対戦車ライフルの名手
今日のASLは、シナリオ54Bridge to nowhere。どことも知れぬ所への橋?Deepl翻訳では「縁の下の力持ち」と出てきますが、はてどう解釈するとこうなるの?1941年12月イタリアのロシア派遣軍は、ウクライナでロシア軍の守る橋を奇襲し、これを越えて橋の両岸を確保しに行きます。8ターン半終了時、ロシア軍は橋の両岸の間の道路のどこかに、合計16火力以上の射線を通していれば勝利です。湿地は林になり、川には所々2移動力で渡れる浅瀬があります。
ロシアの橋の守備隊は一線級1.5個と徴募兵2個分隊、他に近くの村に一線級4.5個と徴募兵4個分隊いますが、こちらは第1ターンじゅうとっても忙しく何もできません。さらに第2ターンには8火力のCMGを積んだ戦車が出てきます。これを攻めるイタリア軍は、エリート10個分隊とモラル6の一線級7個分隊に、20ミリの対戦車ライフル2門です。全体に指揮能力も装備もイタリア軍の方が勝ります。
普通イタリア軍はかなり弱いのですが、このロシア派遣軍は相当優秀で、半数が徴募兵のロシア軍に対し質的には劣りません。しかしロシアには防御側にも関わらす戦車がいるというのが、非常に強力です。これをどう生かすかが勝負を分けるでしょう。アーカイヴではイタリアの勝率が6割ですが、私の戦力評価ではロシアが14%の優勢なので、イタリアの勝率は3割程度を予想します。はたしてどうなるでしょうか?子供がロシア、私がイタリアです。
第1ターン、イタリアは幾らか損害を受けつつ橋の渡り口を確保し、別動隊は浅瀬を通って中州に渡ります。数的に勝負にならないロシア橋梁守備隊は、退却して本隊との合流を目指しますが、途中迫撃砲が大当たりして混乱・足止めを食らいます。
第2ターン、イタリア軍は守備隊のいなくなった橋を大挙して渡って出口を確保し、中州の部隊も対岸に上陸します。ロシア橋梁守備隊は回復に失敗した徴募兵を見捨てて退却を続け、異変に気付いた村の駐留軍は、橋からの道路出口前の森に展開を始めます。また到着したロシア戦車は、遠く石壁の陰から道路出口に狙いをつけます。
第3ターン、イタリア軍は橋を越えて前進を続け、中機関銃、軽機関銃はロシア軍の展開する森が見える位置に到達します。ここで取り残されていたロシア混乱徴募兵が射撃を生き延び、阻止もかわして、味方の森近くまで逃げ延びるのに成功してしまいました。そしてロシア軍は森全体に展開を終え、イタリアの攻撃を待ち受けます。
第4ターン、イタリア中軽機関銃スタックは森のロシア軍を射撃しましたが、どちらも効果なし。他の部隊はもっと接近して射撃戦を挑もうと思いましたが、ここで重大なことに気付きます。
「道路の出口付近は全て戦車から見られている?」
森の歩兵火力に加え8火力の戦車機関銃に狙われていては、とてもイタリア軍ここで撃ち合いなどできません。正面は機関銃と迫撃砲に任せ、他の部隊は浅瀬を越えて左手に回り込むことにします。
そしてターン後半、ロシアの迫撃砲は砲撃を開始します。イタリアのよりもROFが高いこれらはボンボン命中させ、撃たれたイタリア中機関銃も迫撃砲もみな混乱してしまいます。唯一平地に進んで難を逃れたイタリア中機関銃1丁が反撃しますが、なんと故障。たった2門の軽迫撃砲に、イタリア正面部隊は完全に沈黙させられてしまいました。イタリアもう終わりか?
第5ターン、幸いイタリアの中機関銃は一発で直り、正面では道路に機関銃を1つづつ並べ、正面右の戦車の見える林には、対戦車ライフルを2つ押し出します。また左手の林からも別動隊がじわりロシア軍の森に接近します。そしてロシア軍は対戦車ライフル1門を混乱させますが、イタリアの攻撃は大規模な機関銃グループを含めて撃ちまくったにも関わらず、3回のモラルチェック(1MCが2回を含む)を全てクリアした奇跡のロシア分隊により食い止められます。いかん、イタリアもうだめだ。

第6ターン、イタリアはもう残った1門の対戦車ライフルに賭けるしかありませんが、さっきも石壁に弾かれています。イタリアの20ミリATRは重く、林に突撃するだけで、ちかれてダメになってしまうので、6以下の砲塔命中でしか当たらないのです。しかも当たったとしても5でやっと衝撃で、破壊するには4以下を出さないといけません。厳しい。でも撃つしかない。しかし?やった、今度は当たった。だがこれ効くのか?4!戦車倒したー!
イタリアは今までの不運を、ここで一気に逆転して吐き出しました。しかしまだイタリア勝ったわけではありません。これでようやく互角の勝負ができるようになっただけ。イタリアは機関銃で森のロシア軍を一つ混乱させ、半個分隊を先頭に森へ急接近します。ロシアはここで下がったらもう勝ち目はないと撃ち合いを選びますが、今度はイタリアの目の方が勝り、ロシア軍は崩れます。しかしロシアはコミサールを前線に送りこみ、建物にいた徴募兵も全て森に持ってきて、大勝負を挑みます。
第7ターン、コミサールはその能力で無事全員を回復させます。そして今度はロシアの番。射撃戦ではロシア軍が打ち勝ち、イタリア軍は僅かしか進めません。しかしターン後半の射撃戦、今度はイタリア軍が勝ち、コミサール共々ソ連軍は混乱して潰走します。
第8ターン、イタリアはソ連の前線部隊を混乱させ、ついに森の外縁に隣接します。ここでコミサールは部隊を再編できるのか?注目のサイは、12!コミサール死亡!なんてこと。しかしコミサールの後を継いだ平凡な指揮官が、驚いたことに全員回復させてしまいます。そしてソ連は勝利を目指し、最後の反転前進。
最終ターン、近くにいるイタリア軍は射撃し、一つまた一つとソ連軍を混乱させていきます。そして後ろで回復したイタリア部隊は、前進して前進射撃でさらなる混乱を狙い、残っているソ連軍はそれを撃って必死に粘ります。イタリアが移動を全て終えて、出口を撃てるソ連軍火力を数えてみると、16。ええっ?丁度足りるの?イタリアは慌てて撃てる部隊で前進射撃しますが、どれも効きません。
かくなる上は。イタリアは隣接した部隊を突撃させ白兵戦を挑みます。射撃能力を奪えば勝利条件に入らなくなるので、一発で倒されなければイタリアの勝ちです。白兵戦力は5対5。一撃で倒される可能性は低いはずですが。その前に不意打ちのチェック。ああっ、ソ連不意打ち。しまった。ソ連兵は離脱して前進し、勝利条件を達成しました。
「後ろの部隊で前面を塞いでおくべきだった。」
イタリア惜しかった。

最後まで全く互角のとても良い勝負でした。ただ実際はロシアの配置が非常に上手く、遠距離からの戦車と機関銃とATRだけで橋からの出口に16火力が撃て、これを倒すのが難しい形でした。もし今回イタリアのかなり低い確率の対戦車ライフルが効いていなければ、反撃ですぐイタリアATRは無力化され、イタリアはかなり厳しい状況になっていたでしょう。このシナリオはロシアが戦車を上手に配置すれば、戦力評価通りロシアの方が有利だと思います。
予想プレイ時間は、(29+1×3)×8.5÷60+1≒5.5時間で、実プレイ時間もそのくらいでした。
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