ロシア人、国境の町に手こずる
今日のASLはA16国境線にて。ソ・フィン戦争が始まり、ソ連が国境を越えて攻め込んできた時、近くの町ではフィンランドの騎兵隊が隊長の誕生日を祝っていました。彼らは大砲の音を聞くと、すぐさま馬を駆り国境警備隊の救援に駆けつけます。ソ連は12ターンの終了時に、石造建物を4つ以上支配していたら勝利です。積雪があるので装甲車の移動が遅くなり、丘は森に変わります。
重機関銃を持つフィンランドの国境警備隊は、国境に近い石造建物付近に2個分隊が隠匿配置。そして少し離れた町にフィンランド騎兵隊10個分隊がいます。
ソ連は26個分隊と機関銃重2中2、軽迫撃砲2に、45L砲を積んだBA6装甲車2台。それと2つの100ミリ盤外砲がありますが、国境に近い所しか撃てず、実質攻撃力はありません。
子供がフィンランド、私がソ連です。
ソ連は圧倒的な兵力があるので、町で普通に戦ったらフィンランドに勝ち目は無いでしょう。ここで戦力評価の考え方から逆に考えてみると、平地を攻める攻撃側は強さが減じられるので、フィンランドは森に囲まれた町ではなく、外縁の森で平地をやって来るソ連軍を待ち受ける方が良さそうです。その場合2つのソ連軽迫撃砲に森で撃たれ続けることになるので、フィンランド軍は折を見て町に下がることになるでしょう。
これを基にして戦力評価をすると、攻撃側のソ連は戦車優勢のある平地攻めで0.75倍となり、盤外砲は制限により森も町も撃てないので計算から外すと、ソ連が8%の優勢で予想勝率6割となります。ROARでもソ連の勝率が52%なので、バランスはおおむね良さそうです。
先番のフィンランドは、国境警備隊を全力で後退させ、騎兵隊をギャロップで前進させて、森で戦力を統合します。そしてソ連も全力で前進し、フィンランド軍前線に急行します。
ここでソ連は無線機を建物の2階に上げ、盤外砲の観測弾を落とし始める手もありました。しかしこれだけの戦力で行けば、フィンランド軍はすぐ前線を維持できなくなるだろうと考え、ソ連はその指揮官で歩兵を早く前線に送る方を選びました。
第3ターン、国境警備隊から重機関銃を受け取った騎兵1分隊は、大急ぎで取って返し、町にある唯一の3階建て建物の最上階に上りました。ここからだと遠くて1火力にしかならないとはいえ、平地を進むソ連兵をマイナス修正付きで安全に撃ちまくることができます。そしてソ連軍はここでウミガメ戦術。一斉に広がって前進を続けます。さらに迫撃砲も攻撃を開始しました。
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第5ターン、フィンランド軍にずらっと隠蔽付きで並ばれてみると、ソ連の攻撃は少しづつしか効きません。もちろんもっと早く近づけるようさっきから盤外砲煙幕を要請しているのですが、この時期の無線は6以下でしかつながらず、なかなかいい位置に誘導できません。
ソ連は妥協して、前のターンで中ほどに煙幕を落とし、これを利用して重中機関銃部隊を前進させ、全軍でフィンランド軍に近づきます。

第6ターン、ソ連は右側の煙幕が未だ落とせずにいます。迫撃砲の砲は良く当たっているものの、倒したのはどれも半個分隊。また左の煙幕が晴れ、重中機関銃はフィンランド軍にそれなりに当てましたが、やはり撃てる所にいるのは半個分隊で、大損害とまではいきません。
逆に展開できないソ連分隊は、さっきからフィンランド重機関銃に良く当てられ続けています。しかも左側で進んだ部隊も、6火力分隊と軽機関銃に一部が撃退され、ELRが2しかないので、結構徴募兵に落ちて行きます。そして右手にはフィンランド軍が多く残っているので、生垣沿いにじわりと進むことしかできず、ソ連はちょっと時間が厳しくなってきました。
第7ターン、ソ連装甲車が近づいてきたこともあり、フィンランド軍は損害が小さいうちに後退を開始します。当然ソ連は右手で森に突入しますが、左手ではさすがに平地で移動隣接する訳にも行かず、慎重な前進に留まります。
第8ターン、フィンランドは最初の森を完全に捨て、第2の森の線に下がります。そしてソ連も新しいフィンランド防衛線と撃ち合える位置まで前進します。射撃戦ではお互いに損害が嵩んでいきます。
第9ターンには、ソ連前衛がフィンランド前衛に隣接。しかしここで防御射撃を防ぐために建物を迂回したソ連の装甲車が、白兵戦で破壊されてしまいました。

第10ターン、フィンランドは第2の森も捨て、わずかな足止め部隊を残して、大半の部隊が町に下がります。ソ連は急いで追うものの、足止め部隊や森が邪魔で、町を撃てる位置までは進めません。
第11ターン、大分減らしたとはいえ、フィンランド軍はまだ半数程度が残っており、それが町を固めています。時間的に否応なく、ソ連軍はこれに突撃隣接。そして幸運にも狙撃兵が、前に出て来ていたフィンランド重機関銃分隊を混乱させました。
しかしフィンランド軍は近い側の3つの石造建物をがっちり固めています。2階まで埋まっているので、どう考えてもあと1ターンでこれらを全部取るのは不可能。最終ターン、ソ連は無理な突入をしてみましたが、大損害を出しながら建物をもう一つ取り、もう一つに部隊を突入させたのが関の山でした。フィンランドの勝利です。

フィンランド軍がリレーして、はるばる3階建て建物まで運んだ重機関銃が、予想以上に効きました。またフィンランド軍のモラルと火力も強力でした。そんな中で展開もできずに平地を進んでも、ソ連軍に戦力評価ほどの力は出せません。
やはりソ連は歩兵が速やかに右手の森に突入できるよう、無線機を最初から建物の二階に上げ、両方の盤外砲で右手を狙い続けて、煙幕配置を優先するべきでした。
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