帝国の序盤戦略
 
 地球の序盤戦略で書いたように、地球に適切に対応されると、帝国の単純な攻撃はリスクの高いものになります。そこでここでは堅実な持久戦略の簡単な指針と例を説明します。
 初版ルールにおいては、帝国が持久戦略をとっていれば、直訴によって収入が増え続ける事などから帝国がかなり有利です。そのため自作ルール集でバランスをとるためのルールを紹介していますが、どちらでも使える戦略を説明しています。

注 オリジナルルール(特に第2版)では、第2次戦争初めの攻勢で帝国が勝勢になってしまうことがよくあります。そのような場合は自作ルールBの使用をお勧めします。
 日本版においてこのルールは戦略的バリアント1として採用されていますが、第2版では直訴による功績の低下が1から2に変更されているため、そのまま使うと今度は帝国が不利になってしまうかもしれません。その場合は初版に準じて功績の低下を1にすると良いでしょう。
 またこのルールには、地球の章で述べた対策にもかかわらず、帝国が第1ターンにギャンブルをして成功した場合、地球が一挙に敗勢になるのを防ぐ効果もあります。



初期配置

 アジッダ、マーカーシー、イプシロンエリダニの地上にそれぞれ砲台と地上軍。マーカーシーの宇宙に駆逐艦2、タンカー。残りの戦闘艦をアジッダの宇宙に。



最初の生産

 持久戦略を選ぶなら、最も重要なのは生産力です。そのため最低限の戦力を揃えた後は、前哨基地を大量生産します。戦力の生産は現在の価値だけでなく、退役も考えに入れて行います。

偵察艦
 費用対戦闘力、維持費、退役。全てに優れた優秀艦です。毎ターン必ずあるだけ作ります。

戦闘機
 アジッダの壁。帝国の弱点を守ります。

降下兵
 費用対戦闘力が高い上に、退役しても格下げだけで済みます。


生産の例

SC 9
F  7
降下兵1
基地 1   計23ルー

 第2ターン以降は主に前哨基地を作りますが、地球が軍拡を進めるなら、前記に加えて空母、駆逐艦、輸送艦も有効です。



最初の移動

 反撃フェイズに駆逐艦2でシリウスを攻撃します。地球はバーナード星防衛戦力が必要なため、これが攻撃されることはないでしょう。
 帝国第1フェイスでは、適度の戦力でプロキオンを封鎖します。そして第2フェイズではプロキオンとシリウスに最小の戦力を残し、残りを全てアジッダに置きます。ただし次の地球の生産を見て、アジッダの宇宙戦に勝つ見込みが無ければ、偵察艦1を宇宙に置き、他は地上かヌスク/デュシャームに置いて、攻撃されたら反撃する形にします。
 帝国は2つの前線が離れているため、地球と違って両方を1つの反撃艦隊で守ることはできません。そのため地球プレイヤーターン前には、アジッダ方面に反撃戦力を置き、シリウス方面は小型艦による遅滞で守ります。



攻勢の狙い

 地球の領土はジャンプ路が密で孤立させにくいため、帝国の攻撃は本格的な爆撃を伴う前線基地への降下が中心になります。対空射撃を全て無効にできるだけの爆撃力が揃ってから攻撃するのが理想ですが、相手も砲台を増やして対抗してくるので、多少不足でも賭けに出る手もあります。
 爆撃力増強手段の一つとしてモニター艦強襲があります。アジッダから亜光速飛行でバーナード星へ向かうのです。整備不良でも爆撃力に変化はなく、バーナード星の隣のヘクスにいるモニター艦隊は、地球にとってはかなり脅威でしょう。

 直訴を除くと生産力では地球に負けていますが、領土の獲得がない限り戦争は地球の勝利で終わり、平時の地球の収入は半減します。そして次の戦争で帝国が先攻できるので、このチャンスを生かすような計画を立てると良いでしょう。
 また戦闘に投入する艦種・艦数をコントロールすることで、高価な艦を早く補充できるようにしたり、地球ターンの前に地球の基地を封鎖することで、生産力の差を縮めることができます。

 
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