ウォーゲームのおもしろさ1〜4
 
 最近長岡ボードゲームに行く関係で、一般ゲーム(ドイツ系とよく言われるやつ。パンゲーと呼んでいる。)をやることもあるのですが、やっぱりウォーゲームの方が断然おもしろいです。その違いは何なのか?思い付いたことを書いてみます。

1.臨場感・リアイリティ
 一般ゲームには形ばかりのテーマはあっても、ほとんどそれをシミュレートしているとは言えません。そのためただ色のついた駒を並べて、なぜだかわからないけど点数が入ってくるという感じで、臨場感がありません。
 しかしテーマを生き生きと再現しているシミュレーションゲームは、その世界に完全にのめりこみ、例えば帝国の皇帝として戦い、勝ち、負けることを体感できます。同じ程度のゲーム性なら、おもしろさが全然違うのです。

2.相互作用
 ではゲーム性自体はどうかというと、やはりウォーゲームの方がよりおもしろいものを作れる余地があります。
 一般ゲームは子供でもやれることを前提としているため、強力な相互作用、つまりやったりやられたり、攻撃と反撃といったものが強いものは作れないという、致命的な制約があります。たいていは多少の妨害程度か、あるいは全く相互作用の無い「競争」ゲームがほとんどです。
 しかしゲームのもっとも大きなおもしろさは、この相互作用にあります。「自分がこうすると、相手はこうするだろう。それに備えてこれを用意しておこう。しかしもしかすると相手はこんなことをしてくるかもしれない。」こういった読み合い、互いの戦略が合わさってできるゲームの流れのうねりが、パンゲーにはないおもしろさとなっています。
 またこの相手の行動によって自分の行動が変わり、それがまた相手の行動を変えるという無限の連鎖が、無限の奥深さを作り出しています。
 パンゲーは1度やってまあおもしろくても、何度もやりたいと思うものに出会ったことはありませんが、よくできたウォーゲームはすごい回数プレイできます。(もちろん二度とやりたくないクソゲーが存在することはどちらも同じですが)

3.非対称性
 ウォーゲームでは、互いの置かれた状況が違うものが多くあります。これがまた戦略の多様性を生み、パンゲーのように「一番○○した人が勝ち」というただの競争に終わらない、柔軟な思考を発揮できるおもしろさとなっています。

4.制約の無さ
 2でも少し書いたことですが、ウォーゲームは「子供でもできるようにしなければならない」という制約がありません。そのためルールの難易度、プレイ時間等が自由で、デザイナーが最も良いと思うように作ることができます。
 たまに難しいことや長いことをウォーゲームの欠点に挙げる人がいますが、それは全く誤りです。難しくて長くなければウォーゲームでないということはありません。難しいゲームでも、簡単なゲームでも、長いゲームでも、短いゲームでも自由に作れるという長所があるだけなのです。
 それからドイツゲームに限っては、不思議な制約が他にもあります。例外もあるのかもしれませんが、勝利条件はたいてい「特定の条件を満たすと入る点数を積み重ねていって、終了時に点数の高い人が勝ち。」となっています。勝利条件はゲームを決める非常に重要な部分です。これを自由に設定できるのもウォーゲームのおもしろい理由だと思います。サクセサーズの勝利条件は良い例でしょう。


 念のため補足しておきますが、今回のおもしろさとは、あくまで私のベストゲームズについて述べたものです。したがって例えば全ドイツゲームの平均と全ウォーゲームの平均のどちらが上か比べるなどというのは、不可能かつ無意味です。
 言い替えるなら「私のベストゲーム20は全てウォーゲーム(とブリッジとホールデム?)だが、どういうわけだろう?」ということです。自分のベストと違うからと言って腹を立てる等の愚かな行為は御遠慮ください。
 ここはウォーゲームサイトです。将棋の本を見れば「将棋こそ最高のゲーム」と書いてあり、囲碁の本を見れば「囲碁こそ最高のゲーム」と書いてあるように、「ウォーゲームこそ最高のゲーム」と主張するのは当然のことです。

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