敵主力は撃滅した!
 
 War in the Mega Cityの5回目です(前回は4回やったので)。政府軍は全く勝ち目が無いので、以下のルールを使います。Y君が反政府軍、私が政府軍です。
・戦闘で獲得した情報戦ポイントの少なくとも半分(端数切上げ)は、自分のポイントを増やすために使わなければならない。
・味方のC2基地や封鎖地区は、他の味方1ユニットを収容でき、これらは指揮攻撃でも分けて攻撃されない。(移動不可ユニットがあまり使えないので救済)
・ヘリで空挺部隊を輸送した場合、ヘリは輸送後さらに移動できる。(空挺は軽装と比べて値段が高いだけなので救済)


 政府軍は重戦闘団をC2基地に籠城させ、他はあまり目標にならないよう多くをステージングベースに待機させます。ただ警察2ユニットづつは都市への入り口で検問を行わせます。反政府軍は先攻しても勝てないので、部隊を地下に潜伏させた上で、収入獲得に有利な後番を選択。政府軍は行動を開始します。
 反政府軍主力が迫る検問所から警察は撤退し、ステージングベースを出発した部隊は市内全域にくまなく広がります。そして反乱軍主力が検問所に差し掛かった所で、政府軍は狙いすましてそこを空爆!警察隊らに包囲されて退路の無い反政府軍主力はいきなり全滅します。さらに政府軍は特殊作戦部隊を使って、3か所で地下に潜む都市ゲリラを急襲し、1か所で撃退されるものの、2か所でこれを倒します。また2か所では反政府軍幹部に対峙攻撃を掛け、軽装歩兵や警察の練度を向上させます。ぎりぎり11まで使い込んだ情報戦ポイントも、25まで回復します。これならいけるんじゃないかな?
 そして反政府軍の番。情報戦ポイントやネットウォーマーカーで戦力を回復すると、反撃を開始します。トラック爆弾でナショナルパレスの重戦闘団を撃ち倒したのを皮切りに、政府軍の弱い所を狙って攻撃を仕掛け、リゾート、ヴィクトリースクエア、独立広場、住宅地2か所が反政府軍の手に落ちます。しかも多くのエリアには地下地域に反政府組織が潜伏し、政府軍の支配を妨害します。そのため反政府軍には18情報戦ポイントが入るのに対し、政府軍には5ポイントのみです。


 動員ができないターンB、引き続き情報戦ポイントで上回る反政府軍は、当然後番を選びます。政府軍はここで地下から出てきている反政府軍を叩き、戦況を好転させるしかありません。政府軍の重戦闘団、軽戦闘団、特殊作戦部隊は、反政府軍のゲリラや幹部を狙って移動します。しかし政府軍の戦力優位は意外に少なく、2:1攻撃の敗北やオーヴァーキルもぽつぽつ見られて、全体に成果は十分ではありません。
 そして反政府軍は自軍の移動で政府軍のいるセクターの地下に侵入し、政府軍の収入をほぼ絶ってしまいます。その結果政府軍の情報戦ポイント40に対し、反政府軍のポイントは66にもなります。反政府軍が動員を始めたら政府軍に勝ち目はないでしょう。


 そして第2Aターン、政府軍の攻撃。これが成功しなければ政府軍は終わり。しかし40ポイントは思った以上に足りない。不十分な戦力の政府軍で、大半が地下に籠る反政府軍には攻撃が効きづらく、しかも攻撃は失敗が続出。反政府軍の情報戦ポイントは70を超えてしまいます。だめです。政府軍は次の反政府軍の攻撃を耐えられません。投了です。


 政府軍は最初に敵主力を撃滅し、これなら割といいかと思いましたが、やはり後番を選べる反政府軍は強かった。政府軍は最初にもっと徹底して地下地域へのディスラプトも含めた攻撃をすべきなのでしょうか。
 ただいろいろ考えてみると、このゲームの問題は反政府有利のバランスだけではありません。
・支配判定直前に移動攻撃のできる後番が圧倒的に有利で、既に有利なIWポイントの多い側が後番を選べるので、有利な側はどんどん有利になってすぐ勝ち切ってしまう。
・アンダーグラウンドでは、攻撃も支配もできない。だから敵のキネティック攻撃を制限できるくらいでは、ここに残る価値がほとんどない。後番でスッと入って、先番の支配を崩すのにしか使わない。何それ?地下はゲリラ戦を仕掛けるためにあるんじゃないの?
・キネティックの2:1攻撃が、低比率なのに83%で勝てる上にIWポイント収支も平均プラスで、異常に有利。可能な限りこればかり使うことになる。
そのためこのゲームは、正規部隊と非正規部隊、オープンスペースとアンダーグラウンドが入り乱れ、地下に潜む反政府軍が主要拠点を押さえる政府軍にゲリラ攻撃を仕掛け、互いに敵の撃破と民衆の支持の兼ね合いに悩むといった大都市内部の戦いらしい展開には、全くなりません。市民の巻き添えなど関係なく大っぴらにガンガン殴り合い、それで最初に有利になった方がそのまま単純に勝ってしまうだけです。これはちょっとくらいのルール修正では直りそうもなく、残念ながらデザインは失敗でしょう。
 
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