怒涛の進撃
 
 久しぶりにかさいさんとハンニバルをやり、私がカルタゴです。いつものようにAHルールで10戦力頭打ちルールです。

 打倒ローマを誓ったハンニバルは、アルプスをわずかの損耗で越えて言った。
「見よ、ローマよ!我が怒涛の進撃を!」
その時兵士たちはてんで勝手に暴れまくり、その結果疫病が蔓延して3割が倒れていた。
 ガリアの兵を無理やりとっつかまえて数だけは揃えたハンニバル。イタリアの門を守るパウルスを前に言った。
「見よ、我が軍のこの秩序!怒涛の攻撃の前に全滅するがよい!」
まず象を突撃させるが、象もてんで勝手に暴れまくり味方を踏み潰していく始末。それでもローマ軍は左翼が弱く、そこをつけば崩すのは容易なはずだったが、マーバル騎兵を中心に勝手に両翼で攻撃が始まり、薄くなった中央を突かれてハンニバルは負けた。
 いのちからがら逃げ延びたハンニバルに、今度はパウルスの攻撃が迫る。
「戦上手とは退却にこそその力が表れる!見よ、怒涛の撤退を!」
「回避!6!失敗です。」
「戦闘しながら整然と後退。これが真の実力よ!それ西に撤退!」
「兵士は東に向かっております。」
「うーぬ、では東に撤退路を開け!」
「兵士は西に戻り始めました。」
「あー、なんじゃそりゃ!勝手にしろ!」
「撤退に成功しました。」
 かろうじて全滅を免れたハンニバル。ガリアで再び兵を集めてローマの猛将マルケラスと対峙する。
「今度こそ絶対超絶圧倒的怒涛の攻撃というものを見せてやる!」
兵士たちの士気は絶対超絶圧倒的に低く、ちょいと探りを入れられただけで敗走した。
 もう戦闘では全く歯が立たないハンニバル。決戦を諦め兵を補充すると、ローマ軍を迂回し山地を越えて南に回ることにした。
「アルプス越えを耐えた我が精鋭。こんな低山ものともせぬわ!イタリアの民は私を呼んでいる!」
「6!兵士ははじから脱走し、兵力の3割を失いました。」
あまりに不憫なハンニバルを憐れんで、エトルリアの民衆は半数がローマから離反してくれた。

 イタリア侵攻が全く進まない間に、ローマ軍はアフリカに上陸し、ヌミディアに支配を広げていた。ハンノは兵士に命令する。
「ローマ、許すまじ!怒涛の反撃を見せてやれ!」
「えー、砂漠暑いしー、やってらんねー。」
なんとかどやしつけて動かすが、取られた一部を取り戻すのが精一杯で、弱将のヴァロ相手に決戦を仕掛けることすらできはしない。
 さらにローマ軍は、ファビウスとマルケラスの最強コンビで、奪われたエトルリアを取り返しに来る。ハンニバルはもうここで勝って一気に挽回するしかない。
「今度こそお前らを全滅させ、積年のうらみを晴らしてくれる!見よ怒涛の二重包囲!」
今回はようやく二重包囲を完成させることに成功したハンニバル。
「よーし!そのまま包囲を狭めて全滅させろ!」
「あー、やったやった。十分仕事した。死に物狂いの奴と戦うの怖いし。じゃ、これで解散。」
勝手に包囲を解き始める兵士たち。やる気のない兵士たちをしゃぎつけて(方言)再編し、ハンニバルは再びローマ軍に決戦を挑む。
「もう次はない!今度こそ包囲殲滅だ!」
学習しないハンニバル。今回も包囲には成功したが、
「やっぱ怖いっす。追うのやめるっす。」
秩序も何もない兵士たち。
 スキピオ登場前に何とか勝負をつけたいハンニバル。最後の最後3度目の正直に挑む。
「カルタゴの武士に四言はない!これこそ最後の怒涛の包囲殲滅戦だ!」
ついに最後の怒涛の包囲殲滅戦でハンニバルは殲滅された。



 雑記帳を読んでくれている皆さんはご存知かと思うが、ハンニバルは最後まで怒涛の意味を知ることはなかった。

怒涛の=秩序が乱れて手のつけられない。怒涛は同じ所で滅茶苦茶に動き回り、全く前に進まないことから。
 
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