当たらなければどうということはない
 
 今日のASLは、J215 Expendable allies 使い捨ての同盟国。今やソ連に下ったポーランドは、ドイツに侵攻しバウツェンを包囲攻撃していた。ドイツはこれに対し最後の大規模反撃を開始した。ドイツは3ターンの終了時に、3つの離れた建物(4aG11,59W8,71G4)の内1つ以上を支配し、かつポーランドより多くの損害ポイントを稼いでいれば勝利。または7.5ターンの終了時、上記3つの建物を全て支配し、ポーランドの稼いだ損害ポイントが55以下であっても勝利です。ボード71の建物は地上レベルだけで、4aG11は工場です。
 守るポーランドの初期配置は、士気の上がらないコミサールと一線級13個分隊、爆薬1、ISU122が2両、T-34/85が2両。第4ターンには、一線級3個分隊と2両のIS-2が西から入って来ます。ポーランド軍は若干の例外を除いてソ連軍とみなし、戦車3両を未熟操作班に指定します。
 そしてこれを攻めるドイツは、一線級9個二線級4個分隊とパンター2両、4号戦車3両、75*榴弾ハーフトラック1台、輸送ハーフトラック3台が、第1ターンに東から侵入。第2ターンには、一線級2個二線級3個分隊と4号駆逐戦車1両、3号突撃砲2両が、ボード59の北から入って来ます。
 戦力評価はポーランド10%優勢で予想勝率8割です。ドイツにバランスを適用して4号戦車か3号突撃砲を1両増やしますが、それでもポーランドは8%優勢の予想勝率7割5分です。しかしアーカイヴでは逆にドイツが7割5分勝っており、日本でもプレイされているのをよく見かけるので、他の方の参考のためにもこのままやってみます。
 子供がポーランド、私がドイツです。


 当然ポーランド軍は一番奥の町に集中配置。我が家でこれを違えることはありえません。
 もしかすると3ターンの勝利条件を見て、前の二つの町を必ず守らなければならないと思った人がいるかもしれませんが、1VPも取れなければドイツの早期勝利は無いので、そこに置く必要はありません。いろいろな対戦例を見ても、皆ポーランド軍を前に置いているので、アーカイヴでドイツが優勢なのはそれが原因かもしれません。

 第1ターン、侵入したドイツ軍は歩兵を東の町に進ませす。戦車は、ポーランド戦車ががっちり待ち受けていそうな正面攻撃を避け、西に進ませました。
 第2ターン、戦車は増援と合流してポーランド軍の守る町に進み、パンター2両が石壁に入って対峙します。もっともポーランドのダミー戦車は5つもあり、こんな都合の良い所に本物はいそうにありませんが。このターン、ポーランドは撃って来ず、ドイツの射撃は当たりませんでした。

(下が北)

 第3ターン、他の戦車も参加してドイツ軍は撃ちますが、全然当たらず。この守り方をされると、かなり運が良くなければ3ターンには勝てません。
 第4ターン、ドイツはやっと戦車1つに当てましたがやっぱりダミー。歩兵にも撃っていますが当たりません。そして後半にはIS-2がやって来て、前進射撃で4号戦車が1両炎上。この戦車強すぎて、ドイツ軍の手に負える相手ではない。
 第5ターン、ここに来てドイツの射撃が当たりまくり、前面のポーランド歩兵スタック2つがボロボロになりました。しかしIS-2から逃げようとした4号戦車は、また1両が炎上します。この隙にパンツァーシュレックでIS-2を倒そうと、ドイツ分隊が向かって行きましたが、脇からポーランド分隊に撃たれてあっさり混乱。
 ターン後半にはパンターがようやく正面のダミー戦車を消しました。そしてポーランドは前面を薄くして後方にスタックを積み上げ、IS-2が回り込んでドイツ戦車に狙いをつけます。


 第6ターン、ドイツ戦車が煙幕を撃って、それに隠れたドイツ歩兵は勝利条件建物の一角を占領します。しかしそれと引き換えにドイツ戦車2両がIS-2によって倒され、1両は故障しました。
 ターン後半、ポーランドは侵入してきたドイツ兵に爆薬で反撃。ドイツ軍は自ら撒いた煙幕に遮られてこれを止められず撃退されました。煙幕白兵戦にカウンターを食らわせられるのは、防御側待ち伏せ爆薬の強みです。そしてドイツ戦車を十分倒したIS-2は、最後の建物の守りに就きました。

 第7ターン、ドイツはかなり厳しそうなので、破れかぶれの総攻撃。パンターと歩兵がアーマーアサルトし、パンターは建物に突っ込んでISU-122と一騎討ちしようとしますが、歩兵は全員混乱とピン、パンターは地下室に落下。ダメです。他の歩兵は勝利条件建物に突撃し、右を再占領、左は混戦となりますが、もうほぼ可能性はありません。その後ポーランドは、最後の勝利条件ヘクスを完全に取り囲んでしまいました。
 最終ターン、ドイツは最後のへクスに隣接するポーランド兵をなんとか除去し、そこに歩兵を送り込んだものの、鬼スタックや隣接122ミリ砲の射撃になど耐えられる訳ありません。全員混乱してドイツの負けです。



 やはりASLは(他のウォーゲームもそうですが)作戦が大事で、戦力の優勢な方が勝利条件を理解して正しい作戦を取れば、たいてい順当に勝つということです。

 
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