戦力を集中するとは思わなかったのかね?
今日のASLはU45のライン橋頭保。1945年3月、ライン河を渡って近くの町を占領したイギリス軍がドイツの反撃で包囲され、DD戦車を含む軍がそれを救援に向かいます。イギリスは包囲された町のある奥のボードで、10ターンの終わりに18個以上の建物を支配していたら勝利。ただしドイツが河沿いのボードの建物を支配していると、その数だけイギリスの支配数を減らされます。
包囲されているイギリス軍は9個分隊。包囲しているドイツ軍は18個分隊と100ミリ盤外砲1、76ミリ長砲身対戦車砲1門、75ミリ短砲身歩兵砲2門、ハーフトラック1台。イギリス救援軍は河を渡ったばかりの所に16個分隊と、シャーマンDDがこれから河を渡る所です。配置もこの順に行います。
アーカイヴでは対戦例が少なく1勝1敗、私の戦力評価ではドイツを防御側として11%の優勢で、ドイツ予想勝率8割です。(今回から少し修正した評価・データにより、予想勝率が変わりました。)しかしこのシナリオ、なんか変な気がするんですが?子供がドイツ、私がイギリスです。
ドイツはほぼ全軍でイギリス軍の町を囲んで撃つ配置。川岸の丘の村は放置です。丘の村など無くとも、町のイギリス軍を囲んで全滅させて一帯を守ればいいのだから、当然そうなります。無駄に戦力を分散させる意味はありません。
第1ターン、ドイツは3門の砲を含めてほぼ3倍の戦力でイギリス軍の村を攻撃します。イギリス軍は先攻で先撃ちできるものの、ドイツ側にだけ一方的に隠蔽があり、イギリスには安全な後方地域も無いので、全く耐えようがありません。2つのプレイヤーターンで撃たれたイギリス軍はすでにぼろぼろで、次のターンにはまず壊滅でしょう。
イギリス救援軍も急いで駆けつけようとしましたが、歩兵がたどり着くのは第4ターン、河をエンヤコラ渡らなければならない戦車は6、7ターンころになるでしょう。どう考えても町のイギリス軍は一方的に全滅し、イギリス救援(しようとしていた)軍は、防御態勢ができあがり戦力に優って100ミリ盤外砲まであるドイツ軍を攻めさせられることになります。
このシナリオはイギリス10割方負けです。ドイツが川岸の村からイギリス軍の町まで意味の無い戦線を引いて、戦力不足でイギリス軍の町を攻められないなんてことをしない限り、2つに分断され各個撃破されるイギリスが勝つのは無理です。シナリオデザイナーは、ドイツが戦力を集中するとは思わなかったのでしょうか?

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