蘇る昔日
 
 かさいさんと3回目のRoman Civil War(S&T157)をやりました。シナリオはまた「サイは投げられた」で、私はポンペイウスを持ちます。前回同様イベントとレスプブリカを除いた上級ルールで、第1ターン暗殺なしとローマのチェックなし寝返りに加え、ローマ人のリーダーに対する贈り物でGの結果は忠誠(失敗)としました。また勝利条件はローマの支配を2点、他の大都市と地図外ボックスの支配を1点とし(全部で14点)、多いほうが勝ちとしました。

 元老院派の予想を裏切り、冬季行軍でローマを無血占領したカエサルは、春の訪れとともに自身でナポリを占領し、アントニウスには早くも全軍でイスパニアへの侵攻を命ずる。
 守るアフラニウスはベテラン軍団3、新兵軍団5、補助兵4と騎兵1。それに対し攻めるアントニウスはインペラトール1、ベテラン7、新兵1、補助兵4、騎兵3に、優れた将軍たちを従える。精兵かつ大軍である。
 アントニウスは軍団に突撃を命じ、アフラニウスの軍は一角が崩れる。アフラニウスも反対側で突撃を開始し、将軍の支援のない補助新兵を混乱させた。アントニウスの突撃はさらに続きアフラニウスの損害は増えていく。アフラニウスは補助兵に一斉射撃をさせて食い止めようとするが効果は上がらない。
 特殊戦術の尽きたアントニウウスは、最後ファランクスでの総突撃で止めを刺そうとするが、アフラニウスの兵たちは最後の最後でぎりぎり踏みとどまる。逆に押し返して混乱していた補助新兵を潰走させ、戦いは痛み分けで終わった。
 しかしアントニウスは、戦闘能力は高くとも運営能力に欠けていた。この大軍に自軍支配でない地域で補給を維持することができず(地図外ボックスでは相手の3倍以上の戦力が無い場合、1/3の確率で補給に失敗する)、半数にも及ぶ脱走者を出してしまった。また戦術についても、なぜ弱兵に対して機動戦術で挑まなかったのかと、後にカエサルに叱責されることになる。

 一方カエサルの南下に慌て、冬の荒天を押して出港したポンペイウスは、アレキサンドリアに入ってクレオパトラを味方につけ、シリアでは軍団植民地を作り今後のベテラン養成の拠点とする。
 さらにイスパニアでアントニウスの軍が消耗した後、元老院派はイスパニアの兵を分けてアフリカに派遣し、ヌミディアを味方につける。ところがそこで今度は元老院派もイスパニアでの補給に失敗し、大幅な兵力不足に陥る。
 アントニウスはこの期を逃さず再び総攻撃を掛けて、イスパニアの元老院派を全滅することに成功。楽観気分に浸っていたポンペイウスは、一気に震え上がることになった。

 意気消沈したポンペイウスは早くも降伏を考え始めたが、歴戦の強者はその考えを振り切り、ヌミディア兵と共にアフリカ派遣軍をイスパニアに戻す。兵の質で勝るアントニウスに対し、正面から戦っても勝ち目は無いので、元老院派は離れて弓を射掛けるだけで本格的な衝突を避け、結局引き分けて終わる。今回は補給の確保に成功し、再びイスパニアに地歩を築くのに成功した。
 また東ではもともと親ポンペイウスだった小アジアのミトリダテスが、ポンペイウスに味方して参戦した。(実際には付近で自国領を増やすことが目的のようだったが。)
 これに対しイタリア内での体制作りを終えたカエサルは、自身でシラクサイに向かいこれを陥落させる一方、アントニウスにはイスパニアでの攻勢を命じ、この方面での元老院派一掃を目論む。
 しかしまたも射撃戦で応じる元老院派に、アントニウスは勝ちきることができない。元老院派はそのままイスパニアを抜け、ガリアを占領してしまう。

