ブルシーロフ
 
 半年以上前に途中までやりながら、ずっと続きをできなかったのをやっとやり終えることができたものです。私は連合、Y君が中欧です。
 第2版から導入されたフランス戦線の選択配置(イギリスのざん壕を除去し、ドイツにざん壕を与える)は、意味がないどころかバランスを崩してしまうものでした。またイタリア戦線選択配置も、この地域をいくらか安定させるものの、たいした効果はありません。そのためこれらのルールは第3版では再び削除されてしまいました。そこで今回はその考えに従い、ロシア戦線のみの選択配置を使用することにしました。
 それから8枚配りの選択ルールは、カードの持ち越しや戦闘カードの使用が楽になりますが、取捨選択のジレンマが減り、深くおもしろい部分が失われた抜け殻のようなゲームになってしまいます。難しい判断のできない初級者にはそれもいいですが、ハードゲイマーなら当然厳しい7枚プレイでしょう。

 前半の展開はもうほとんど忘れてしまいましたが、だいたい前回と似たような展開だと思います。ただ前回序盤からセルビアに力を入れたにもかかわらず、たいして生き延びられなかったので、第1ラウンド連合はロシアでの3オペレーションからスタートし、オーストリアをかなり追い詰めます。しかしやはりドイツが本格的に救援に入ってくると、首都占領には至りません。
 中欧は早々に全面戦争に突入して、12ターン終わりの時点でドイツ軍がほぼ出そろい、イスラム軍はバスラに迫っています。また連合は限定戦争を続け、今回は微妙な情勢の違いからイタリアとルーマニアを参戦させましたが、ルーマニアは既にドイツ軍に占領されています。
 準備の整ったドイツ軍が中央に集結するロシア軍に迫ると、ロシア軍は退却を余儀なくされ、ロシアの北半分はほとんど中欧の手に落ちます。しかし並行して行われた中東でのバスラ攻撃は失敗し、さらに戦力を増強して行われた2度目の攻撃も失敗します。
 とは言ってもこのまま放っておけば中東は中欧の手に落ちてしまいます。連合は16ターンに全面戦争に突入し、アレンビーに期待をかけます。ところがシナイパイプラインが最終ターンになるまで登場せず、結局アレンビーは出ずじまいでした。
 しかし代わりにユーデニッチがErzerum要塞奪取に成功し、ロレンスはメディナを占領します。またロシアでは東端の未占領地域を通ってロシア軍が北部に回り込み、押されっぱなしだった形勢が複雑になってきます。
 さらに連合は常駐していたフランス軍に加えてイギリス軍もイタリアに送り、イタリア軍はバルカンに入り、そしてサロニカでセルビア軍を復活させ、激しくオーストリアを攻めたてます。しかし地形の厳しさもあって、結局この方面での攻撃は全て撃退されてしまいます。
 だんだんどの戦線も互いに攻め所が少なくなり、最終ターンは11点前後の引き分けゾーンで推移します。そして連合の最終ラウンドあと2点とれば連合の勝利、できなければ引き分けという所で、連合はブルシーロフ攻勢を発動します。まずバスラのイギリス軍によるAhwaz攻撃は失敗。しかしブルシーロフの指揮が冴えわたったロシア軍は、Vilnaへの成功確実な攻撃に加え、コーカサス軍によるDiyarbakirのYLD軍攻撃から2スペース前進でKharput占領、BUCHARESTのドイツ軍への同コラム攻撃と全ての作戦が成功して、連合の勝利となりました。
 
 今回連合はリガとオデッサを一時簡単に明け渡してしまいましたが、リガには1個軍と2個軍団程度を置いて、中欧に手間をかけさせる手もあったかもしれません。
 それから限定戦争中の戦争状態イベントをイタリア、ルーマニアだけにしたのが、カードの平均値を高くできて効果的だったようです。MEF、サロニカ、ルーマニアでイスタンブールを狙うのは、うまく行けは勝負を決められますが、きちんと対応されるとまず成功しないでしょう。
 また連合がすぐに戦争状態を上げそうになくても、中欧は可能な限り戦争状態を上げ、最終ターンまでにせめてFall of Tsarはプレイしないと、最終ラウンドのロシアの攻撃がかなり厳しいように思いました。
 
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