マニラ戦コンプリート
ずっとやって来たSword & Fire: Manilaですが、今回最後のシナリオSF25 A Change in the Government 政権交代 をやって、ついに全シナリオをプレイし終えました。マニラに残った最後の日本拠点である3つの大型政府建物への攻撃です。アメリカは10.5ターンの終了時に、40CVP以上を稼ぎ、かつ3つの内2つの政府建物を支配していたら勝利です。林は季節外の果樹園になります。
守る日本は、28個分隊と10−2指揮官に、火炎放射器1、爆薬5、AP地雷30、AT地雷6、120L対空砲1門、25LL(12)対空砲2門、20L(4)対空砲2門、トーチカ4、ロードブロック2、鉄条網8、塹壕8です。
そして攻めるアメリカは、まず西にエリート10個分隊と9−2指揮官、火炎放射器1、爆薬2、80ミリ盤外砲無線機1、75ミリシャーマン3両、ハーフトラック3台。また北には一線級9個分隊、火炎放射器2、爆薬2、76L駆逐戦車2両、155ミリ野砲2門、81*迫撃砲1門を初期配置します。そして第4ターンには東から、一線級2個分隊と爆薬1、75ミリシャーマン3両(内1両は火炎放射器搭載)が、第6ターンには南から、エリート4.5個分隊、爆薬2、105ミリシャーマン1両、75ミリシャーマン1両、37LL装甲車1両が来ます。
アメリカは最後の総攻撃だけあって結構な戦力がありますが、日本が2つの建物をうまく繋いで陣地化すれば、また安全な後背地を持つ密集建物群となって、高火力市街戦無効の戦力1.2倍計算にできる可能性があります。もしそうなるとアメリカの予想勝率はマイナス28%で勝ち目はありません。しかも日本軍が地下室に籠ったら、40CVPも倒しようが無いし、建物は落としようが無いでしょう。
そこで地下室だけ無しにして、戦力は分からない部分もあるのでそのままやります。子供が日本、私がアメリカです。
日本は155ミリ砲を避け、一番手前の建物を空けてきました。砲を有効に使えないアメリカは、せめて機関銃を統合して火力を上げないと、どうにもなりません。そこで第1ターン、西の機関銃はハーフトラックに載せて北の機関銃の所に持って行き、他の部隊は前進します。
第2ターン、アメリカ軍はさらに進み、機関銃を統合しました。日本軍は放火に連続して失敗し、それ以外は建物を固めて静か。
第3ターン、アメリカ軍前衛は手前の建物内に布陣し、機関銃部隊は前進準備。日本はやっと放火に成功しました。
第4ターン、アメリカ火炎放射器戦車到着に合わせて、アメリカ前衛はウミガメ戦術で日本建物に迫ります。アメリカ機関銃も拠点建物に到着しました。戦闘はやはり小競り合い程度。

第5ターン、アメリカは日本の建物前面に並ぶエリート半個分隊を削り、歩兵を建物に隣接させます。そしてアメリカ36、32、30火力の強力な機関銃3スタックが、ついに日本軍の目の前に姿を現しました。しかし日本も怯まずに突撃で後詰を出して、建物前面を埋めてきます。この対決はどうなるのか?
第6ターン、アメリカは強力な機関銃や火炎放射器を含む火力で猛射を加えます。しかしこれだけ撃っても、エリート半個分隊を2個ほど除去する程度。
ここからアメリカ軍が建物へ無理に突っ込んでも多分地雷があるだろうし、中の大きなスタックから射撃、爆薬、火炎放射器、白兵戦で強力な反撃を受けて、混乱した部隊は逃げる時にまた地雷攻撃を食らうだろうし。じゃあ戦車で建物に突っ込んで轍を作っても、それを通ると移動力倍になるので、突撃でCXになってしまう。これで今行くのは無理だから、ひとまず両翼を囲みに行ってみよう。
すると脇に鬼スタック隠匿されてました。機関銃6丁、素で36火力−2。散布射撃で歩兵2ヘクス壊滅、戦車2両がスタンとスタンリコール。うーん。
第7ターンも準備射撃で撃ってみましたが、やはり半個分隊を2、3個除去するのが関の山。火事と120L砲があって、脇に回り込むのももちろん無理。後ろから入ってきた増援部隊も少なすぎて、何しに来たの?って感じ。あとたった4ターンでは、40CVPも建物占領も夢のまた夢です。やっぱり2つの建物は完全に結びついて安全な後背地になっていて、アメリカは勝率マイナス28%で全く勝ち目が無い。投了。

Sword & Fire全シナリオを終えて、もちろん他のシナリオ集同様極端にバランスの悪いシナリオもありましたが、それであってもどのシナリオも、とにかく予想のつかない斬新な展開・結果の連続でした。日本が適切な布陣をすると、ヨーロッパなら簡単に破れるような高火力でアメリカが攻めても、全然歯が立たないようなことが何度もありました。結果的にバランスが悪かったとしても、やってみないと(時には複数回)、バランスがどうなのか、何がそんなに普通と違うのか、分からないこともしょっちょうありました。
Sword & Fireは、ASLの新しい世界への扉を開く、大傑作と言って良いでしょう。ただしもちろん、その本当の景色を見ることができるのは、集中決戦戦術を悟った竜派に限られ、バラバラに守りバラバラに攻めている人たちには、決してたどり着けない世界です。
最後にSword & Fireでの日本軍特有の戦力評価ルールをまとめます。
・Sword & Fireにおいては、高火力市街戦を2倍ではなく1.5倍にする。(SF5,9,16,17,23)
・Sword & Fireにおいて、周りを全て障害物に囲まれた場所のある建物群で守る防御側や、全へクスに階段がある(つまり地下室がある)3ヘクス石造建物で守る防御側は、高火力市街戦を打ち消した上、質を+0.2する。(SF4,10,15,18,21,25)
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