流浪の王族たち
 
 1年ぶりのサクセサーズです。下の子はペルディカスとアンティゴノスで最強の組み合わせ。その圧力を一身に背負うY君のペイトンとクラテラス。上の子はプトレマイオスとリシマコス、私はアンティパトロスとレオナトスで、ひとまず無難に過ごせそう。

 第1ターン、上の子はカードが良く、リシマコスがヘレポリスでロードスを簡単に落とした後、彼女自身の企てでエジプトにやって来たクレオパトラとそのまま結婚しました。私もテサロニキと結婚しますが、それ以外は戦力補充だけ。そして下の子はアンティゴノスで小アジアを平定し、Y君はヘラクレスを手に入れると共に、シルバーシールドを加えて強大になります。
 第2ターン、Y君はさらに象軍団を加え、クラテラスとペイトンを支配下のメソポタミアに進出させてきます。これを破ってペラへ進むのは、いかなペルディカスと言えども難しそうなので、下の子はオリンピアスを陣営に迎え、バビロンで葬儀を行いました。
 するとY君は次の手番でトレチャリー!アレクサンダー4世の奪取に成功します。ペルディカスにとって、これはその強さが瓦解する最悪のパターン。幸いオリンピアスを取っていたことで、いきなり攻撃されて王室軍団まで奪われ壊滅することは避けられたものの、下の子は一気に不利に、Y君は一気に有利になりました。
 その間上の子は最大艦隊を持ってキレーネとキプロスに進み、自動的勝利に近付こうとしていたので、私はアテネを落としてひとまず最大艦隊を崩します。また私はこのターンにエウメネスとセレウコスを両方引き当て、戦力的にはかなり強力になりました。


 しかしキプロスが落とされたらまた最大艦隊が戻るので、このままでは上の子が勝ってしまいそうなのは変わりません。そこで第3ターン、Y君はエジプト侵攻を開始しました。また私も強力な主力をロードス島に送り、状況に介入していきます。
 この時私はクレオパトラと結婚を持っており、状況によってロードス島を攻めるか、リシマコスを攻撃してクレオパトラを奪うかを狙っていました。しかしY君があまりに順調にエジプトを落としていくので、このまま上の子と戦っていたら今度はY君が勝ってしまいます。そこで私は上の子と手打ちをして、軍を引き揚げました。
 この機会に動き始めたのは、このターンにフィリップ3世を手に入れて、正統性が大きく高まった下の子。メソポタミアからシリアを一気に奪い、これによってアジア王も達成します。これでVP+正統性は下の子が最大になり、ひとまずこのターンのY君勝利は食い止められました。


 第4ターン、キリキアの制圧も終えた下の子は、先遣隊でフェニキアとコーエルシリアに侵入します。その後アンティゴノスとペルディカスの主力でそれらの首都包囲を始めた所、Y君はキャンペーンによるアンティゴノスへの長距離全軍攻撃。優位は僅かしかありませんが、このターンに勝てなければY君に勝ち目は無くなるので、Y君は賭けに出ました。
 ここでペルディカスの迎撃は成功し、下の子の戦力は最大コラム。さらに下の子は象への対抗兵器を出して、Y君のコラムは最大より1つ下になります。ただしペルディカスが入ったことでアンティゴノスは指揮できず、指揮能力はY君側が一つ有利なので全く互角となりました。そしてサイの目は下の子が上回って勝利。そのままフェニキア、コーエルシリア、ユデアまで支配していき、自動的勝利は目前です。
 状況が大きく変わったので、私はユーサーパーである下の子が持つリディアに侵攻し、上の子はアレクサンダー4世の残るエジプトを奪還に戻ります。こうして回って来たターン最後の上の子のラウンド。最後に残っていたサプライズカードを交換すると、引いてきたのはなんとトレチャリーで、上の子は下の子からフィリップ3世を奪い、キプロス島に連れ去ってしまいました。上の子はちょうどエジプト攻略に成功し、メディアにいたアレクサンダー4世を手に入れ、エジプトと最大艦隊も入って10VPも増えていた所で、これで逆転勝利か?
 ところが最後の最後下の子の番、出て来たカードはフィリップ3世!なんと彼は再び舞い戻って上の子の夢も儚く終わり、ついに私にも大きなチャンスのある最終ターンが訪れるか。と思ったらY君が「アジア王無くなってるんじゃない?」私がリディアの支配を崩したことで下の子はアジア王も失っていたのを忘れており、数え直すと上の子はVP+正統性が最大になっていました。戦力は最少で、ほんのさっきまでVPでも正統性でも最低だったのに、上の子が大逆転勝利です。



 今回に限らず初版のサクセサーズは状況が刻々と変わり、良く考えて行動していれば大抵全員に勝利のチャンスが回って来て、毎回違う展開となり何度やっても面白いです。
 しかし第2版以降では、以下のような点が残念な別物になっています。
・カードのポイントを貯めて正規兵が買えるので、じきに全員が戦力最大コラムとなり、戦力の優劣や地域戦力を考えた移動、戦闘、回避、迎撃の駆け引きや面白みが無い。戦闘カードも最大コラムではほとんど影響が無くなるので、これによる逆転・駆け引きも無い。
・カードのポイントで指揮官を動かせるので、鈍重な指揮官でも自由に動かせて悩ましさが無く、軽快な指揮官のありがたみも無くて個性が薄い。
・ペラ以外での大王の葬儀は、正統性がプレイヤーではなく土地に付き、そこから離れにくくなるのでほとんど意味が無い。そしてどのカードでも移動を加速できて駆け抜けるのが簡単になったので、棺はペラに運ぶしかない。
・するとゲームは毎回同じ単純な展開になる上、戦闘は先に書いたように戦力差もなくカードも効かないので、作戦も駆け引きもなく運だけで決まり、たいてい3ターンまでに終わってしまう。
 実際に第3版でやってみたこともありますがやっぱりこの通りで、現在は第4版もありますがこの辺りは変わっていないようです。私たちはこのようなゲームを面白いとは思わないので、これからも初版のままで続けて行きます。
 
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