ペリーンの戦略
1.争点の検討
上方方面
表から判る通り、イータカシオペアとBD+56はぎりぎり間に合います。ここに植民するためには、第1ターンに61シグニか、シグマドラコニスに植民しなければなりません。どちらも最初の星系からの距離が12なので、事前の移動の内10MPを消費します。
一般的には61シグニの方が価値が高く、ソル等に対する探査船の拠点になるので、こちらに植民することになります。その場合、シグマドラコニスとカイドラコニスは、グインハイファールが植民してしまいます。
もしペリーンが、61シグニではなくシグマドラコニスに植民した場合、61シグニはテランのものになり、カイドラコニスはペリーンのものになります。するとこの地域でペリーンが獲得する経済力の合計は、61シグニに植民した場合と変わりません。
従ってもしテランとの間に、ペリーンの望む星系にウェブネクサスを置いてもらう約束を結べれば、61シグニをテランに明け渡す手もあります。
CD−20
第1ターンにグインハイファールが、デルタパボニスに基地を設置すると、CD−20は第2ターンに植民されてしまいます。ここを取られると、61バージンズ、CD−515といったペリーン固有の星系に、次々と植民されてしまう上、クシイブーティス、ウォルフ489といった根拠地星系が、大規模艦隊の攻撃範囲に入ってしまいます。万が一にもここを取られないよう、第2ターンに探査船を到着させなければなりません。ここは最初の星系から距離8なので、事前のMP4を消費します。
180度方面
プレイヤーズノートでは何をどう勘違いしたのか、ペリーンが36オフィウチを押さえれば、グインハイファールはそれより上に植民できないかのように書いてあります。しかし実際には、70オフィウチやアルタイルを経由して、グインハイファールは第3ターンまでにこの方面の全ての星系に到達可能です。
するとペリーンが最大限の経済価値を得るように自力で植民するなら、残り6MPを使って第1ターンにBD+33へ植民し、すぐミューヘラクレスヘ探査船を発進させることで、6経済ポイントを獲得します。
LFT661
ペリーンが唯一テランと競合することになるのが、この星系です。ここはシリウス又はプロキオンより11の距離にあり、テランが順調に技術発展を続ければ、第7ターンに植民されます。
ペリーンがここへ第7ターンに植民するには、第1ターンに61バージンズに植民して、すぐ探査船を発進させなければなりません。そのためには、BD+33への事前移動を2MPにして、ミューヘラクレスをあきらめます。そうしても技術発展イベントにより間に合わない可能性はありますが、うまくいけば2ポイント多い経済ポイントを獲得できます。
2.テランとの交渉
テランと交渉する材料になる星系が2つあります。61シグニとLFT661です。ここはその気になればペリーンが植民できる星系ですが、テランに明け渡す代わりにウェブネクサス配置に協力してもらうことで、より多くの利益を獲得できます。テランは裏切ると、ソルやイプシロンエリダニ、タウセティを守る術を失うので、約束は守られるでしょう。
もしLFT661を明け渡すなら、第2ターンにシグマドラコニスで協力してもらうのがいいでしょう。その場合第1ターンに61バージンズに着く必要がないので、ミューヘラクレスに植民できます。さらにシグマドラコニスを手に入れた結果、カイドラコニスも植民できるので、合計−4+3+2+2=+3の経済力増加になります。しかも当面の敵であるグインハイファールの経済力を7減らすことができます。
61シグニを明け渡した場合、先述の通り経済的な損失は実質ありませんが、下方への基地を失うのが痛いです。そのため見返りとしては、CD−34か36オフィウチと、ミューヘラクレスの2ヶ所で協力してもらうといいでしょう。シリウスは探査船基地としてさらに有利な位置にありますが、テランにとっても危険な位置にあるため、交渉はまとまりにくいかもしれません。
3.序盤の計画
では序盤の具体的な計画を考えてみます。テランとの約束は結ばれなかったものとします。
探査船の事前移動
出発地 | 目的地 | 距離 | 到着 ターン | 消費 MP |
クシイブーティス | 61シグニ | 12 | 1 | 10 |
クシイブーティス | CD−20 | 8 | 2 | 4 |
クシイブーティス | BD+33 | 7 | 3 | 2 |
ウォルフ489 | 61バージンズ | 6 | 1 | 4 |
第1ターン
維持 歩兵3 工兵1 計15ポイント
探査船 4隻 計32ポイント
出発地 | 目的地 | 距離 | 到着 ターン |
61シグニ | BD+56 | 6 | 4 |
61シグニ | イータカシオペア | 6 | 4 |
61バージンズ | LFT661 | 12 | 7 |
61シグニ | シグマドラコニス | 5 | 4 |
自ら望まない限り、序盤にはまず戦争は起こりません。テランはもちろん、グインハイファールもあまり戦力がなく、無理に軍拡して植民したばかりの価値の低い星系を占領しても、ちっともメリットがないからです。ソルを占領されないよう、歩兵と工兵があれば十分です。
4つの探査船の内、シグマドラコニスへ向かうものだけは、植民が保証されません。グインハイファールが他の星系を優先した時のみ、植民に成功します。
第2ターン以降に出発して確実に植民できる星系は、CD−515しかありません。それ以外はプレイヤーの気分におまかせとなります。
この植民計画で29経済ポイントの増加になり、勝利段階2の確保が期待できます。
4.戦いの時
植民があらかた完了すると、中盤戦に入ります。平均的な展開では、恐らくグイハイファールがトップに立っており、テランもそこそこ経済力を増して、そろっとウェブシップを完成させる頃でしょう。
この状況は
1.グインハイファールを叩かなければならない。
2.テランは、ウェブシップはあるが、それで運ぶ地上軍がない。
3.ペリーンは、地上軍はあるが、それを運ぶ手段に乏しい。探査船による上陸では、再配備で対応される。
と、まさにペリーンとテランが同盟するしかないという状況になっています。この蜜月期に、可能な限りグインハイファールから領土を削り取っておきましょう。
しかしテランのウェブシップが、ソルから直接ペリーンの本拠地星系に届くようになる終盤には、テランはもはやペリーンの味方ではありません。自力で戦える力をつけていなければ、テランに食い物にされてしまうでしょう。
中盤には終盤の戦いに向けて、できるだけ多くの探査船を、敵の重要星系に飛ばすことも必要です。この時、同時にいくつもの探査船が到着するようします。それは敵が全軍を再配備して守るのを、不可能にするためです。また同じ星系に複数到着させるのも、艦隊をかわすために有効です。
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