ロシアへのカイザー攻勢
 
 コマンドの第一次世界大戦をやってみました。このゲームは名前の通り第一次世界大戦をテーマにした戦略級のヘクスウォーゲームで、ルールも簡単で半日程度でプレイできるやりやすいゲームです。
 特徴的なのは、ユニットが攻撃するには生産力を払って活性化面にしなければなりませんが、生産力はかなり限られているので、毎ターン攻撃を繰り返すと生産もままなりません。また非活性化面では戦闘力も移動力も落ちるので、活性化しても攻撃せず活性状態の軍をためるのも重要な戦略です。このゲームでは1ヘクスだけならZOCからZOCへの移動ができるので、密度の薄いロシア戦線などはそれでも前進できるのです。
 そして勝利は生産都市の占領や中小国の降伏、そしていくつかの条件できまるロシアの崩壊によって決まります。恐いのはドイツは国内の生産都市どれか一つでも占領されると即敗北なので、国境はしっかり守らなければなりません。

 今回はかさいさんが連合軍、私が中欧です。私は前回数ターンの練習をしただけでゲームももっておらず、実質初プレイです。
 ゲームの勝手がわからないので、まず「多正面戦争はするな」「戦力集中」の常識から、ブリュッセル攻略フランス軍包囲後、西部では直線的なざん壕線で守勢に徹することにします。しかし戦力引き抜きを急ぎすぎたため、ざん壕のない所を攻められて余計な手間を取らされてしまいました。
 このゲームのセルビアは相当強く、オーストリア軍だけでは安全に落とせそうもないので、序盤の攻勢はロシアに集中します。と言ってもオーストリア側の戦力は少なすぎるので、かさいさんの勧めどおり2ヘクスおきの戦線を作って、毎ターン1ヘクスずつ後退します。このゲームでは戦闘後2ヘクス前進がありうるので、1ヘクスおきの戦線はかなり注意しないと危険なのです。
 完全にロシアに集中したので、東部はかさいさんの想定以上に中欧が押しているようでした。比較的早い時期の小包囲作戦が成功したのも、ロシアの防御戦力不足を招いて、中欧好調の原因になったのでしょう。
 しかしこれで調子に乗りすぎました。8個軍以上が参加し、最大コラム2箇所の攻撃が両方成功すれば、ロシア5個軍以上を吹き飛ばし一気に勝勢になれるという大包囲作戦を、中欧は敢行します。しかし片方で突破に失敗し、包囲は夢と消えました。
 この時はまだ全体を通してやってみたことがなかったのでわかりませんでしたが、ゲームが進んでみると、活性化に必要な生産力はかなりぎりぎりで、大攻勢を行って成果を上げられないと、後々攻撃がままならなくなってきます。後半になるとだんだん増えてくる英仏軍が、イタリアやバルカンでちょっかいをだしてきますし、セルビアやルーマニアの制圧にも手をとられます。
 東部では前進を続けているものの、連合軍の戦車はかなり強力で、今の状況では最終ターンまで西部が持ちそうになくなりました。こうなったら手はひとつ。カイザー攻勢でロシアに全面攻撃をかけ、ロシアが崩壊する前にその生産拠点を同時に3ヶ所とり、サドンデス勝利を得るしかない!
 中欧は他戦線を犠牲にして余力を残さぬ集中攻撃を行い、ロシアの生産拠点4ヶ所の占領に成功します。ただし勝利判定の前にはロシアの反撃があり、これを耐えねば勝ちはありません。しかしドイツは北部で反撃を阻止するための小包囲作戦に失敗して、ロシアは2ヶ所で最大コラム攻撃ができるようになってしまいました。どちらかでも耐えれば勝ちですが・・・やはりロシア軍の底力は強かった。両方奪われ連合軍の勝利となりました。

 ルールも時間も手ごろな割には、戦略的にもなかなか考えどころがあり、よくできたゲームという感じがしました。ただ連合軍がガリポリ上陸後いくらでも兵を送り込めて、背後ががら空きのブルガリアをただ取りできるのは、ちょっとブルガリア軍の配置を変えた方がいい気がします。機会があったらまたやってみたいと思います。
 
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