ローマの門
 
 今回は「渦中のローマ」を前回考えた以下のルールでやりました。
・オプションルールの「糧食徴発」と「共和国の追加増援」を使う。
・近スペインをローマ支配で開始する。そこの部族スペースにいるユニットはなし。ただしセルトリウス軍のいる所と連絡線は反ローマ支配。
・ポンペイウスの戦闘能力は4。
私が反ローマで、Y君がローマです。

 セルトリウス軍は第1ターンに近スペイン、第2ターンに遠スペインの支配を確立します。しかし戦力を集結したり敵地にいたりすると、どんどん損耗していくので、時間のかかる大都市攻略までは手が回りません。そのため支配はどちらも1ターン限りにとどまります。
 第2ターン参戦し、景気良く前進を始めたミトリダテスですが、単独のローマ軍団には回避され、ローマ軍主力に対しては有利な戦闘にも関わらず敗北します。さらに避けようのない食料不足損耗も大きくなって、結局国内に引き揚げていきました。
 一方スペインでは、遠スペインを完全制圧すべく、ヒルトレイウスが襲撃で退路をなくした上で互角のメテルスを攻撃します。負ければメテルスは全滅でしたが、勝って持ちこたえます。
 ヒルトレイウスは戦力を補充して、さらに攻撃します。今度は3修正のつく戦闘カードを使っての攻撃です。しかしまたもやヒルトレイウスは敗北。この方面でのセルトリウスの勝利は難しくなります。
 そしてスパルタクスの登場。ポンペイウスの軍から引き抜かれた軍団とともに、クラッススが北上を防ぐよう位置します。スパルタクスは増援を待って、最終ターンに全軍を持って南下します。これを追うクラッスス。
 そこでスパルタクスは2ターン前から密約を結んでいたキリキア海賊を呼び寄せます。しかしスパルタクスは大事なことを忘れていました。敵地から敵地への海上移動は、修正がついて1/6でしか成功しないことを!
「しまった!しかしもはや戻る道は無し。進むしかない!」
ローマ海軍のひしめく絶望の地中海を、スパルタクスは一筋の光明に向けて漕ぎ出します。そしてその運命は・・・
「6」
南に押し込められていたはずのスパルタクス反乱奴隷軍は、突如としてローマに現れました。そしてローマ内にひそんでいた内通者達はローマ城壁の門を開きます。スパルタクスはローマに勝利することとなりました。

 バランスのとれた展開の中、最後は劇的な勝利となりました。しかし確かにバランスは取れたのですが、この「糧食徴発」のルールでは、攻勢を取ろうとすると損耗することになるので、なかなか積極的に動きにくくなります。
 しかももともとスペインの境界部やアジアのビティニアといった争点になる所には、攻城戦を必要とする大都市や部族が多く、戦線は大きく動きにくくなっています。特にアジアは侵攻ルートが極めて限られています。そしてどんどん損耗し続けるしかないスパルタクスにできることは、イベントがない限り、北を目指して一気に駆け抜けることだけでしょう。また反ローマ陣営は戦域間の戦力移動がほとんどできず、その結果ローマ側も戦域間移動の必要は少なくなります。
 結果として「糧食徴発」を使えばなおさら、そうでなくてもやはり戦略や展開の多様性はあまり大きくなさそうです。そんな訳でSpartacvsは、近年のカードドゥリヴァンのゲームとしてはよくできているものの、三大傑作(Hannnibal,For the People,Paths of Glory)にはちょっと及ばないように思います。

   
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