地獄の門(Mitsuさんと)
猿遊会にて、ちはら会代表のMitsuさんとハンニバルをやりました。私がカルダゴで、ルールはヴァレー版にいつもの10戦力で頭打ちルールを同意してもらいました。ただプロコンスルとコンスルの戦力制限がヴァレー版で変わっていたのを知らず、これだけはアヴァロンヒル版のルールでやっていました。
会場でYagiさんに「Mitsuさんはやりこんでいるから覚悟しなよ」との忠告を受けます。ひええ。でも私だってAH版からそれなりの回数をやっています。ただ負けることはないし、ちょっと運が良ければスキピオ登場前にサドンデス勝利だって狙ってやると、心ひそかに思っていたところですが・・・
Mitsuさんが到着しすぐゲーム開始です。しかし開始早々、私は地獄への入り口に立たされていたことに気づきます。
私は2枚の「3」カードを山越え後の補充用に残し、2のカードで支配を始めます。それに対しMitsuさんはシスアルピニアを3ヶ所支配し軍を派遣するという積極的な作戦。そしてその後地獄の宴は始まります。
まず私は山越えで最悪の6を出してしまいます。そしてMitsuさんの手から恐ろしいカードが出るわ出るわ。伝令捕獲で補充の3カードを取られ、残りの1枚で補充すると、さらに疫病でまた1減らされ、しかもキャンペーンは2枚も持っている。
「どうしろというんだ!」
私はシスアルピニアの支配を得て、友好部族にハンニバルで迎撃できる形で守っていたため、Mitsuさんも危険を冒して無能な将軍で攻撃することは控えましたが、次ターン持ちこたえられるのか?
次こそは良いカードが来なければ神も仏もないと迎えた第2ターン。神も仏もありませんでした。
「3のカード1枚きり。増援もない・・・。」
そしてローマのコンスルはファビウスとパウルス。このままではいきなりファビウスに殺されてしまいかねないので、先手を取って唯一の補充をハンニバルに行います。ローマのコンスルは全員移動値が3なので、ローマの攻めが鈍るのを期待しますが・・・。
百戦錬磨のMitsuさんにそんな甘い期待が通じるわけはありません。イタリア戦線が安定したのを見て取ると、P.スキピオと10戦力でイスパニアに渡り、イドゥベーダの支配を奪いに来ます。
「またそちらだけキャンペーンか」
このままイスパニアを切り崩されれば万事休す。絶対に奪われるわけには行きません。ハスドゥルバルは決意を胸に撃退に向かいます。しかし・・・
イスパニア同盟国離脱!
「それまで持ってたかーー!」
万事休すか?しかしハスドゥバルはあらかじめ警戒していたのか、即時撤退に成功。軍を無傷で保つことができ、何とか一息つきます。さすがにカード無しのP.スキピオでイスパニアに残り続けるのは危険と、Mitsuさんは冷静にP.スキピオをマシリアに下がらせます。
第3ターン。神も仏もむにゃむにゃ・・・。
「ない。3のカードが無い。良いイベントも無い。神も仏もどこにもいない。」
ローマのコンスルはパウルスとヴァロで、積極的な攻撃が無さそうなのは救いですが、このままでは全く進めずジリ貧です。
「どうしよう・・」
しかし無為にしばらくラウンドが進んだ後、見逃しに気づきます。ルカニアでの増援と思っていたのが、実はシスアルピニアでの増援でした。あまりの不運の連続に混乱していたのでしょうか。
多少危険でもここはもう行くしかありません。2戦力の予備を作った上で、ローマの盾ファビウスに突撃です。互いに戦闘カードは使わず。結果は0対4の損害でハンニバルの快勝。イタリア内部への侵入路を開きました。
第4ターンファビウスへの攻撃を継続します。最初の戦闘は探りでの勝利だったものの1対4の損害。次も1対3の損害で打ち破ります。
イタリアでのバランスが少し傾いてきたこの状況を見て、Mitsuさんはマシリアにいたネロの軍をキャンペーンでヌミディアに渡らせます。ネロの特殊能力でキャンペーンでは6移動力あるので、さらに兵を散らばせて、次に西ヌミディアを支配できる形にします。ハンノは陸上移動では届かない位置におり、まだ海上移動の修正が何も出ていないので、上陸作戦では6が出ると全滅してしまいます。
しかし私はここで唯一の対抗カード、3の強行軍を持っていました。ネロの迎撃も失敗し、ハンノは急襲します。これで決まったか?
しかしもちろん達人Mitsuさんの策が、それだけで済むはずがありません。戦闘で出てきたのは、
ヌミディア同盟国離脱!
