傷してリーの軍から騎兵がいなくなってしまいます。北軍も同時にストーンマンの騎兵が負傷しますが、リーの軍は残りわずか2戦力になり、次の北軍の攻撃をかわし切れず全滅!しかも海上は4つの内3海域が封鎖状態!ああ南軍はどうすればいいの?
 とりあえず南軍はジョージョンストンで軍を作り、リッチモンドを守らせます。危険な状態でしたが、今まで南軍には割と多くの増援が来ていたこともあり、マクドゥエルの能力では攻め切れず、なんとか首都陥落は免れました。

 次のターンにはリーも復活しグラントも登場します。ただ北軍は騎兵が1つしかないのが厳しく、北から攻撃するのが非常に難しくなっています。南軍がリッチモンドに優先的に増援を入れると、ここの攻略はグラントを持ってしてもうまく行かず、また極西部でのテキサスやアーカンソーに対する侵攻も、ことごとくASジョンストンやジャクソンに撃退されます。さらに海からの中央部への侵攻も、APヒルが作戦的集中を使った敵中突破で補給源の港を奪取したり、ジャクソンや名も無き師団らの予想外の反撃を受けたりして、北軍は中盤から毎ターンのようにキャンペーンを引いているにも関わらず、なかなか支配の拡大に結び付きません。
 逆に南軍は、グラントに引き抜かれて騎兵のいなくなったマクレランをリーで撃破したり、ペンシルヴァニアに侵入したりと、この時期だというのに未だ好調です。地道に分散した北軍戦力を狙って潰したり、州の支配を維持していることで、戦力差が意外と開いていないのも利いているのかもしれません。
 そしてさらに南軍は大統領の私的顧問の進言により、活躍しすぎて政治的に邪魔になったASジョンストンを解任し、新たにジャクソンをテネシー軍の指令官にして磐石の防衛体勢を整えます。
 第9ターンになるとようやく騎兵が復活し、第10ターンにはシャーマンが登場します。しかしこの時点で落ちている南部州はフロリダだけしかなく、南軍の戦意は60以上もあってあと3ターンで南軍の戦意を0にするのは不可能と思われたので、北軍は講和を申し出ました。

 最初の目論見とは全く違う展開でしたが、ASジョンストンの軍を使う試みは結果的にうまく行きました。ただ今回のように増援が豊富でないと、戦力不足に悩むことになるかもしれません。
 また今回北軍は他の積極攻勢で使っていたため、軍に十分な弾避け要員の将軍を入れずに戦闘を繰り返し、騎兵指揮官が負傷してしまいました。騎兵指揮官の離脱は重大な影響があるので、北軍は慎重に戦わなければならないということを、改めて確認しました。
 それから今回南軍は最後までドーバーTNの砦を保持し続けましたが、ここを失うと付近で東西の移動ができず守りにくくなるので、ここの支配は思っていた以上に重要なようです。
 そして今回は特にアーカンソーとヴァージニアの支配を巡る攻防が熱いゲームでしたが、これも州の支配に資源都市を必要としない2000年版ルールならではです。

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