For the People ヒストリカルレイティング

 南北戦争のゲームはどれも、マクレランを異常に過小評価し、グラントを異常に過大評価して、史実の戦闘結果を全く再現できないものばかりでした。For the People(GMT)はシステム的なものあって、かなりましな方ですが、やはりその傾向は否めません。そこで戦闘修正や特別能力(選択ではなく必須)を以下のように訂正します。

グラント 3−3 → 2−1
・資源都市以外の南部州で司令官として大規模戦闘に敗北した場合、戦意の増減は半分(端数切捨て)になる。

 ブラッグやペンバートンには勝ったものの、リーには惨敗を喫し続けたグラントですから、この攻撃修正が妥当です。防御側有利のこの時代にシャイローで危うくなり、ウィルダネスで完敗したことからすれば、防御修正はさらに低くなります。そしてこれによりグラントは、歴史通り攻撃的になるでしょう。
 グラントの価値は、戦闘能力にではなく、負けても負けても進み続けられた所にあるので、それを表す特別能力も付けました。

シャーマン 3−3 → 2−1

 シャーマンに特別能力は無く、1−2のJ・ジョンストンと互角の勝負を繰り広げたことから、2−1が妥当です。

マクレラン 0−2 → 4−4
・司令官として大規模戦闘に勝利した場合、戦意の増減は半分(端数切捨て)になる。
・6.15 a)の軍海上移動は、マクレランのみがゲーム中1回だけ行える。さらにモンロー要塞に上陸した場合、到達可能な南軍の部隊1つは、(足りなければ鉄道で一番近い戦力を呼び寄せてでも)6SP以上を集め、直後にモンロー要塞を攻撃しなければならない。この戦闘でマクレランの軍は勝っても1SPを除いて海上退却し、南軍は軍司令官も戦死チェックの対象になって、その場合負傷して3ターン後に復帰する。
・マクレランを解任した場合、必ずゲームから取り除く。

 マクレランは半島戦役でもアンティータムの戦いでもリーを撃退しています。その上どちらの戦いでも、リーはロングストリート、ジャクソン、スチュアートと言った有能な将軍に恵まれていたのに対し、マクレランには凡庸な配下しかいなかったことからすれば、マクレランの戦闘能力はリーよりずっと高かったと考えざるを得ません。そうするとマクレランの戦闘修正は7−7が妥当になりますが、これではゲームがバグるので4−4に留めました。なおこの能力を持ってしても、リーを正面から破って進むことはできないので、後半にはグラントの特別能力を使って、南軍をすり減らしていくようになるでしょう。
 またマクレランはこの防御修正により、騎兵がいれば確実に迎撃できるようになります。これはゲティスバーグ戦役でリーが北部に侵攻した際、北軍はみすみすペンシルヴァニアまで攻め込まれたのに対し、アンティータム戦役ではマクレランが即座に迎撃して食い止めたことからすれば、至極当然のことです。
 ただしリーに勝つ原動力となった慎重で堅実なマクレランの戦い方は、民衆、リンカーン、自称歴史家といった、戦闘の道理と現実をまるで理解できない人々には不人気で、特別能力の1つ目はこれを表しています。
 そして2つ目の特別能力を入れないと、半島戦役をするメリットが無く、J・ジョンストンやリーが誘いこまれて自滅した史実を再現できません。また突っ込むしか能の無いグラントに、こんな大軍の海上上陸補給システムを構築する力などありません。
 3つ目は、グラントの下にマクレランを入れられないようにするためです。
 
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