さ迷い人たち
 
 最近はいい新ゲームがなく、サクセサーズばかりです。今日は2回目のプレイとなるあきよしさんが、プトレマイオスとアンティゴノス。杉さんがペルディカスとアンティパトロス、Y君がペイトンとリシマコス、私がレオナトスとクラテラスとなります。


「この陣営配置は・・」
私の脳裏には波乱の予感がよぎる。
「ロードスが火種になる」
ロードスは位置的にプトレマオスが支配することが多い。しかも次に近いアンティゴノスまで持っていれば、この陣営がロードスを取ると見るのが普通だ。
 しかし私のレオナトスとクラテラスは共に中央にあって拠点がない。普通にやっていては勝ち目はないだろう。そこで私は順序決定権を使ってプトレマイオスより先手になり、カリアとフェニキアに進出する。そうしてフェニキアとアジア小艦隊で制海権を握り、ロードスを狙うのだ。
 それに気づいたアンティゴノスは、ぐずぐずしているプトレマイオスに代わり、フェニキア海軍が出てくる前に、ロードスへ急行する。カリアからの迎撃を避けるため、蛮族の土地を通って損耗し、海上迎撃をかわして、ロードスには正規兵2個がたどりついた。
「くっ、先を越されたか。しかし他に道はない。」
 私は象軍団1個を召集し、フェニキア海軍を加えて出航する。すると相手方にはマケドニア艦隊に加えてキリキア海賊までいるではないか。しかし是否もない。そのまま海戦に入り、敵艦隊を蹴散らしてロードス上陸に成功する。
 アンティゴノスは4戦力。それに対しこちらは象+5戦力。能力は1負けても有利なはずだ。まず象が突撃。しかし不発。
「まだまだ互角だ!」
気合いを入れるが、アンティゴノスの恐るべき戦術の前に力尽きる。しかし敵も正規兵の半数を失った上、なんとアンティゴノスが戦死してしまったのだ。互いに手痛い戦いとなった。
「ペルディカスを誰が止める」
 早々に起こった決戦で2人が弱体化した今、大王の棺のペラ帰還を阻止できるのはY君しかいない。Y君は東西からペイトンとシリシマコスを合流させるが、通常の増援で正規兵2個が入るペルディカス軍は強力である。
 戦いで傷ついた2人は、これに関せず、片やプトレマイオスをロードスの援軍に送り、片やそれによって空いたエジプトを奪取に向かっていた。これで今や敵無しと見たペルディカスは、西に向けて進軍を開始する。
「うかつですな」
 私はそこに背信を出す。ペルディカスは南側の近道を通ったため、ダマスカスの守備隊から3スペースに入ってしまったのだ。
「かたかた、こん。1」
「あああ」
私は最大のチャンスを逃してしまった。
 ペルディカスはさらに前進を続ける。ここでY君はキャンペーン。ペルディカスと合流するためマケドニアからビザンティウムまで出てきていたアンティパトルスを、リシマコスが襲う。狼狽したアンティパトルスは回避にも失敗し、戦力も能力も勝る敵に、ただ吹き飛ばされる他はなかった。
 これを知ったペルディカスは突然反転してバビロンに戻り、ここで大王の葬儀を行う。それほど良いカードが揃っているわけではなかったらしい。これで当面の危機は回避された。
 エジプトを失ったプトレマイオスは、ロードスを含むわずかな領地を基盤に、勢力拡大を急いでいる。王族も戦力も無いので、望みは勝負が最後まで長引きVP勝負になることだけだろう。
 一方私はエジプトを制圧したクラテラスに、シルバーシールドを加える。さらにメディアから脱出したペイトンを追ってきたペルディカスから、フィリップ3世を脱走させこれを陣営に加えた。そしてペルディカスに有罪宣告を下す。
 これで第3ターンの始めに、私はVPと正当値とも最大になり、多くの増援とこのターンの勝利宣言の可能性を得る。しかも真近にいる杉さんの主力は名声ー2のエウメネス、私の主力は名声+2のクラテラス。正当性で負けるエウメネスに王室軍団は従わない。
 一見有利そうに見える私だったが、カードを開けてみると蛮族、反乱関係ばかりで内容は悪い。圧倒的な海軍力を背景に、海から私のキリキアへ襲撃を企てるプトレマイオス。これを私は唯一使えるカードのキャンペーンまで使って攻撃しようとするが、鈍重なクラテラスでは一歩届かず、領土を守るのが精一杯。それにひきかえ周りに敵のいなくなったY君は、リシマコス、ペイトン、セレウコスで、ヨーロッパを中心にぐんぐん勢力を伸ばす。
 ターンの半ばには、VP+正当値でY君が私を抜くのは確実になる。私はY君を直接攻撃できる位置におらず、プトレマイオスを取り逃がして沿岸を脅かされる状況では、VPを増やすのは難しい。普通に考えれば再逆転は無理だ。しかし私は考える。
「やるならこれか」
私はスキタイ人をトリバリに登場させ、Y君から1VPを削る。もちろんこれだけで逆転はしない。
「これにあまり注目しないでくれれば良いが」
自分を有利にするイベントと違い、蛮族はただの捨てカードとみなされがちだ。それが有利に働くかもしれない。
 期待どおりY君はスキタイ人を無視し、次のターンに備えて、他方面へ勢力拡大に向かう。そこで私の番に出た最後のカードは、また蛮族。これでスキタイ人を海峡に向けて動かすと、ヘレスポントの支配は崩れる。
「2VP減少、逆転だな」
 もしY君の番にエピルスの支配に成功すれば、私とY君の同時勝利。もし1/3の確率で失敗すれば私の単独勝利となる。Y君の様子では逆転できるカードもなさそうだ。放っておけばどの道負けとなるあきよしさんは、少ない可能性にかけてプトレマイオスでレオナトスを攻撃するが、レオナトスの戦死と引き換えに破れ去る。
 そして最後のY君の番「これは使えない」と先にカードを捨て、エピルスの支配を試す。
「1」
私の単独勝利。
ということで片付けはじめたが、、、

 
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