真の敵は常に一人
最近のカードドゥリヴァンのように強力な爆弾イベントが炸裂しまくるゲームと違い、サクセサーズのイベントは威力も小さく、使いどころも限定されています。そのためサクセサーズでイベントを有効に活用するには、将来の展開を読み、流れをうまく導かなければなりません。サクセサーズが初級者より上級者に好まれるゆえんです。
今回のメンバーは、最近長岡ボードゲームに来てから仲間に加わったかさいさんがプトレマイオス、アンティゴノスを持ち、アンティパトロス、クラテラスのY君、ペルディカス、レオナトスの杉さん、ペイトン、リシマコスの私です。今回は誰も隣接した配置を持つ人がおらず、複雑な形勢で始まります。
まずすばやくクラテラスでフェニキア海軍を手に入れたY君は、最大艦隊を持って、プトレマイオスのロードス進出を阻みます。そして第1ターンで他の人は動きが少ない中、クラテラスはロードスに上陸、アンティパトロスも傭兵獲得を狙ってトラキアに進出します。序盤からマケドニア、ロードス艦隊、ヘラクレスを全て手に入れ、3ターン勝利に一気に迫ろうというのです。
しかしそんな事を簡単に許す顔ぶれではありません。私はここで11時の救いを出し、アンティパトロスの暗殺に成功します。アンティパトロスが死んだこと自体は、カサンドロスに置き替わるのが早まっただけなので、大したことはありません。しかしマケドニアを守る兵力が一時的にいなくなったため、クラテラスはロードス攻めを中止して、マケドニアに急行するはめになります。
第2ターン、私はリシマコスをメディアに動かして兵力の統合を行い、複数の増援カードで軍を増強します。また杉さんはバビロンで大王の葬儀を行うと、ロードスを巡っての争いで本拠が手薄になっている西を目指します。私はそれによって空いたバビロン方面に侵入します。
一方かさいさんはキャンペーンを使って、ユーサーパーとなっているY君の領土を切り取り、最大艦隊の座を奪おうとしています。そこでY君は先手を打ってロードスを落とすべく、カサンドロスで上陸します。そしてここで秘策、都市の裏切り者を使い、6が出ればいきなり陥落です。たとえすぐに落ちなくても、かさいさんの主力は遠くフェニキアにおり、すぐには反撃されることはないはずで、Y君は再び勝利に大きく近づきます。
ところがまたも私が、杉さんから暗殺を出された時のために取っておいたクレタ人の嘘つきを出して、裏切りを阻止します。直前に侵入した時に出なかったので、もはや用済みとなっていたのです。しかしなんとY君のサイの目はそれをものともせず、1ラウンドの間にロードスを無力化してしまいました。Y君の野望達成か?
しかしかさいさんはこれをさらにひっくり返す切り札、2枚目のキャンペーンを持っていました。とんでもない距離からアンティゴノスはロードスに突入し、労せずしてロードスの支配をさらっていったばかりか、正当性に物を言わせ王室軍団まで奪ってしまったのです。これで最大艦隊も奪って俄然かさいさんが有利になり、23VPの自動的的勝利目指して突き進みます。
ところが実は勝利寸前なのは、かさいさんだけではありません。杉さんはこれまでにオリンピアスとクレオパトラを、両方手に入れています。レオナトスとペルデイカスは共にロイヤルファミリーで、これにアレキサンダー4世と大王の葬儀を加えると18正当値で自動的勝利になります。現在有罪宣告中なのでかろうじてこれを免れていますが、いつカードを引いてくるかわかりません。これを阻止するために直接攻撃しようにも、杉さんの軍は強力で倒すのは容易ではありません。
このような危険な状況で迎えた第3ターン、とりあえず杉さんは無罪宣告を引けなかったようなので、協力してかさいさんに対抗します。かさいさんは勝利まであと1VPに迫っていますが、私は移動のサイの目が悪く侵攻が間に合いません。杉さんが反乱を広げて何とか1エリア減らすものの、なおもキプロスとキレネを両方一撃で落とせば、かさいさんの勝利です。その確率12分の1。幸いここは持ちこたえました。
さてここで好運にも私は、捨てたサプライズカードの代わりにトレチャリーを引いて来ます。そして近くには杉さんのアレキサンダー4世が・・。同盟は同盟として、私は迷わずこれを奪います。こちらの勝利も阻止しない訳にはいきませんから。しかも私は前後してエウメネスの傭兵隊で杉さんの本拠バビロンも落としており、これを見て杉さん曰く「真の敵は常に一人」。
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