ペリクレス
かさいさんとGMTのHellenesをやりました。ペロポネソス戦争をテーマにしたブロックゲームです。ブロックの古代戦には付き物なのか、神様も出てきます。431年シナリオで、ネットでは慣れていない人がアテネをやってすぐ負ける例が多かったので、持ち主の私がアテネをやりました。
まずスパルタ陣営はテーベの軍勢を北上させます。が、全軍で討って出たため、アテネはすかさずポテダイアの攻囲を解き、それとアテネ市から出撃した軍でテーベを陥落させます。テーベ軍が目標としていたと思われるテッサリーも、徴兵で新規の軍が登場して攻撃できず、テーベの軍は付近に分散して帰ります。
初年はテーベの支配と都市陥落による名声が大きく、差し引きアテネ側に5点入ります。しかしこのターンは点数よりももっと重要なことに、アテネ市にいきなり二度の疫病が起こり、偉大な指導者ペリクレスが早くも失われてしまいます。
翌年アテネは再びポテダイアを包囲。スパルタもテーベとプラテアを包囲しますが、テーベの方は堅すぎるので諦めて、冬季はプラテアのみ包囲を継続します。スパルタはアテネの略奪で点を稼ぎますが、アエオリア諸島の反乱はすぐ鎮圧されて名声を与えるだけに終わります。全体ではアテネ側に2点追加です。
3年目、アテネ側はコルシラ島の部隊で、アンブラシアを占領します。しかしスパルタも最後にビザンチウムで反乱を起こし、アテネはその鎮圧が間に合わなかったため、名声はアテネ側に1点のみです。
4年目、年初のイベントでポテダイアに内戦を起こしたアテネは、それに乗じてついにポテダイアの鎮圧に成功します。さらに余勢を駆ったアテネはマケドニアまで占領します。スパルタは反乱アエオリア艦隊でレスボス島を占領するものの、これでは追い着かず、アテネは名声14点からの和平の提案に成功し勝利します。テーベを空けた失敗が大きく、ペリクレスの早い死では補いきれませんでした。
かさいさんには不満な結果だったので、もう一度同じシナリオ同じ陣営でやります。
今回スパルタは慎重に事を進め、プラテアの占領に成功します。しかしアテネはポテダイアの攻囲損耗でいきなり2損耗を与え、さらにオドリシアとマケドニアの蛮族を引いたため、早々にポテダイアを強襲占領し、さらにマケドニアまで占領してしまいます。キテラ島も占領したアテネは、この年5点を獲得します。
2年目、アテネはさらにアンブラシアを占領するもののヘラクレアの占領には失敗し、逆にスパルタはストラトスを占領、ナクソス島を反乱させ、アテネ市への略奪もあって、名声はスパルタが3点獲得し、差し引きアテネ側に2点です。
3年目、いっこうに疫病が起こらずペリクレスが健在で戦力が充実してきたアテネは、ここで重税を課すことを決定します。重税は、アクションが1増える代わりに、反乱が起きた時には追加でもう1つ反乱が起こるというハイリスクハイリターンなカードですが、今の戦力なら反乱は十分鎮圧できると踏んだものです。
果たして3年目も4年目も反乱は1回づつしか起こらず、大方すぐに鎮圧され、アテネには莫大な戦力が貯まります。スパルタはこの戦力に気付かず、いつものようにアテネを包囲に来たところ戦闘を挑まれ、敗れてほうほうの体で逃げ帰ります。スパルタはセファレニア島にも上陸してみますが、先手番の作戦だったため、ダブルアクションでやってきたアテネの大軍により、防御に有利な(通常の戦闘ラウンド前に一方的攻撃がある)上陸戦闘にも関わらず大損害を受けて敗退します。(実は上陸作戦に対しては、反対側の海があっても海軍は一切退却ができなかったのですが、忘れていました。)
5年目秋に余裕の出てきたアテネは大攻勢を掛けます。ストラトスの奪還、ヘラクレアの占領、テーベの包囲を狙ったものです。これに対しスパルタ軍は必死で再建したスパルタ軍でテーベの包囲軍に全力攻撃を掛けます。しかしアテネ軍には騎兵が居たので、戦わずにアテネ市へ撤退します。そしてストラトスとヘラクレアへの冬季攻囲作戦は、デメテルの支援を受けたにも関わらず全て失敗に終わります。しかしスパルタがアテネ市へ略奪できなくなったことは大きく、この年の終了時の名声はアテネ側に7まで傾いています。時間切れでここまでとなりましたが、アテネ側有利の状況でしょう。

ルールを読んだ限りではそれほど面白いゲームには見えませんでしたが、反乱や海上移動による長距離侵攻、困難な攻城戦と解放のための陸上戦など、簡単なルールの割に複雑な状況で、予想以上に良いゲームでした。ただ決戦で勝敗を決するようなゲームではなく、全体を見て一つ一つ状況を有利にするよう色々な手を組み合わせていかなければならないので、やや上級者向けかもしれません。
また互いに相手を打倒する戦略が無く、あちこちで攻城戦や略奪、小規模な勝利を得て名声を獲得しあうにとどまるという、ペロポネソス戦争前半の雰囲気がよく出ています。このテーマでは最もよくできたゲームではないでしょうか。
また戦闘力が重装歩兵の半分で一見弱そうに見える軽装歩兵ですが、潰走命中で1ユニットまるごと無力化できるこのシステムでは、先に撃てるメリットが大きく、実は後撃ちの重装歩兵に近い強さがあります。歴史群像の記事によるとそれが正しいようで、重装歩兵が軽装歩兵に負ける戦いは多々あったそうです。
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