業火に吹かれて
 
 今日はデラックスASLの9でPreparing the Way、道を開くという意味でしょう。1944年、ソ連に対するドイツの反撃です。10ターン半でドイツが50点以上突破させると勝ちです。これにはそのままの点数が入る盤端以外に、半分の点数がもらえる途中脱出路もあります。
 ドイツの戦力は大半が一線級の21個分隊とパンター6両、105ミリ盤外砲。ソ連は10個の6−2−8と14個の4−4−7にT-34/85が3両、57LLと45LLの対戦車砲が各2門ずつ。中ほどにある3へクス建物以外に3階建て建物は無く、建物は全て木造で、アパートは隣とも移動可能になっています。子供がソ連、私がドイツです。


 ドイツの必要な50点はパンター6両と戦車指揮官だけで足りますが、戦車は移動不能になるだけで点数にならなくなるので、ドイツは歩兵を先行させて戦車の損害を抑える方針にしました。ソ連は手前から奥まで兵力を散在させています。

 第1ターン、ソ連軍の前衛を狙うはずだったドイツ主火力部隊のLOSが通っていなかったことが判明。がっくりするドイツでしたが、副火力部隊の機関銃が良く当たってソ連軍前衛は混乱し、ドイツ軍は最大6へクス前進する順調な滑り出し。危険になったソ連軍第二線は、慌てて後退します。
 第2ターン、ドイツ軍はさらに前進して大きな建物を占領し終わり、ソ連は損害を出してマップ半分をもう明け渡します。第3ターンになって、ソ連が唯一の3階建てを含む中央の建物地域で防衛態勢をとっているので、ドイツも無理な前進をせず、前面に出て攻撃態勢を整えます。
 第4ターン、ドイツ軍は盤外砲を要請し、無事未確認の敵を撃つ許可も下りて、ソ連の建物に砲撃を開始します。これによりソ連軍の守りは崩れ、ドイツ軍は建物列への隣接に成功します。砲撃が始まってはもはや持ちこたえることはできないので、ソ連はここも明け渡して後退します。しかしこの砲撃で茂みと果樹園が燃え始めます。今は乾燥した夏。これはもしかして。


 第5ターン、ドイツ軍は中央の建物列を占領し、3階建て建物に展開して順調と思った矢先・・。遠く見える建物から閃光が!「うっ、ここ射線通るのか!」ソ連の重機関銃フルスタックに加え、建物に埋め込んだT34の攻撃で、中機関銃2個分隊の内1個が消滅。幸い耐えきったもう1個分隊は、機関銃を2個とも持って後退します。
 そしてソ連は、中央のブロックで生き残った部隊を最後のブロックに後退させると、最終防衛ラインを整えます。このラインには、道路沿いに3か所でT34が建物に埋め込まれており、居並ぶ建物に隠蔽された歩兵が戦列を作って待機しています。ドイツ軍が対することのできる正面には建物もありますが、所々に完全設置の爆薬で封鎖されて、ソ連の防備は万全です。
 第6ターン、要塞地帯と化したソ連軍中央を正面から崩すのは無理そうです。そこでドイツはまず中央左翼で、3階建て建物から左端に残るソ連軍を撃ち、右翼では道路を挟んだ右端に部隊を渡らせて、ソ連左翼を崩そうとします。さらにドイツは建物ぎりぎりに寄せたパンターでさっきのT34を撃とうとしましたが、射線が通らずだめ。さらにその付近に砲撃を要請しようとして位置に着いた無線機所有の指揮官が、なんと狙撃兵に撃たれて死亡してしまいます。これではもうソ連右側の強力スタックは崩せそうにありません。

 第7ターン、中央では大火事がかなり広がっており、もうこの一帯で撃ち合いを続けるのは無理で、ドイツは左右の端で無理矢理突破するしかないようです。ここでドイツ軍右翼では、遠くから地域目標で怪しい建物を狙っていたパンターが遂に命中させ、隠れていた対戦車砲操作班を混乱させます。ただ右翼にはまだT34が守っており、すぐには通り抜けられません。一方左翼では最後のソ連歩兵を駆逐したので、T34に撃たれないよう涸れ谷に隠れてパンターを進ませます。
 第8ターン、取り残されたソ連分隊をオーヴァーランしながら涸れ谷を進むパンター。こんな所は狙われていないと信じたいが。ヴォウン!やっぱいたか、対戦車砲。側面を撃たれてパンターは残骸に。ドイツ軍はこれを倒すため機関銃部隊を前進させます。
 一方ドイツ軍右翼では、もう火事で中央にはいられなくなったので、全軍が道を渡って最右翼に移ります。そして一分隊ずつ、完全設置の爆薬の脇を走り抜けて、T34の隣まで進みます。しかし隠匿配置のソ連軍も出てきて撃たれ、二個ともピンになって、戦車への白兵戦はできません。ですがここでドイツ軍は満を持してパンターを前進させ建物の隙間からT34の脇に隣接させます。砲塔を回しAPCR弾で応戦するT34。結果は衝撃の可能性。チェックの結果は9。衝撃。と思いきやこれは指揮官が乗っており耐える。よーし次はこちらの番。9−2指揮のパンターの威力見せてやる!12、故障。だらー。
 このチャンスになんてこと。しかしT34の追加射撃は当たらず、この付近のソ連軍はあらかた撃ち尽くしたので、今度はドイツエリート分隊が爆薬を持ってT34に向かい、無事設置に成功。そしてさらに、対戦車砲の操作班が戻って来ない内にと、パンター2両がもう撃ち尽くしたT34の脇を通り抜けようとします。ここで現れたソ連対戦車砲。と言っても正面からのなので破壊は不可能で、移動不能を狙いますが、可能性は3以下の車体命中のみ。まず当たるわけが、、3、車体命中!うひょー。
 その後爆薬はうまくT34を破壊したものの、ドイツは2両目のパンターを止められ非常に厳しい状況。戦車が全て突破したとしても、歩兵をあと16点分も脱出させなければなりません。


 第9ターン、最左翼のドイツ歩兵6個分隊は涸れ谷に降りて、最後の前進を開始します。パンターがもう1両抜けていれば、これが途中の道で脱出して半分の点数でも勝てましたが、今の状態では全てが最後まで突破しなければなりません。果たしてそんなに通してもらえるのか?全力で走るドイツ兵。でもやっぱり隠れてたビルの2階。軽機関銃とサブマシンガンで頭の上から銃弾が降り注ぎます。さいの目は、2。4KIA!9−2指揮官ごと1スタックが全滅です。所詮は無謀な賭けでした。こうなったらもう右翼でも歩兵を走らせてみますが、抜けられたのは1個分隊のみ。その後ソ連軍が涸れ谷の前に回りこんできて前進を妨害に来ます。終わりです。ドイツ負けました。


 ソ連の防御陣地が非常にうまく、戦車と対戦車砲が相互支援していて、パンターで近づいてT34を狙おうとすると必ず側面を撃たれ、正面から歩兵が近づくと、85ミリ戦車砲や機関銃の射撃がきつく簡単には倒せません。かと言って脇をすり抜けようとしても、隠匿配置で二重に狙われていてやはり簡単には抜けられません。これはソ連の作戦勝ちです。たとえもしパンターがもう1両抜けられていたとしても、途中の出口は重機関銃、T34、対戦車砲に狙われていたので、ドイツが勝つ可能性はかなり低かったでしょう。
 プレイ予想時間は(49+9×3)×10.5÷60+1=14.3時間。実際のプレイ時間は、ソ連のセットアップを除いて9ターンまででそれくらいでした。やはり最近は長めです。
 
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