フランス様
コマンドマガジン128号のアメリカ独立戦争(Decision in North America)をやってみました。元はS&Tの付録ゲームで、デザインがミランダ先生なので、また例によって練りこみが足りないんじゃない?と思って今まで手を出さずにいました。しかし子供が独立戦争でアメリカはどうして勝てたのかとか、少し興味を持ったようなので、今買える独立戦争ものとして丁度いいこれを買ってみたものです。
独立戦争というと、私はワシントンズウォーを一度やったことがあるきりですが、これはあまりおもしろく感じませんでした。しかしこのアメリカ独立戦争は、まず戦闘と土地支配だけでなく、民衆を扇動して各地域や欧州の友好度や革命の進展に影響を与えるという政治的要素が加わっています。これは独立革命という特別な戦争を表現するには重要な要素だと思います。他にも当初アメリカの中心となった民兵や、インディアン、ドイツ傭兵、軽歩兵といった様々な部隊があったり、部隊の補給や退役、いつものキャンペーンマーカーで政治や戦術に大きな影響を与えたりと、ワシントンズウォーに比べるとかなり深く独立戦争を表現しています。
今回は選択ルールをすべて使い、子供がアメリカ、私がイギリスでやります。
1775年。両軍は互いにキャンペーンマーカーを最大限まで買い、アメリカは教練教官で正規兵を増強します。民衆扇動では革命の進展は食い止められますが、欧州はアメリカに肩入れ、各地域では中部とヴァージニアがイギリス側に傾きます。全体としてはイギリス側に良い結果でしょう。
作戦ではまずアメリカ軍がニューヨークを占領します。イギリスは、アメリカの収入が2倍になるニューイングランド地域のアメリカ軍を取り除くことを優先し、収入の入る町を全て占領します。そしてイギリスはさらに強行軍でニューヨークを攻撃してアメリカ軍を撃退。北方に大きな地盤を築きました。
1776年。アメリカの収入23に対し、イギリスの収入は35。さすがに準備整った序盤のイギリスは強力で、戦争準備を着々と整えます。アメリカもまた来た教練教官で戦力を増強して対抗します。
そして民衆扇動では、またしても革命の進展が食い止められ、地域では一方的に5か所でイギリス側に傾くという、イギリスの大成功。これはイギリスかなり有利になったのでは?ただ欧州だけはアメリカ側に動き、フランスが参戦します。
作戦では、先手となったイギリス軍が、フランス軍が来る前にアメリカ軍の主力を叩きます。一方的に損害を受けフィラデルフィアに潰走するアメリカ軍。フランス軍はこれを助けるため、隣接するウィルミントンに上陸します。

弱ったアメリカ軍に止めを刺すべく、イギリス軍は強行軍でさらに前進します。しかしここでイギリスに残るキャンペーンマーカーは少なく、戦闘の先手取りはイギリスが一つ不利。結果先手を取ったアメリカ軍は、ここぞとばかりの逆襲が大当たり。イギリス軍はほうほうの体で潰走します。そしてアメリカ・フランス連合軍は、強大な戦力でイギリス残存部隊を攻撃。キャンペーンマーカーも十分あって先手を取り、イギリス軍を壊滅させます。
こ、これは。。アメリカにはまだ第3移動ができる戦術マーカーがありますが、イギリスにはもはやこの戦域を守れるまともな戦力がありません。だめだ。イギリス投了です。
イギリスは非常に良い感じだったのに、調子に乗り過ぎました。このゲームの戦闘では、5,6で当たる攻撃を正規兵は2発撃てます。なので攻撃すると自分の3分の2の敵を無力化できるのです。つまり先撃ちした方が非常に有利なっており、戦闘は先撃ちに修正を与える戦術マーカーの数で決まると言っても過言ではありません。そのためマーカーを引き切れば自分と相手のマーカーの数は分かるので、戦術で優勢でなければ、少しくらいの戦力差で攻撃してはいけなかったのです。
なお日本版では、先撃ち修正にリーダーの指揮値合計と使った戦術マーカーの数を両方足すように書いてあります。しかしネットに公開されている英文ルールの最終版では、Q&Aで戦術マーカーの数だけを足すと明確に書かれています。これについては英文ルールに従いました。日本版通りでは指揮能力をたくさん集めることの影響が大きすぎると思います。
またパルチザンの配置について、英文Q&Aには、失敗しても何度でもポイントを払って同じ場所に配置を試みられるとなっています。しかし日本版のマップには、各ターン1スペースにつき1回だけとなっています。これについては英語版だと都合が良すぎて、日本版の方がおもしろくなると思ったので、日本版通り1回限定でやりました。
それから独立宣言前にフランスが参戦すると、イギリスは特別増援なしで強大なフランス軍とも戦わなければならなくなるので、注意が必要でした。
まだちょっとやっただけですが、軍事と政治がうまく絡み合って、おもしろい感じではないかと思います。
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