ブルガリアにSSが倒せると思って?
 
 今日のASLは、Le Franc TireurのFT06 バルカンメドレー。ユーゴスラビアのドイツ軍は、東欧諸国の寝返りによって、ブルガリア軍、ユーゴスラビアパルチザン、ソ連軍の混成部隊による苛烈な包囲攻撃を受け、撤退を余儀なくされていた。ドイツは7ターンの(恐らく)終了時に、連合軍より多くのVPを稼いでいたら勝利です。VPは通常の損害に加え、ドイツ軍は南西から脱出すると2倍の脱出VPが入ります。
 ドイツ軍は中央南側に二線級中心の7個分隊と爆薬1、イタリアの75*野砲1門、47ミリ対戦車砲1門。そして中央北側の町には、SS8個分隊と75L対戦車砲1門、81*迫撃砲1門、20L対空砲3門です。SS以外はイタリアの兵器を捕獲ペナルティ無しで使えます。
 そして連合軍は南の丘にパルチザン5.5個分隊を初期配置。またブルガリア軍15個分隊は、町に近い北側に配置するか、第1ターンに北東から侵入させます。そして第2ターンには東からブルガリア軍4個分隊、第3ターンには南東からパルチザン3個分隊、第5ターンには北からソ連エリート歩兵2個分隊と、43年型T−34が2両入ってきます。ブルガリア軍には盤外観測員による町の方しか撃てない70ミリ盤外砲があり、イタリアの兵器は捕獲ペナルティ無しで使えます。
 ドイツ側の作戦にもよりますが、ドイツ軍は多分パルチザンを破って脱出しつつ、町では守ることになるでしょう。そこで攻防不明として防御修正無しで計算すると、ドイツが7%の優勢で予想勝率7割となります。この特殊な状況がバランスにどう影響するのか分からないので、戦力は調整せずにやります。
 子供がドイツ、私が東側連合軍です。


 ドイツ軍は南寄りの配置となっていますが、木造建物2階に鬼スタックらしきものがあります。ここは東側の入り口を広く見渡せる位置で、こうされるとブルガリア軍が北東から侵入するのは危険なので、全軍北側に初期配置します。
 第1ターンはドイツの動きが分からないので、連合軍は隠蔽を維持して配置を整えるだけ。するとドイツは鬼スタックの所だけを残し、イタリア砲で煙幕を撃って、南側の部隊を丘に向かって一斉に進めました。
 第2ターン、ブルガリア軍は空いている町の中心部を占領し、パルチザンは丘に並んで防衛態勢を整えます。するとドイツは迫撃砲を出し、煙幕の連射でパルチザンを覆い隠して、ドイツ歩兵が一気に丘に迫りました。これはパルチザンまずい感じ。

 第3ターン、ブルガリア軍はドイツ軍に近づいていきますが、たった4個分隊とは言え機関銃を持ったSSの火力は強力なので、慎重に進まざるを得ません。そして南のドイツ軍は、煙を避けて出て来たパルチザンを撃ち、2個分隊を混乱させます。
 第4ターン、鬼スタックを含むブルガリア軍はSSを撃ちましたが、全く損害を与えられなかったばかりか、ブルガリア側の方が混乱を食らいます。SSなんという強さだ。そしてドイツ軍はさらに迫撃砲の煙幕が連続し、煙幕白兵戦によってパルチザンの丘戦線は脆くも崩れてしまいました。そしてブルガリアの盤外砲は、強靭なSSには効果無し。ドイツはかなり優勢です。
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(下が東)

 ところが第5ターン、今度は盤外砲が利いて、SS鬼スタックは混乱損耗が続出。ブルガリア軍はSSの前面に戦力を押し出し、増援のソ連軍も見えるところまで進んで勝負に出ます。さらにパルチザンの反撃も、ドイツ軍にかなり損害を与えました。
 しかしここでSSは一発回復した上さらなる盤外砲にも耐え、パルチザンはさらに混乱させられます。

 しかし第6ターンには再び盤外砲が利いてSS守備隊は一部が混乱したので、ブルガリア軍は鬼スタックを前に出して対決に賭けます。さらにソ連はT−34を建物裏手に回り込ませ、この勝負を有利にしようともくろみましたが、突っ込んだ盤外砲に耐えられず衝撃になってしまいました。パルチザンも最後の部隊が混乱し、勝負はついた感じ。ドイツはここまで来たらリスクを避け、無事だったSS守備隊も皆自己混乱させて後退させます。
 ターン後半には隠れていた対戦車砲が、衝撃に苦しんでいたT−34を致命的命中で炎上させ、南では混乱したパルチザンの退路を断って全滅させました。これでドイツ軍は脱出のVP獲得も確実になって勝利です。


 結構あちこちでSSを除去したものの、やはりブルガリア軍はSSと質の差があり過ぎて攻め切れませんでしたし、大量の煙幕とドイツ軍相手では丘の上とは言えパルチザンでは止めきれませんでした。それでももしドイツの煙幕がこんなに続いていなければ、パルチザンももっと戦えていたはずなので、ドイツの予想勝率は7割でだいたい良いようです。

 
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