オランダ戦争
 
 被告太陽王は、妻のネーデルランド相続権放棄について、法外な金額の持参金要求に応えていないから無効などという身勝手な理由で、先にネーデルランド継承戦争を引き起こした。そしてそれをオランダに止められをことを一方的に逆恨みした太陽王は、イギリスなどと共謀し、懲りずにこのオランダ戦争でオランダ侵略を行ったものである。
 太陽王は異常なまでの執着心をもってオランダ包囲を画策したが、オランダは自ら堤防を決壊させて洪水を起こして難を逃れた。そしてイギリスは侵攻のためオランダに海戦を挑んだが敗れて身動きが取れず、太陽王の常軌を逸した狂気にも嫌気がさし、結局何もしないまま離脱した。さらにドイツ諸侯やスペインらは、太陽王の暴虐行為を見かねてオランダと同盟。これにより太陽王は逆に包囲されてしまったにも関わらず、なおもストーカーのごとく侵略に執着し続けた結果、優秀な配下テュレンヌ子爵とコンデ大公を失ったばかりか、国庫が枯渇し国民が暴動を起こすまでに至った責任は重大である。

 というわけで太陽の戦争でオランダ戦争をやるにあたって、私は全くこれがどんな戦争か知らなかったので、ウィキペディア等を参考に経過をまとめてみました。何か間違ってたらごめんなさい。しかしなかなか波乱に富んだ戦争だったようです。
 前回考えた自作ルールを入れて、子どもがフランス、私がオランダです。


 1672年、まずイベントですが、史実でフランス軍の侵攻を食い止めたオランダの洪水も、イギリス軍を食い止めたロイテル提督も、このゲームではイベントで1/6の確率でしか出てきません。今回はどちらも出てこず、北海はイギリスの手に落ちてイギリス軍は上陸し、フランスは邪魔されずにオランダへ侵攻します。一方弱体なオランダ連合側は、ブランデルブルグ選帝侯フリードリヒ・ヴィルヘルムが、守られていないミュンスターを取ったのみ。
 そしてフランスは最初の攻囲戦では手間取ったものの、キャンペーン継続に成功してオランダを全て征服するのに成功。オランダの収入は合わせて5もあり、これがフランス側に移ったため16対16で互角だった収入が、一気に21対11と圧倒的にフランス有利になってしまいました。
 戦闘ではどうにもならなかったオランダ連合側ですが、フランスに対して懐疑的だった神聖ローマ帝国を、余ったリソースで中立化させます。

 1673年、オランダは将軍が全員捕虜になっていたため、ただでさえ少ないリソースをさらに捕虜の身代金のために減らされます。どうにもなりそうもないオランダ連合。
 イニシアティブを取ったフランスは、レベル4要塞の攻囲に向かいます。レベル4要塞を1回のキャンペーンで落とすと、1栄光ポイントを得るのに加え、全ての国の外交マーカーを1つ自分に有利な方に動かせるのです。このシナリオではイギリスはあと一歩で中立化するところから始まり、もし中立化すると一気にオランダ連合ガチガチの同盟国に移動する特別ルールがありますが(あれ?史実ではそんな事ないみたいだけど?)、この攻囲がうまくいけばそれを防げます。
 そしてフランスは攻囲に成功し、イギリスとの関係を深めただけでなく、帝国も味方に呼び戻します。フランスはレベル4の要塞は持っていないのでオランダ連合に落とされる心配はなく、強力なティレンヌ子爵とコンデ大公はまず負けせん。すると来年もう一つレベル4要塞を落とせれば、デンマークが脱落してフランスは同盟の勝利条件を満たし、リソースと目標支配を合わせて3つの勝利条件満たし勝ってしまいそうです。
 オランダ連合はそうならないよう、オランダのウィレム3世(2−2(戦略値−戦術値))がオランダ北部、オーストリアのモンテクッコリ(2−3)がアルザスに反撃し、フランスの目標2つを奪います。

 1674年、来年は強力なテュレンヌ子爵(4−3)とコンデ大公(3−3)が自動的にいなくなってしまうので、フランスはこの年に勝ち切れるかが勝負です。レベル4要塞を落とした上で目標2つを奪えばいいので、今のフランスなら十分可能性があります。
 そしてこの年は史実でイギリスが脱落した年ですが、これもイベントで5さえ出さなければ起こりません。そしてここで出なければ、イギリスはずっとフランスの同盟国であり続けるでしょう。
 さてイベントは何かな?あっ、5。イギリス脱落。あれ?特別ルールにより脱落したイギリスはオランダ同盟につきます。また同盟国が1つ減って勝利条件が失われたので、このターンにフランスが勝つのは不可能になってしまいました。何だそれ?ここで勝てず、イギリスも強い指揮官もいなくなってはフランス勝てそうも無く、運が良くてせいぜい引き分けでしょう。なのでここで終わりにすることにしました。



 このゲーム、どのシナリオも変ですね。本来偶然のはずの将軍の戦死が自動的に発生するのに、実在の提督やその国が意図的に行った史実のイベントが1/6でしかありません。ゲームのバランスも史実に反してイギリスがフランス側に残ることを前提としているようです。
 またプレイは意外と煩雑で時間がかかります。動員余地が決まっていてユニットも限りがあるので、損害を受けた時単に減らすわけにいかず、どの兵種を減らしてどう両替するかなど、変なことにいらない時間を使います。
 戦闘は防御施設やCRTの関係上防御側が有利で、おとり部隊も回避もあるので、なかなか決戦はしかけにくいです。逆に要塞には行けばすぐに攻囲でき、隣接する敵以外は救援できないので、隙をついて敵主力から離れた要塞を互いに攻囲し合う展開がほとんどになりそうです。元ルール通り互いに相手の後方地域を荒らしまわる謎ゲームと、どっちがましなのかは微妙な所です。
 これだけ自作ルールを加えても、ゲームとしてはまあ普通くらいになるものの展開は地味で、イベントの影響が大きすぎる時があり、史実通り動いたとしても史実はほぼ再現できませんだと、あまり人におすすめできるゲームではありませんね。
 
インデックスへ