みんなで行けば怖くない
たかさんの持っているWar of the ringをやりました。有名な指輪物語のゲームですが、実は私は原作や映画を見ていません。そのためストーリーに関する私の認識は「行こう!行こう!火の山へ!」程度ですが、ゲームをするには差し支えありません。
このゲームでは、主人公たちが指輪を火の山へ持っていく旅と、闇の陣営が世界を征服しようとする戦争を同時に表現しています。各ターン特別なダイスを振り、交互にダイスを一つ消費して、その目によって可能なアクションを行っていきます。
アクションには主人公等のキャラクターやリーダーを動かすキャラクターアクション、参戦工作や徴兵を行う召集アクション、移動か戦闘を行う軍隊アクション、イベントカードを使うか引くかできるイベントアクションがあります。他に自由の民にはどのアクションでもできる西方の意志の目があり、闇の勢力は主人公の追跡にあらかじめダイスを割り当て、さらに振って「目」のアイコンが出たらそれも追跡に割り当てられます。
主人公が追跡によって堕落し闇に捕らえられたら闇の勝利、その前に山頂にたどりつけば自由の民の勝利です。他に占領した相手の都市1点城2点で、闇の陣営は10点取ったら勝ち、自由の民は4点取ったら勝ちになります。軍事的には闇の陣営が優勢で、除去されたユニットの再使用は闇の軍勢だけができるので、普通は闇が軍事的勝利、自由の民は旅の勝利を目指すことが多くなります。
4日前にこれをやることに決まって、3日前からネット上のルールを読み、自由の民側がおもしろそうに思ったので、私はこちらをやらせてもらうことになりました。ネットでは早々に旅の仲間を各地に散らして参戦を促すプレイが多いようですが、私は参戦促進よりも、仲間を分離せずに指輪の護衛を優先することにしました。参戦国が増えてもダイスや増援が増えるわけではなく、コストを払って参戦させる価値をあまり感じなかったからです。
最初に旅の仲間のガイドを務めるガンダルフは、イベントアクションでイベントを使うと、同じ種類のイベントカードを補充できるという能力があります。最初のサイ振りで4個中3個がイベントの目だったので、大いにこの力を利用します。
次のターン、キャラクターアクションが多かったので、旅の仲間は強行軍(1ターンに複数回移動すると闇の追跡が厳しくなる)をしましたが、闇に見つかって位置を暴露してしまい、とても敵の城塞を突破できないので、安全な回り道を行くことにしました。
自由の民側の主要国であるゴンドールやローハンへ行く際、中継地点となるエルフの城塞ロリエン。ここにあと一歩というところで再び闇の追跡を受け、3の堕落ポイントを食らいます。ここはガンダルフに全てを受けてもらい、ガンダルフは一旦死亡しますが、後で白のガンダルフとして復活できるので大丈夫です。旅の一行は無事ロリエンに到着し疲れを癒します(堕落ポイント1回復)。
この間闇の陣営は全ての国が参戦し、着々と国境に軍を整えつつありますが、自由の民の国々の参戦は、イベントでエルフの段階を戻されるなどしてなかなか進みません。そして旅の仲間がしばらく城塞で回復すると見た闇側は、戦争準備を優先して追跡を緩めます。そして自由の民に西方の意志が無く、闇側に召集が多かったことから、闇の陣営はここで堕落した魔法使いサルマンを中央のアイゼンガルドに召喚します。サルマンは徴兵を加速する効果があり、西方の意志があるとサルマンの登場は白のガンダルフ登場の条件になるので、絶好のタイミングです。
ここで旅の仲間はまだ2ポイントの堕落が残っていますが、サルマンの登場でうかうかしていられず、全回復するよりも追跡の緩いこの時機を生かそうと、早々にまた出発します。
次ターン幸い西方の意志が出たので、自由の民側は白のガンダルフを登場させます。その後闇の軍勢のゴンドールへの圧力が増してきたので、白のガンダルフはゴンドールの守りの助けに向かいます。そして闇の軍勢は満を持してローハン、ゴンドールと次々に侵攻を開始。まずローハンの城塞ヘルムズディープ、続いてゴンドールの沿岸城塞ドルアムロスが包囲されます。しかし自由の民も奮戦して闇の軍勢に大損害を与え、これ以上の攻城には兵力不足になります。
その間旅の仲間はゴンドールの城塞ミナストリスに、1ポイントの堕落を受けるだけで到達し、ここで再び疲れを癒します。その間ホビットのメリアドクとペレグリンを、レベルが1では旅の護衛としての価値が低いと考え、ヘルムズディープ救援軍を編成中のローハンの都市エドラスに向かわせました。
次のターン、サイを振ると闇側には「目」が5つも出て、自由の民側にはキャラクターアクションが無いという結果に。旅の仲間はこれ幸いともう一休みし、堕落ポイントは1まで下がります。
そして次のターン闇の追跡の「目」は4つありますが、これから先は常にこのようなものと旅の仲間は出発します。そして白のガンダルフはファンゴルンに移動します。これは・・・
次のターン白のガンダルフはエントを2連続で目覚めさせます。サルマンの所に闇の戦力は3ステップしかおらず、ダイス合計6個振って4以上が3個出ればサルマンを倒せます。しかし結果は2個。無念。
ところが次のターンまたもう一枚エントの目覚めを引いてきます。サルマンの兵は増強されていません。よし、今度こそもらった!しかし結果は0。おーまいが。
ただその間に編成を終えたローハンの軍は進軍を開始しヘルムズディープを救出し、アイゼンの浅瀬に強力な防衛陣を敷きます。しかし南方では闇の軍勢の増援がミナストリスに迫ります。
このような情勢で旅の仲間はモルドールに向かいますが、追跡されて闇の目の結果が出たときに追跡の「目」の数は5個!カードで2軽減するものの3堕落してしまいます。そしてようやくモルドールに到達、山登りを開始します。
そして最初の移動で引かれた追跡タイルはさいころで、結果は何とまた5!ひえええ。これはアセラスの葉をストライダーが使うことで2回復。しかし一歩進むごとに襲い掛かる激しい重圧やイベントで仲間は次々に倒れ、山頂まであと一歩と迫りますが、残る護衛もあと一人。そして堕落ポイントは11で、あと1ポイントで闇に堕ちてしまいます。しかもミナストリスは包囲されて、ここを抜かれると一気に一帯が制圧されそうな状況です。
ここで仲間が居なくなってゴラムになった時のために残しておいたビルボの歌。ゴラムなら2ポイントの回復ですが、これを今使って1ポイント回復します。これでガイドのレベルが2なので、追跡タイルが3以下なら登頂成功。つまり移動停止か闇の目が出ない限り大丈夫です。そしてめくったタイルは暴露の0。一つの指輪は終に裂け目に投げ込まれ自由の民が勝利しました。

これは旅の仲間の冒険行と闇対自由の民の戦争がうまくミックスされた良いゲームだと思います。闇の軍勢は優勢ではあるものの、自由の民もカードやダイス次第である程度の反撃や防衛作戦ができ、闇側も戦争だけでなく軍隊を使った旅の妨害が可能で、戦略の幅があるようになっています。
似たような駒がたくさんあって区別しにくいのが難点ですが、これは台座に色をつけるなどして解決できるでしょう。それからカードが多くてそれを読むにも時間がかかりましたが、これも慣れればもう少し短縮できるでしょう。これらもあって今回のプレイ時間は8時間以上かかりました。
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