 西ではなかなか思い通りに行かず焦るカエサルだったが、一方ポンペイウスも立て続け嵐に会い、なかなか東から兵力を戻せないでいた。カエサルは状況打開のため、元老院派の拠点アフリカのウティカに上陸するが、ここに恐ろしく優秀な軍団長がおり、一向に守りは崩せない。補給にも失敗したカエサルは、結局冬を前にしてほうほうの体でローマに引き揚げる。ポンペイウスも何とか再び船を再建して出港するが、テサロニカに入るのが精一杯だった。
 そのためこの年の残りの焦点は、イスパニア・ガリアの戦況に絞られてきた。

 元老院派を追ってガリアに戻るアントニウス。しかしこれを捕捉できないばかりか、また補給に失敗して半減してしまう。この機に乗じて反撃に移る元老院派だったが、やはり兵の質の差があり勝ちきれない。アントニウスはイスパニアに逃れていった。
 兵の質を考えれば、元老院派はこれだけでも大成功であり、満足するべきだった。しかし調子に乗る元老院派は、ここでアントニウスを追ってイスパニアに入り、その殲滅を図ろうとした。
 だが運営は下手でも戦闘は上手いアントニウス。その率いるベテランは精強で、敵をうまく誘い込んで撃退する。そして冬を迎えるがアントニウスはさらなる攻勢を続行し、遂に元老院派の一掃を達成した。

 互いに戦力の増強をして冬を越えた両軍は、雪解けと共に再び活動を開始する。カエサルはローマからシラクサイへ移り、次の動向を確かめつつ、アントニウスにはウティカの攻略を命じる。一方テサロニカで騎兵を増強したポンペイウスは、強行軍で一気にサロナエを落とす。
 さらに急速な西進を続けローマに迫る勢いのポンペイウスに、カエサルは再びローマに戻ることになる。周囲にはすっかり衰えたかと思われていたポンペイウスだったが、まるで昔日が蘇ったかのような積極的な機動である。
 ここでポンペイウスは兵を2つに分け、1つはシスアルピナに残り、1つはイスパニア方向に向かう。兵力から考えてどちらかはダミーであろう。しかしカエサルの目に狂いは無い。迷わずイスパニアに向かった方を追い、これを捕捉する。果たしてこれがポンペイウス本隊であった。
 対峙する両雄。ベテラン軍団と大量の騎兵を揃えるポンペイウスに対し、カエサルはインペラトール4個軍団に海軍兵という恐ろしい少数精鋭ぶり。これにはポンペイウスも騎兵機動は意味無しと、互いに軍団突撃を仕掛ける。指揮能力に勝り一度余計に軍団突撃を行えるカエサルだったが、後一歩のところでポンペイウスの守りを崩すことができず、カエサルは勝ちを逃す。ポンペイウスはそのままイスパニアへ突破してしまった。
 さらにポンペイウスは、シリアから到着していたベテラン兵で、同時にシラクサイ攻撃を開始していた。しかしこの攻撃は損害ばかりで成果は上がらず、逆にウティカからの救援軍の攻撃を受け、敗れてロードスに撤退していった。

 シラクサイの失敗はあったものの、イスパニアへの突破成功でポンペイウスは8つの拠点を確保して、カエサルより優位に立った。残された時間も少なく、カエサルは逆転のための最後の賭けに出る。
 まずシラクサイの軍でロードス攻略に向かう。しかしカエサルはここの兵力を読み違えていた。とても攻略などできずに敗退する。
 最後の頼みはイスパニアでの再決戦だけである。再び対峙する両雄。しかし時勢の流れは既にカエサルには無かった。結局カエサルはここでも勝ちきることはできず、逆に無理な作戦がたたって補給確保にも失敗し、戦力が半減する。ここでカエサルは負けを認め和を請うた。歴史が帝政ローマの名を刻むのしばしおあずけとなった。

 
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