イタリア東アフリカ装甲集団
 
 今日のASLは、アニュアル‘92より、A39 Showdown at Tug Argan Pass、タグ・アルガン峠の対決。1940年のソマリアで、イタリア軍がイギリス植民地軍を叩き出すというシナリオ。相手が植民地軍とはいえ、イタリアが単独でイギリスに対して戦略レベルで勝った戦いがあったというのを、私は初めて知りました。勝利条件は、イギリス左手の大きな丘の尾根の過半数と、右手の小さな丘の頂上を、イタリアが8.5ターン終了時に支配していること。
 丘を守るイギリス・パンジャブ連隊は、2戦級13個分隊、対戦車ライフル2と、狐穴6、土塁8に、盤外80ミリ砲が付きます。そして攻めるイタリア東アフリカ装甲集団は、突撃工兵4個分隊、モラル7の一線級19.5個分隊と、車体機銃が主兵装の豆戦車2、火炎放射器豆戦車1、砲塔機銃と車体37ミリ砲搭載の小型戦車3に、盤外観測員による100ミリ砲が付きます。地形は砂漠地形ではなく、建物は木造に、ハマダと果樹園は岩場に、低木林は茂みになります。
 戦力評価をすると、イタリアが7%の優勢で予想勝率6割。アーカイヴでも同程度の勝率となっています。子供がイタリア、私がイギリスです。


 他のシナリオの感覚で言えばイタリアの戦車は非常に弱そうですが、防御側には対戦車ライフル2丁しかないこのシナリオでは、オーヴァーランもでき、火炎放射器付きも1両あるクローズドトップ6両はかなりの脅威です。イギリスは大きな丘の尾根を中心にしながら、ある程度分散させるオーソドックスな配置にしました。

 第1ターン、イタリア軍は横並びになって前進開始。中央の尾根にいるイギリスユニットを重機関銃と予想して(実際そう)、そこから15へクス離れた所までで移動を止めます。戦車は大きな丘の両脇に向けて最大前進。これに対するイギリスの射撃や盤外砲は全く効かず、半個分隊で戦車に白兵戦を掛けてみますが、それも効果なし。戦っても勝ち目の無い右の小丘のイギリス軽機関銃分隊は、中央に向けて退却します。
 第2ターン、前進を続けるイタリア軍。今度はイギリスの攪乱砲撃が効いて、結構な数のイタリア軍が混乱します。さらにイギリスターンには、盤外砲の再攻撃こそ赤を引いて蹴られたものの、重機関銃が当たりまくってイタリア3.5個分隊が除去され、さらに火炎放射器戦車も対戦車ライフルに撃たれて衝撃。イギリス第1ターンの不運を取り戻します。しかしイタリアはその後ふわふわ煙幕で重機関銃を覆ってしまい、イギリスは次の防御が難しくなります。


 第3ターン、無事黒カードを引いたイタリア砲兵は、真ん中の小尾根にいるイギリス重機関銃と対戦車ライフルに砲撃を加え、これらを無力化します。そしてこの機にイタリア戦車は大丘の両脇から登り始めます。ターン後半、イギリス対戦車ライフルは、火炎放射器戦車を今度は走行不能にし、実質これを無力化します。しかし左手から登って来た他のイタリア戦車は前面装甲が3あって、対戦車ライフルでは止めようがありません。ただイギリスの砲撃や歩兵射撃は、この間にもイタリア歩兵に損害を与え続けています。
 第4ターン、イタリア戦車は尾根の両脇を制圧します。そしてターン後半にはちょうど良い位置に落ちたイタリア盤外砲が、尾根の中央のイギリス軍を混乱させます。さらに隣接した戦車に撃たれた対戦車ライフルも混乱。イギリス軍は両脇から見られているので、退却方向が手前しかなく、そちらが崖だった対戦車ライフル分隊は除去されてしまいます。大混乱を受けて戦車に対抗する手段も無くなり、イギリスは投了です。



 イギリスはイタリア歩兵をどんどん倒していきましたが、戦車を止められずあっさり負けてしまいました。100ミリ盤外砲は塹壕、土塁で守ってもなお強力なので、イギリスはもっと広く分散配置し、盤外砲では戦車を狙うべきだったのかもしれません。



 
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