疫病の国
S&T267のRussian Civil Warを初めてやってみました。これはロシア内戦を多人数でやるゲームですが、プレイヤーは敵味方関係なくランダムに部隊を持つという特殊な状況になっています。勝敗は、赤軍が勝てば支配している赤軍の戦力と倒した反赤軍の戦力が勝利得点になり、白軍が勝てば逆になるので、点数をたくさん取っても戦争の勝敗しだいでは負けることがあります。またせっかく倒した敵部隊も、その根拠地を支配し続けないと復活してしまい得点にならなくなってしまいます。ただし指揮官や外国軍は復活しないので確実な得点源になりますが、点数は少なめです。他に重要都市を支配することで多く引けて、外国軍やナショナリストをコントロールできたりする特殊効果チットや、暗殺、パージのルールなどがあります。
参加者は杉さん、あっちゃん、あだちさん、さくらいさん、かさいさん、私の6人です。ゲームは5ターンで終わるショートゲームとしました。戦力配分はだいたい、かさいさんとあだちさんが白軍寄り、あっちゃんと杉さんとさくらいさんは赤軍寄りで、私は半々程度です。初めは皆勝手がわからず、最初の戦力交換も少々行っただけでゲームに入ります。
まず序盤は補充で戻される心配の無い外国軍がよく狙われました。そして少しすると疫病の恐ろしさが判ってきます。1人の手番1回ごとに2/3の確率でマップ上の4箇所に疫病が発生し、そこにいる色(赤軍、白軍、外国軍、ナショナリスト)ごとに最強の1部隊が除去されます。私はやたら疫病に当たりまくり、補充部隊を先に拾える1番手も取れなくて、どんどん戦力が少なくなっていきます。また外国軍は敵にやられるより疫病にやられる方が多いような状況です。そして疫病の当たり具合の関係で、中盤には白軍が有利になってきて、レーニンとトロツキーは死にモスクワは白軍に占領されます。このまま白軍が勝利に向かうのかと思われました。

しかし今度は白軍が疫病にやられたタイミングを掴んだ赤軍が反撃し、それによって補充戦力が戻ってきたことなどから赤軍も盛り返し、均衡状態に戻って最終ターンを迎えます。もはやどちらも勝利の見込みがないので、皆が目先取れる勝利得点を狙って攻撃していきます。この時杉さんは8戦力の赤軍でツァーを支配していましたが、この盤上最高得点を狙って4番目の手番のあっちゃんが暗殺をしかけ、成功してこれを奪います。しかし次に5番目の私がイベントで追加の暗殺者を引き、それも手伝ってさらにあっちゃんから奪います。しかしこれも残り全員によるパージが成功し、サイの目でランダムと決めていた受け手は、最後番のさくらいさんになります。しかし最終的に勝ったのは、赤軍がまとめて復帰した第4ターンにゼネストで先番を取って多くの部隊を拾い集めたり、あだちさんの2:1攻撃を受けた時に6の目で棚からぼたもちをもらったりしたあっちゃんでした。
やる前にはこのシステムがまともに機能するのか不安でしたが、今回はそこそこおもしろいゲームになりました。最初思っていた赤軍が強すぎるのではないかという危惧は、プレイヤー間の利害や疫病などにより今回はバランスを保てました。
ただ今回最終ターンにしかやらなかったパージですが、毎ターンどれでもリーダーの所有変更の試みができるというのは強力すぎるかもしれません。ルールにはあらかじめ配分について協議が成立しないと行えないとなっていますが、誰か一人を残り全員で攻撃し配分先をランダムという協議にすれば、ほとんど制限無く攻撃できてしまいます。
それから初期戦力、疫病、順番の良し悪し、ショートゲームの最終ターンの暗殺など、かなり運の影響が大きく感じます。しかしゲーム自体は毎回いろいろ変化があり、陣営の勝利と自分の得点のジレンマなどがあって、まあまあ悪くないゲームだと思います。
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