不倒の大国−ソ連−
 
「ソ連を降伏させることはできない。」
もしこのことを知らないなら、第三帝国を半分も理解できていないと言えるでしょう。



ドイツ最善の攻撃

 初級のソ連プレイヤーだと、国境付近での三線防御でしばらくは安全と勘違いしているかもしれません。しかしこれは次のようなドイツの攻撃で簡単に崩壊します。
 まずフランスを’40年夏までに降伏させます。そして秋にはソ連に宣戦布告しますが、そのターンドイツは防御体制を固めるだけで、本格的な攻撃はしません。するとソ連のBRPが加わることで、冬にはターンの逆転が起こりますが、航空力に劣るソ連のダブルアタックは大した威力はないでしょう。そして次の春には新しいBRPが入ってまた枢軸に先番が戻り、今度は枢軸がダブルアタックを行います。三線防御など何の価値もなく、ソ連はいきなり大半の軍が補給切れになり降伏してしまいます。
 もちろんこれはフランスの降伏時期などもあり、いつも成功するとは限りませんが、うまくいけば最も強力なドイツの攻撃です。しかしこの攻撃を使ったとしても、最善の戦略を用いるソ連を降伏させることは絶対に不可能です。



焦土戦術

 ソ連を降伏させない方法。それは簡単です。移動制限の無い全軍をウラル山脈の向こう、マップの東端へ逃がせばいいのです。ソ連の降伏条件は50戦力未満になることですから、肝心のソ連戦力に手が届かなければ枢軸はどうすることもできません。
 もちろんソ連は最初から逃げる必要はありません。参戦までは国境を固め、フランスが降伏した後ドイツの動きを見ながら、1−3歩兵で遅滞線を作って’40年のロシアの厳冬を延期できるようにし、他は撤退させます。
 そうなるとドイツ軍にできるのは、ひたすら大平原を東に向かうことくらいです。しかしやっとウラルに到達しても、その頃には、無傷のソ連軍が厳冬と共に襲いかかり、さらに立ち直る間もなく’42年初頭連合軍のダブルアタックとシベリア軍団の到着で、のびきったドイツの東部戦線は崩壊するでしょう。ソ連を覆いつくすことによって、ソ連軍を再生産できないようにして降伏させるなど、到底無理な話です。



戦略決定

 2人ゲームにおいて独ソ戦をしてソ連を降伏させられなかったなら、枢軸が勝つには最低限’43年の終わりに28個以上の戦略目標を保持していなければなりません。しかし英米ソが健在な状態で、まともな連合軍プレイヤー相手にこれを達成するのは、シブラルタルが落ちているなどしていない限り、かなり難しいでしょう。
 したがって2人ゲームで枢軸が勝利するには、イギリスの降伏を目指すしかないという結論になります。この戦略方針を念頭に置きながら、個々の作戦を考えていきましょう。
 
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