火竜が荒ぶる街
 
 今日のASLは、J22のOh Joy!。ソ連は増援にヴォルガ河を渡らせるための時間稼ぎをしたかったが、予備兵力が無かった。しかし運良く前線から3両の戦車を回収できたので、負傷兵をかき集めて攻撃に向かわせた。全然ジョイじゃないが。ソ連は6ターンの終了時、20以上かつドイツより10以上多い損害ポイントを稼ぎ、同時に1か所以上の塹壕を支配していたら勝利です。ソ連は支配している塹壕についても1つにつき3損害ポイントを得ます。またレッドバリケードのルールが適用されます。
 攻めるソ連は、前線にエリート1個と徴募兵3個分隊。後方にエリート1個、一線級3個分隊と10−3指揮官に、爆薬1、火炎放射器戦車OT−34が1両、45LのT−70が2両です。一線級は負傷兵のため、一切増やせない3移動力しかなく、運搬力は2で、白兵戦では攻防に不利な修正を受けます。
 一方守るドイツは、9個分隊と爆薬1、対人地雷12(交換不可)、対車地雷1、塹壕3、50ミリの3号戦車1両、75*の4号戦車2両、37Lのハーフトラック1台です。歩兵は配置後に、盤外砲に対するTEMをマイナス修正としたモラルチェックをしなければなりません。

 今までの戦力評価方法だと、このシナリオは防御側のドイツが必勝に見えます。しかし市街戦では火炎放射器戦車がかなり強くなると思われます。特に今回のOT−34は、ドイツに正面装甲を貫き得る兵器が無いので安心して前進でき、しかも射程が2なので街路戦闘の心配なく全力で火を噴けるので、尋常では無い強さとなりそうです。そのため戦力は調整せずにやってみます。
 ただ火炎放射器がどれだけ故障せずに撃てるかの影響があまりに大きいので、最初の2回は故障無し、3回目は10以上、4回目以降は9以上で故障することにしました。子供がソ連、私がドイツです。


 ドイツは配置を考えますが、どこに置いても高速の火炎放射器戦車がやってくるので、スタックして置くのは無謀そうです。そこで範囲全体に散らして配置します。
 ソ連は中機関銃を射撃待機させると、奥まで道路が繋がっている所を中心に前進します。ドイツは歩兵を載せた戦車に対しファイアレインの縦射で迎え撃ちましたが、効果は無く軽機関銃が故障しただけ。さらにソ連歩兵も前線に隣接してきて、ドイツは射撃で1個分隊を混乱させました。しかしOT−34の火炎放射と、やってきた10−3に指揮された中機関銃により、たちまちドイツ2個分隊が混乱し、内1個は損耗。一方白兵戦では地雷でピンになったコミサールと負傷分隊が、ドイツ半個分隊に3を出されて消滅しました。
 ターン後半、事前MCの分も含めて、ドイツの回復は全て失敗。火炎放射器戦車に見られたら死ぬだけなので、前線のドイツ兵は全て後退します。

 第2ターン、OT−34が再び前進を始めると、そこにはAT地雷が。幸い被害は免れたので、一旦止まって目の前の戦車らしきものを撃ちます。戦車に対する火炎放射は、隠蔽も妨害も関係ないのでとてつもなく強力ですが、今回は効きませんでした。その後OT−34は後退します。
 続いてソ連は10−3指揮官と分隊を、討ち漏らした戦車っぽいものに向けて送り込みました。そしてそこにいた4号戦車を見事破壊したばかりか、浸透でさらに奥に進んで、後ろに隠れていた塹壕を発見します。そして他の歩兵も内部に食い込みますが、途中で徴募兵が1個お亡くなりに。

 2ターン後半、中央に進んで来たソ連兵に対し、OT−34に撃たれるのも覚悟でドイツは3ヘクスから24火力射撃!しかしソ連兵はピンで耐える。それなら爆薬待ち伏せ配置!これもピンで止められた。なんだこいつら。
 結局ソ連の防御射撃で、ドイツは一方的に2個分隊が損耗混乱させられただけ。ドイツ負けたんじゃないか?こうなったらドイツは白兵戦に賭けるしかない。両者2個分隊と指揮官同士の戦いで、ソ連は忍びやかだがピン、ドイツは隠蔽。そしてドイツは不意打ちこそ取れなかったものの、一方的にソ連9−1指揮官とエリート分隊を倒し、残ったのは白兵戦に弱い負傷分隊だけ。これでドイツまだ行けるぞ。


 第3ターン、地雷原を切り開いたT−70は次のドイツ戦車風味のものに隣接し、OT−34がそれに続きます。そして現れたのは3号戦車で、これがT−70を仕留めたものの、すぐOT−34によって焼き払われました。さらにもう1両のT−70が単独移動に成功し、一番前の塹壕を踏んでドイツ中機関銃の射撃を止め、そこに10−3指揮官と2個分隊が近づいていきます。
 そしてこのT−70の前進により、損耗した残りのドイツ半個分隊2個は、退路が無くなって除去。また混戦の所は、半個分隊と引き換えに残りのソ連負傷分隊が倒されました。

 3ターン後半、ドイツは白兵戦で奪ったソ連中機関銃を使い、混乱していたソ連兵を損耗させます。そして塹壕に並んだ歩兵で10−3指揮官のスタックを撃ってみると、10−3がピンになり1個分隊が混乱。そこで4号戦車もさらにこれを撃ち、残りの分隊も混乱させるのに成功しました。このチャンスにドイツはそこへ爆薬を配置し、隣の燃える車両の所に半個分隊を送って退路を断ちます。
 OT−34は機動中にもかかわらず半個分隊を撃ってみましたが効かず、素人爆薬は不発だったものの、混乱した2個分隊は潰走不能で除去。そしてドイツ半個分隊は白兵戦で取り残されたソ連10−3指揮官を倒し、さらにドイツ7−0指揮官が加勢に入った対戦車白兵戦でも、T−70が走行不能となりました。

 第4ターン、OT−34はオーヴァーランで半個分隊を混乱させ、さらに火炎放射器でT−70の所の分隊も混乱させます。しかしソ連の歩兵は残り少なく、ここからOT−34だけでなんとかできるのか?
 という所で4号がT−70を撃ったら、致命的命中で撃破。これで1両残されたOT−34は移動に判定チェックが必要になり、ソ連にはもう7−0と負傷したコミサールと負傷兵と徴募兵1個ずつしか歩兵が残っていません。これではもうVPと塹壕支配の片方すら満たせないので、ソ連の負けとなりました。

(右下にいるのはお互いダミー)

 やはり市街地でのOT−34の威力はとてつもなく強力で、ドイツ歩兵は分散せざるを得ず、それにより普通だったらまず無理な弱体ソ連兵による攻撃が可能になりました。これは高火力市街戦の高火力スタックの働きに似ているので、市街戦では火炎放射器戦車も以下のように扱うことにしてみます。
・火炎射程が2へクスのもの、どの敵兵器でも正面から倒され得ないもの 1両につき高火力スタック1個相当(両方満たすものは2個相当)
・それ以外のもの 2両で高火力スタック1個相当
 これと歩兵32火力の高火力スタックを合わせて、防御側より2個以上多ければ、高火力市街戦として歩兵数を2倍とします。今回のシナリオに当てはめると、ドイツは2%の優勢で良い勝負ということになります。2つ目の条件に当たる別の例でもこれで評価して適切でしたが、例が1つずつだけではこの評価方法が正しいとは言い切れないので、今後変わることがあるかもしれません。

 
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