天界への入り口
Twentieth century renaissanceという会社のGateway to the starsというゲームをやってみました。メンバーはあっちゃん、杉さん、さくらいさん、かさいさん、Y君、私の6人です。
このゲームは宇宙植民戦争がテーマです。まずマップは各星系をジャンプ路で結んだインペリウムのような感じですが、三次元を表現していて、一見近い星系が実は高さが違って遠かったりします。座標で表示されたゲームのような面倒さがなく、三次元が分かりやすく表現されています。
ターンは順番決定、生産、移動・戦闘・探査、惑星調査、植民の順で行われ、生産と植民は全員同時に行われます。順番決定はランダムですが、生産力を払うことで最初又は最後になることができ、二人以上が望んだ場合はより多く生産力を払った方が優先されます。
生産は秘密に行われ、安全に未知の星系に入れる星間探査船、惑星調査に威力を発揮する惑星調査艦、友好独立勢力と交易する交易船、生産拠点になると共に戦闘力も高い宇宙基地、その他巡洋艦、ドレッドノート、植民船などを生産し、宇宙基地に配置します。
次に先に決めた順番で移動・戦闘・探査を行います。移動は6ジャンプまで可能ですが、未探査の星系に入ったり敵の戦闘艦に止められるとそこで終了します。星間探査船なしで未探査の星系に入る場合は、1d6で1〜2を出すと、失敗して船は失われます。またジャンプ路には通行が難しいものもありますが、ジャンプ技術が向上すると通りやすくなります。
戦闘はまず互いに1dして修正を加え、2以上大きい方は退却か先制攻撃の権利があります。差が1以下なら同時解決です。ステップ数だけサイを振り、強さ以下で命中です。ステップは宇宙基地が4、ドレッドノートと総合植民戦力が2、他が1、強さは戦闘用のユニットは3で、それ以外はより弱くなっています。
戦闘後にチットを引いて惑星の住み易さを判定しますが、まれには敵対勢力や艦隊の消滅が出ることもあります。その場合も星間探査船がいれば、安全に後退することができます。
全員が終わると、次に望むなら惑星調査を行うことができます。まずスターゲートを置き(スターゲートが無いと、そこから先に進むことはできず、引き返すことしかできません。)、そして住み易い星は1枚、住みにくい星は2枚の調査カードを引いて解決するのですが、ここでよく未知の脅威による攻撃を受けます。その場合普通の船は皆戦闘力1になりますが、惑星調査艦だけは2戦闘力を持ちます。
惑星調査で条件をクリアすると(無条件の時もあります)、カードを受け取って該当する進歩表の欄に置き、カードの揃い具合によって、勝利得点を得たり、新技術を得たりできます。またこのカード(のみ)は生産の時に交換できます。
最後に植民船のいる星で植民を行うことができます。星系の居住性+既植民数だけ植民船を消費すると1植民でき、生産力と戦闘力を持つ総合植民戦力に置きかえます。また敵の総合植民戦力を制圧した場合、この時に味方のものに置き換えます。
勝敗は9ターンの終わりに勝利得点から決まる勝利段階を比べ、最も勝利段階の高いプレイヤーが勝利します。勝利得点は最も重要なのが植民で、次が調査カードの獲得ですが、交易、独立勢力の発見、初植民などでも入ります。
まず最初の選択は生産から始まります。最初自分の星系以外は未探査なので、探査用の船が必要です。確実なのは星間探査船ですが、高価で最初の生産力では1ユニットしか買えません。代わりに惑星調査艦を2ユニット買って、あわよくば2ヶ所を探査し、一気に惑星調査まで進んでしまうというギャンブルもできます。今回は3人が前者、3人が後者を選びました。その結果ギャンブル派の2人が最初の植民に成功します。
ターンが進むと、周りの星系の居住性の善し悪しや、探査、惑星調査の成否などで、生産力や技術力に差が出てきます。ここで最初に攻撃を始めたのはY君でした。ギャンブルで優位に立つことができず、近くの星系の居住性も低いため、ジャンプ技術の向上を利用して、戦争に活路を見いだしたようです。ドレッドノート4ユニットを含むY君の大艦隊は、かさいさんの宇宙基地をものともせず、植民戦力を制圧します。
そして最終ターン、Y君はドレッドノートの損傷を回復し、他の人も皆、戦争、植民、交易、惑星調査とめいめい状況に合わせて生産を行います。しかしここで一波乱。互いにセットが揃うようにカードの交換をしていた時、私が有利だから自分に有利な条件でないと私と取引しないと、かさいさんが言い出します。お互いの利益なんだから一方的なことを言ってもだめだと私は説得しますが、かさいさんはモノポリーではこの理屈で通したなどと言って譲りません。結局互いに勝利得点を得るチャンスを逃しました。
アクションの順番的にはかさいさんが一番、私が二番で、後番の他プレイヤーに攻撃されやすい状況です。しかし先の交渉決裂で、私がうまく行っているという印象が薄れたのか、近くのプレイヤーはあまり自分の勝利得点にならない私への攻撃よりも(最終ターンに奪った植民地の得点は半分にしかならない)、探査で自分の得点を獲得する方を選びました。(足止め部隊の効果もあったでしょうが)
そしてゲームが終了して得点計算をすると、私は植民技術と近くに居住性の高い星が多かったことで、最終ターンに3ヶ所の植民に成功し、60点台の「成功」で勝利。他3人が50点代の「十分」な中、かさいさんとY君は40点代以下の「手詰り」となりました。私が勝てたのは、結果的にかさいさんのおかげかもしれません。
このテーマのゲームは数多くありながら、なかなかこれというものがありませんでしたが、こんな傑作が眠っていたとは驚きです。すっきりしたルールでありながら独特のアイディアも多く、探査・植民・戦争のバランスもとれています。そして様々な探査と惑星調査の結果などにより戦略的状況が変化することや、特徴ある船、基地等の生産によってプレイヤーの意志でも戦略が変わることで、パターン化しない作りになっています。こんなよくできたゲームが入手困難とは実に惜しいことです。
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