なんと用意周到なこと。しかし私も負けずに、普通の同盟離脱を出します。ヌミディア離脱に比べれば威力は弱いものの、攻撃側であることもあり少し有利に持ち込みます。
そして戦闘は探りによりハンノの3ラウンド勝利。ネロには退却先がないので、探りでも勝ちさえすれば全滅させることができるのです。続けてハンノは残党を狩り、その能力で敵支配を飛ばします。ハンニバルもエトルリアを支配してこのターンを終えます。
ようやく盛り返してきたかと思って迎えた第5ターン。エトルリアの完全支配からサムニウムの支配へと進み、カプアを寝返らせようとしたその瞬間、Mitsuさんは外交でサムニウムの支配を崩してきます。そして何とか支配を取り戻そうと苦闘するも妨害にあってうまく行かず、それどころかまたしても伝令捕獲でカードを奪われます。
「地獄に出口などないということか?」
Mitsuさんはまたも持っていたメジャーキャンペーンで侵入し、ハンニバルは2回とも迎撃に失敗して、サムニウムどころかエトルリアの支配まで失ってアフリカヌスの登場を迎えることになってしまいます。
第6ターン、ハンニバルは外交でサムニウムを支配し、スキピオと戦って、7ラウンドで右翼を破り1対5の損害で大勝利を収めます。しかしローマはターンの最後にヌミディアを反乱させます。
第7ターンにはやむを得ず先手を取ってカルダゴはヌミディアに支配を置きます。そしてローマは豊富な戦力で再び攻撃を開始します。いかなハンニバルといえどもスキピオの攻撃をそう何度も撃退し続けることはできませんでした。2度続けてスキピオに敗れたハンニバルは、シスアルピニアに後退します。
さらにローマは弱ったハンニバルをキャンペーンで殲滅に来ます。まずフラミヌスの攻撃は撃退しますが、スキピオの攻撃に勝てる見込みの無いハンニバルは戦闘を回避し、時間を稼ぎます。
しかし第8ターンもさらに続く総攻撃。どうにもならなくなったハンニバルは、ついに現地人の手引きでアルプスの抜け道を通り落ち延びていきました。ところがここでさらに敵部族の追い討ち。幸いこれは外れて損害を受けずに済みます。さて当然のように見えたこの追い討ちですが、実はこれが後で大きく響くことになります。
絶望的となったカルタゴでしたが、できるだけのことはしてみます。マゴを1戦力でサルジニアに上陸させ、ここの支配を試みます。ローマの主力はハンニバル攻めでガリアにおり、ローマ市にいるのはファビウスでイタリアを離れることができません。ローマ軍は時間をかけてガリアにいた将軍を引き揚げ、サルジニアに渡らせてマゴを倒し、やっとでサルジニアの支配を守ります。
さて先ほどハンニバルに対して部族の追い討ちをしていたことで、最後にカルタゴはダブルアクションになっていました。ここでカルタゴはシシリアの反乱と3のカードを残しており、一挙にシシリアを支配します。これで最終ターンに望みが繋げました。
そして迎えた第9ターン。地獄を彷徨い続けたカルタゴへ、最後に一本の蜘蛛の糸は垂らされるのか?
私は再びマゴをサルジニアに上陸させ、ローマ軍の迎撃をかいくぐり、サルジニアの反乱も利用して支配を試みますが、やはり最後には潰されてしまいます。しかしローマ軍の行動が妙です。スキピオがシスアルピニアからエンヤコラ歩いてシシリアに向かっています。これは?
そうこのターンのローマには、3のカードが1枚も無かったのです。シシリアを取り返さなければローマの負けですが、そのために何アクションも使うはめになります。そしてようやくスキピオはシシリアに辿り着き、支配をなんとか取り戻します。これで何もされなければローマの勝利ですが、私はその間にハンニバルの兵力を満杯にしてアルプスの手前に控えさせ、マルケラスと最後の決戦の構えを見せます。
しかし実は本当の狙いは決戦ではありませんでした。マルケラスが攻撃を警戒し、シスアルピニアで兵をばらまかないでいてくれればそれで良かったのです。私はラス前に外交でシスアルピニアの支配を奪い返し、支配数を同数とします。そしてローマの最後番ですが、ローマは再逆転できるカードを持っておらず、ここでカルタゴの勝利が決まります。
一応カルタゴの最後番、残っていたのは「シラクサイの寝返り」。これでカルタゴはさらに一つ支配を増やして、10対8で終了となりました。
前半のどうにもならないカードの不運とMitsuさんの厳しい攻撃により、第8ターンまで地獄のような苦しさでしたが、アフリカヌス登場まで戦闘で全勝できたことと、そして何より「せっかく遠くまでやって来て、むざむざ負けられない」という想いで粘り続けたことが、最後の最後で奇跡を呼び寄せたのでしょう。非常に白熱した好勝負でした。
mitsuさんによるリプレイもどうぞ
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