移り行く言葉の記録
 
 言葉とは時と共に変わり行くものです。変わりつつある言葉を拾ってみました。
 現在多い用法元々の用法
仕事金を稼ぐこと、他人にさせられる嫌なこと自分の生活を支えるためにする全てのこと(いわゆるサービス残業は仕事ではない)
努力目的のために苦労すること、苦行目的のために能力を傾けること(苦労の有無とは無関係)
我慢苦しいことを耐える自慢、高慢
がんばる苦しいことを耐える自分の意志を張り通す
福祉社会的弱者の救済幸福、満足すべき生活環境(自分のことでも良い)
手抜き重要なことを省略する重要でないことを省略する
撤収帰ること片付けること
杓子定規ルール通りルールを捻じ曲げる(曲がった杓子を定規として使う意)
たらい回しいやなものを押し付け合ういいものを仲間内で独占する
確信犯悪いと知っていて犯罪をする人悪くないと信じて犯罪をする人
怒涛の激しい勢いの秩序が乱れて手のつけられない
とりあえず(別にやらなくてもよいが)ひとまず、さしあたって他を差し置いても、優先的に
ゲーム筋肉を使わない競技全ての競技、スポーツ
スポーツ筋肉を競うこと技術を競うこと、ゲーム
サービス無料で与えること有料、無料に関わらず労力の提供
ボランティアタダ働き有料、無料に関わらず自分の意志で行動する人
ダイエット減量食事療法、常食(肉食、草食など)
リストラ解雇改造
カスタマイズ改造する注文生産する、一から作る
カスタム改造習慣
ナビゲーター案内者操縦者
NAVI道路案内装置
テンション興奮緊張
ご苦労様目下の者に対するねぎらい上下に関わらず骨折りに対するねぎらい
血税税金兵役
落とし穴自らの無知無能により犯しがちな失敗人を窮地に陥れる謀略(「落ち」ではなく「落とし」穴)
課金・募金自分が金を支払うこと相手に金を支払わせること

 例えばゲーム三昧の生活を
「私は福祉とスポーツのボランティアとして、我慢と努力でがんばって仕事しています。」
なんて言っても全く嘘はありません。

 ご苦労様は最近になって急に「昔から目下に対して使ってきた言葉だ」と言う人が増えてきました。しかし10年くらい前にはそんなことを言う人は見かけませんでしたし、昔の辞書を見てもそんな記述はありません。単に骨折りに対するねぎらいの丁寧語とあるだけです。
 いろいろ当たってみると、どうやら時代劇で殿様が家臣に「ご苦労であった」と言ったのを見て、目下に使うものだと思いこんだ人がいたのが元のようです。書き言葉なら新資料が見つかることはありえますが、今ころになって突然江戸時代の話し言葉がわかる訳はありません。また昔やくざが出てくるドラマで「おつとめご苦労様でした。」と兄貴分に言うシーンがあったことからも、ご苦労様を目上の人に使えないというのは、昔からのことではなく最近の流行でしょう。
 
 
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