背信の宴
今ここに背信の宴が始まる。
第一夜
プトレマイオス、ペイトン・・かさい
ペルディカス、アンティゴノス・・たか
レオナトス、リシマコス・・杉
アンティパトロス、クラテラス・・蒼き臥竜
リシマコス「我ら二人が組めば、アンティパトロスの老いぼれなど赤子の手をひねるも同然ですな。」
レオナトス「左様。マケドニアは我らのもの。そしてそれは大王の遺領が我らのものになるということ。」
リシマコス「すでに領内の傭兵の協力も取り付けた。後は遺漏なきよう。」
レオナトス「さすがは戦上手のリシマコス殿。承知した。指揮はお任せいたす。」
全て綿密に策を整えたリシマコスとレオナトスは、開戦即マケドニアになだれこみ、アンティパトロスは城の守備兵も残さず全軍で迎え撃つが、万全の攻めには為す術なく、マケドニアは攻め落とされた。
一方その頃東方では、
プトレマイオス「準備は良いな?」
ペイトン「もちろんだ。そちらはヘラクレス、こちらは4世、共に近づきどちらかをいただく。」
プトレマイオス「もしどちらも取れるようなら、そちらに任せる。」
ペイトン「わかっている。では万事打ち合わせどおり。」
プトレマイオスは領内視察を装い、ペイトンはスサ占領を装って、それぞれ大王の遺児に近づく。そして背信の幕は上がり、アレキサンダー4世はペイトンの元へ。これで既に有罪宣告を受けているペルディカスの正統性は1になり、さらにオリンピアスまで加わったペイトン陣営の正統性は11。ペルディカスの王室軍団は木偶人形同然となる。
ターンは明け、戦力が少なく王室軍団を除いてもペルヂィカスに勝てないペイトンは、再び背信で4世を奪還されないよう一旦引き揚げる。レオナトスらは順調にマケドニアの支配を確立する。勝つのはこのどちらになるのか?
さて次のラウンドに入り、ペルディカス、アンティゴノスの番である。アレキサンダーを失い王室軍団もないこやつらに何ができるのか?
まずペルディカスのいる都市が一つ支配されて丁度4つになったメソポタミアが支配される。これで2VP。これが何だというのか。
次にトレイター。この状況でもう2箇所支配したところで・・。
まずキリキア。すでに1箇所持っているのでこれで支配となり、2VPに加えてアジア小艦隊が入り、最大艦隊で4VP。合計20VP。
そしてもう1箇所、シリアで支配を一つ。ここもすでに2箇所持っていたので支配して2VP。合計22VP。ああ?早急に対応しなければ。
いや、時既に遅し。シリアが入ったことでアジア王が入る。3VPで合計25VP。たかさん神速の勝利。
信義に背くものには、勝利の女神も背を向ける。
第二夜
ペルディカス、プトレマイオス・・蒼き臥竜
アンティゴノス、クラテラス・・杉
アンティパトロス、ペイトン・・たか
リシマコス、レオナトス・・かさい
昨夜と同じ夢を見るリシマコスとレオナトス。すべては予知夢の通り。
しかし取り残されたペイトンは一人でも積極的だった。シルバーシールドを擁してスサに入り、そこの財宝を掘り起こす。
これに恐れおののくペルディカス。昨夜の夢が頭をよぎる。
「背信の前触れか?」
ペルディカスはペイトンから距離をおく。
するとメソポタミアまで支配を広げつつあったクラテラスがここに兵を補充。ペルディカスに動揺を与える。
「どっちが本当の背信者か?あるいはどちらもブラフか?」
両方から距離を置ける場所は無く、ペルディカスは諦めて移動せずに兵を補充する。
「あるに決まってるわあ!」
無情にも響くクラテラスの声。背信の罠が発動する。しかしその目は2。ペルディカスはかろうじて初頭からの破滅を免れた。
一方同盟者のプトレマイオスはプトレマイオスで、城内の裏切り者を当てにしてロードスに渡るものの、結局攻めきれず、クラテラスがエジプトに迫るのを見て早々に引き揚げる羽目になっていた。そんな状況のためペルディカスはバビロンで葬儀を挙げると、街中の財宝を略奪してバビロンを放棄し、欺瞞でクラテラス前哨部隊をかわしながら、プトレマイオスと連携するため西に向かう。
背信が失敗に終わった以上、クラテラスはこれ以上単独で優勢な兵力に立ち向かう理由は無く、オリンピアス救出に向かうアンティゴノスを支援するため、小アジアに取って返す。そしてオリンピアスは無事迎え入れられる。
敗死したアンティパトロスの後を継いだカサンドロスは、メディアに迎えられると、ペイトンと共にバビロニア支配に向かう。もちろんそれが終われば次の目的地は西である。
ここでペルディカスはプトレマイオスと合流せず、さらに小アジアへと歩を進める。ははーん、これは。アンティゴノス領のフリュギアを何もせずに抜けると、ペルディカスはリディアに入る。そして予想通りクレオパトラと結婚。
「やはりな。」
しかしやはりではなかった。バビロンの財宝中に眠っていた背信の壷が煙を放つ。囚われたヘラクレスはペルディカスの元へ。
「背信には背信で返す。」(一方的に盗っただけではないのか?)
一応このまま行けば次のターンに勝利宣言できる形になったペルディカス陣営だが、東からはペイトンらが迫っており、誰からでも背信を仕掛けられうる位置にある。しかも持っている最大艦隊はキリキア海賊頼みの脆いもの。勝ちきるのは容易ではない。
戦力を統合したアンティゴノスにアンティゴノス領内で地域支援のつく攻撃をされれば、優勢な戦力でも勝てるかどうかわからない。番が来るやいなやペルディカスは全力でカパドキアに逃げる。ペイトン側からも背信は仕掛けられず、一安心のペルディカスだったが、アンティゴノス陣営とのポイント差は小さいので、自分の領土を広げアンティゴノス、クラテラス領を減らしつつ、シルバーシールドを擁するペイトンの攻撃を防がなければならない。ペルディカスとプトレマイオスは、兵を散らしてすばやくフェニキアとシリアの支配を確立すると、全軍をシリアに集め、オーバースタックで守る。
しかしこの防御も、東のペイトン、西のアンティゴノスの連携攻撃を受け、さらにカサンドロスがコエレシリアを越えて侵入してくると、同時には全てを守れず綻びが出てくる。その上エジプトに反乱と反乱の拡大が起き、最重要地域が危機に陥る。
そして迎えた最終ラウンド、レオナトスのアテネ攻めが間に合わなかったことで、最大艦隊の保持は確定した。後はエジプトと、フェニキアの支配を失わなければ勝つ。まずエジプトに送っていたマイナージェネラルたちが丁度守りに入り、エジプト脱落は食い止められた。そしてフェニキア防衛のために後退したペルディカスへのペイトン最後の挑戦は、シルバーシールドを持ってしても戦力差を覆すことができず、ペルディカス陣営が勝利した。
背信を成すものは全てを成す。(昨日のことなど忘れた)
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