反転混乱焼き尽くし攻撃!
 
 ミランダ先生の近未来巨大都市反乱戦争ゲームWar in the Mega Cityをやってみました。一斉蜂起した反乱軍が1000万人規模の巨大都市に突入し、正規戦、非正規戦、情報戦で都市の支配を争います。
 このゲームの特徴は全く性質の異なる3つのCRTを使い分ける所にあります。優勢な戦力で敵と対峙することで、情報戦ポイント獲得と部隊の成長を図るコンフロント。高比率攻撃では敵を損耗させる代わりに敵に情報戦ポイントを与えることになるが、低比率では自ら損耗しながら情報戦ポイントを獲得できるディスラプト。なりふり構わぬ武力攻撃でどんな敵でも撃破できるが、地下地域への攻撃が制限されるキネティック。特性をよく理解してどこでどれを使うか勝負の鍵になります。
 また様々な種類の部隊や特殊効果を持つネットウォーマーカーが、状況をさらに複雑にします。相手の情報戦ポイントを0にすればサドンデス勝利し、7ターンの終わりに保有情報戦ポイント+秘密勝利条件エリアの支配で25点以上相手より多ければ勝ちます。
 ルールでおかしい所もあって、あらかじめ話して始めました。ネットウォーマーカーのリーダーつながりが、政府軍と反乱軍で同じ政府軍ユニットを呼ぶようになっていて、おそらくコピーして直し忘れなので、反乱軍は幹部かレベル1ゲリラを呼ぶことにしました。またレベル1群衆の裏がレベル4群衆になっていることについて説明がありませんが、ルールを忠実に適用して、レベル4はスウォーミングかサッカー暴動でのみ登場するものとしました。それからアクセスセクターに敵がいると離れられないという9.4と13.8が矛盾しているように見えるのは、アクセスセクターに動員したばかりのユニットのみが離れられないとしました(ここへの動員は市外から移動してきたものと考える)。


 1回目、Y君が政府軍、私が反乱軍です。
 重要施設を固める政府軍に対し、反乱軍は全軍で総攻撃を掛けます。政府軍は初期配置で地下地域に置けないので、反乱軍は自由に攻撃できます。そして通常であれば1セクターの戦闘は敵味方ひとまとめにして1回で解決されますが、指揮ユニットがいると複数の組み合わせに分けることができます。これを利用して反乱軍は多数の攻撃を行って、どんどん政府軍の情報戦ポイントを減らしていき、最初の一撃で反乱軍サドンデス勝ちです。


 いきなり終わったので同じ陣営で2回目をやります。
 前回の教訓から重要施設を守ってはいけないことが分かった政府軍は、できるだけ価値の低いセクターに避難します。しかし反乱軍はそれでもやはり総攻撃。先頭に立つのはスーパーエリートハイテクフォース「5Gウォリアーズ」。彼らとそれに従うコマンドーたちは、警察の守るテレコムセントラルに突入します。
 そして放たれる必殺の「リバーサル・ディスラプト・バーンアウト」攻撃!5Gウォリアーズの特殊能力で情報戦ポイントを受ける側を逆転した上で、セクター焼き尽くし攻撃によりコマンドーの攻撃力2倍、DLの結果の情報戦ポイントも2倍にします。そうして5:1ディスラプト攻撃を掛けると、2/3の確率で攻撃側は2倍の情報戦ポイントを獲得できるのです。この攻撃は見事に成功し、これをさらにネットアクセスで倍にして、16情報戦ポイントの損害を政府軍に与えます。これで他での攻撃と合わせて政府軍の情報戦ポイントは0になり、また反乱軍の一撃勝利です。


 今度は陣営を入れ替えて3回目。
 政府軍は、都市内に強制配置させられるものを除くほとんどの軍を、反乱軍の入れないステージングベースに退避します。これに対して反乱軍は、5Gウォリアーズを引けるまでフルにネットウォーマーカーを引き続け、これを持ってどうしても置かされる大臣府のC2基地に突入。これまた反転混乱焼き尽くし攻撃を成功させて反乱軍サドンデス勝ち。


 なんとかならないのかと、また同じY君反乱軍私政府軍で4回目。今度は都市内に強制配置されるユニットを相手の動員フェイズに自己解散しても良いと解釈してやり、これで大臣府のC2基地を除去します。
 さすがに目標が無く一撃勝利が不可能な反乱軍は、戦力を価値の低いセクターの地下地域に分散して後番を選択。先手になった政府軍ですが、このまま市内をがら空きにしておいたら、反乱軍にほとんどのセクターを支配され大量の情報戦ポイントを獲得されてどうにもならなくなるので、価値が低くてもしかたなく反乱軍に攻撃を掛けつつ、中程度の価値の空いている所にも守備隊を送ります。
 しかしやはり反乱軍はそこを狙って多数の情報戦ポイント削り攻撃を仕掛け、政府軍のポイントは0に。反乱軍の勝利です。後番の反乱軍はダブルアタックが可能なので、どうにも防げません。



 このゲームは、最初に先番後番を選べる反乱軍が圧倒的に有利で、政府軍には対抗策がありません。ルール変更が必要でしょう。また明らかに費用対効果の悪いユニットがあります。
・戦闘で獲得した情報戦ポイントの少なくとも半分(端数切上げ)は、自分のポイントを増やすために使わなければならない。
・味方のC2基地や封鎖地区は、他の味方1ユニットを収容でき、これらは指揮攻撃でも分けて攻撃されない。(移動不可ユニットがあまり使えないので救済)
・ヘリで空挺部隊を輸送した場合、ヘリは輸送後さらに移動できる。(空挺は軽装と比べて値段が高いだけなので救済)
などを考えています。
 キネティック攻撃は、民衆を巻き添えにして非難を受けやすいかと思いきや、逆に支持を獲得しやすいというのは違和感があります。しかしデザイナーの意図を尊重して、これに手を加えるのはやめました。
 
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