鳥居と真田
Y君の買った関ヶ原戦役をやってみました。3回やって3回とも私が西軍です。
1回目、最初の攻撃で鳥居を討ちもらす。関ヶ原に続々集結する東軍に対し、真田で退路を絶ち、島津ら本隊で突撃すると、東軍諸将は次々討ち死にし、関ヶ原に残るは徳川のみに。しかし伊勢路を逆侵攻した黒田が大阪城の小早川を寝返らせ、形勢は混沌としてくる。東海に進出した真田を岐阜に戻した時家康に討たれ、最後あと1スペースが取れずに西軍負け。
2回目、真っ先に逃げる鳥居の逃げ道を塞ぐべく、伊勢路へと向かう真田。しかし鳥居を討ち損じ逆に自らが討ち取られる。しかも佐和山を守る島左近まで討たれ、西軍は早々に投了。やはり退路の無い所への進出は無理があった。
3回目、鳥居が逃げるのを防ぐのは諦め、真田で先手を取って関ヶ原を押さえる。続々西軍主力が駆けつけるが、清洲に集結した東軍主力の突撃に耐え切れず関ヶ原を明け渡す。しかし東では上杉が越後を奪還し、一気に南へ勢力を広げる。東軍は伊勢路を進んで攻防戦を繰り広げ、伊勢路全体を制圧するが、毛利本隊を前にして大阪城に隣接することはできない。最後伊達の出陣は百万石のお墨つきで防がれ、どちらも官位を引けず、丁度同点で西軍の勝ち。
このゲームはとてもおもしろいです。家康が捨て駒にしたはずの鳥居が脱出に成功すると有力な軍師になったり、真田が西へ東へ大活躍したり、歴史的に見ればかなり誇張や歪曲があるものの、それがウォーゲームとして大きく戦略の幅を広げることになっています。
第一手を行う東軍は最初から大きな選択を迫られます。江戸を守って鳥居を見殺しにするか、鳥居を逃がして江戸を佐竹に取られるリスクを犯すか。お墨つきか佐竹のカードがあれば迷わず後者でしょうが、どちらを選ぶかでその後の展開が大きく変わります。
西軍も真田をどう使うかが非常におもしろい所です。そのまま周りに睨みを利かすのか、佐和山に入るか、関ヶ原を押さえるか、岐阜に入るか、上杉と合流するか。昌幸を戦闘も策略も最高の魔神にしたことで、全国が全て主戦場になり、ゲームが常に盛り上がるようになっています。
しかも昌幸を含めて重要武将の討ち死には珍しくなく、それによって劇的に展開が変わることもあるもにも関わらず、無理をしなければバランスは意外と崩れにくくなっています。
また本城のルール、小大名の寝返り、中立大名などによって、関ヶ原以外の各スペースも、ただの通り道ではない一つ一つ異なる様々な意味を持ち、ゲームを考え所が多く深いものにしています。
戦略を戦かわせ自ら歴史を作りたい(歴史との違いを笑って楽しめる)ウォーゲーマーには、おすすめの作品です。
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