近すぎた橋
今日のASLはシナリオ3、ツェルニアクフ橋頭保。1944年にソ連がポーランドに築いた橋頭保に対し、ドイツが砲撃後に攻撃してきました。ドイツは10ターン終了時に、ソ連より多くの損害VPを稼いだ上で、一番奥のボード8に20火力分以上の兵力を置いていたら勝利します。
攻めるドイツ軍は9−2指揮官の一線級15個分隊。守るのはソ連軍15個分隊がドイツ軍と同じボードの対岸、ポーランドパルチザン12個分隊がドイツ軍から離れたボードと分けて置かれます。
ソ連分隊は、初期配置では1へクスに1分隊しか置けず、最初の回復終了時にいきなり全員モラルチェックさせられます。またパルチザンはモロトフ、静粛、地下道移動の能力があり、2個分隊を隠匿できますが、弾不足です。ボード8の建物は全て石造、それ以外の2へクス木造建物は瓦礫になります。
特別ルールや配置制限、突破勝利条件により、ソ連側は橋を守り切れないだけでなく、部隊を集中して守ることもできません。そのため戦力評価では、広い突破として攻撃側のドイツを1.5倍にしてみますが、それでもソ連側が18%の優勢で予想勝率9割となります。
しかし敵前で全員モラルチェックという過酷な特別ルールがあるので、本当にソ連がそんなに勝てるか分かりません。ちなみにROARではソ連側の勝率は53%となっています。
子供がドイツ、私がソ連です。
ソ連は中央を薄め、両脇を多めに、パルチザンは中央から右にかけて配置して左はダミー、隠匿配置は右端の橋の正面に9−1指揮官と分隊2機関銃2としました。
もちろんドイツは分散して攻めるなどありえず、全軍で右端の橋から攻め込みます。ドイツはまず機関銃部隊で無事なソ連軍を撃ち、その後半個分隊を突っ込ませていきます。ソ連軍は右から2番目の橋の前の部隊がほぼ無力化していたので、そちらに矛先を変えられないよう、いくらかドイツ軍を通らせてから、隠匿していたパルチザンで撃ち始めました。その結果ドイツは右端の建物を占領し、ソ連は2番目の建物を固めて混乱した部隊の救出を図ります。
第2ターン、ドイツ軍は右端を回ってその先の大きな建物に殺到しますが、パルチザンの弱い火力では止めきれません。さらにドイツ鬼スタックが右端の建物2階に上り、辺りを見渡せるようになります。
こうなるとソ連は援軍を持ってくるのも困難で、正面の僅かなパルチザンでは止めようがなく、投了しかありません。

右側は橋が2本あって守りにくいのは分かっていたので、ソ連は戦力を多めに置いたつもりでしたが、十分ではありませんでした。中央からこちらに戦力をもう少し移してもう一度やってみます。
ドイツ今度は左手で攻撃します。6個いたソ連分隊はまず半分が混乱し、準備射撃で2個混乱1個ピン。そして駆け込んだドイツ半個分隊たちはピンのソ連兵と混戦になり、こちらを止める戦力はあっさり消滅です。
しかしソ連兵とパルチザンが全速で駆けつければ、後方の建物群で十分止められるはず。ソ連はそう思っていました。けれどもドイツが第2ターンの前進を終えてみると。「あっ、まっすぐの道路の前に機関銃が!」
ここに機関銃を置かれてファイアレインを作られると、左右を分断されてソ連はドイツ軍の正面に部隊を持っていけません。「だめだ、止められない。」ソ連投了です。

このシナリオは戦力評価に反して攻撃側のドイツが有利に思えます。特別ルールや配置制限がこれだけ強力なシナリオだと、戦力評価では勝率を正しく予想しきれませんでした。今後はこのレベルの条件があるなら、容易条件の攻撃補正をつけていいと思います。
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