SSパンターに逆襲の花束を
浜甲子園さんとのVassal対戦4回目、PBP20 Hard to kill。以前にもやったことのあるシナリオで、その時と似たような説明になりますが、ドイツのアルデンヌ反攻の中でのパンターによる攻撃です。ドイツは7ターンの終わりに7建物区域を支配していたら勝利です。建物は全て平家建ての石造ですが、17S3だけは2階プラス尖塔があります。
ドイツは、9−2、9−1指揮官の乗ったパンター4両と、9−2指揮官付きSS6個分隊が第1ターンに侵入します。
アメリカは、76Lのシャーマン3両、76L対戦車砲2門と、8−1指揮官付き5個分隊を地面レベルに初期配置。そして第5ターンに37LLで散弾を持つM5スチュアートが2両出てきます。アメリカの特殊弾薬の欠乏値は’45年を使い、シャーマンはエリート扱いです。
前回やった時には戦力評価でまだ戦車の質を使っていなかったので、アメリカ必勝と評価していました。しかし今の計算方法では、パンターを倒し得ない事でアメリカの戦車数が0.25倍となり、アメリカは8%の優勢で予想勝率は7割5分です。前回子供とやった時は私がアメリカを持って完敗してしまいましたが、浜甲子園さんの戦車魔術なら強力なパンターを巧みに制してくれるのではないかと思い、アメリカをやっていただきました。
アメリカには、最前線の石造建物二棟に全軍を集中配置して、いきなり入って来たドイツ軍に大決戦を挑むというギャンブル手もありますが、ここは冷静に村から林にかけて部隊を展開する堅実な配置。戦車も石壁でいきなり勝負を挑んだりせず、撃たれない位置に隠して機会を窺います。後は砲がどこに置かれているか。
ドイツは絶対に側面を取られないように戦車を進め、砲が隠れている可能性のある所を歩兵で探していきます。途中アメリカ中機関銃が、戦車と一緒に進んで来たドイツ兵を撃ったものの故障。しかし幸いこれはすぐ直りました。
第2ターン、ドイツ軍は大きな森の右端の線までクリアしますが、砲は見つかりません。一方アメリカ中機関銃は尖塔の上に登り、広く見張ってきます。
第3ターン、ドイツ軍がさらに残りの林をクリアしていくと、上の林に入った半個分隊が、近くのアメリカ分隊に撃たれてKIA。さらに下の生垣沿いに進んだ9−2指揮官と中機関銃分隊が、尖塔の中機関銃に撃たれて両方混乱。アメリカ兵の射撃が強い。一方パンターたちは、安全を確保した生垣沿いに3両が並んで上のシャーマンを狙い、中央では1両が全体を見渡します。するとドイツ軍の接近に危険を感じた下の林のアメリカ分隊が、自己潰走して逃げました。
ターン後半、APCR弾が無かった上のシャーマンは、歩兵煙幕に隠れて逃げようとしましたが、パンターの狙いは正確で撃破されます。一方アメリカ歩兵たちは一退一進によって無傷でした。

(赤橙は側面を取られない限界、緑は隠匿無しを確認した所)
第4ターン、ドイツ軍は強固なアメリカ戦列にぶつかり、ここから先は射撃戦に勝たなければ進めない。まずは尖塔の中機関銃を何とかしないといけないので、パンターが順に撃っていきましたが、生垣の3両が皆撃ってもピンにしただけ。また尖塔から離れている中央のパンターは途中の林をクリアし、回復した9−2と中機関銃は射撃待機した本隊に合流します。そしてこれが中央建物のアメリカ中機関銃を混乱させて、ドイツはやっと初戦果。
そしてターン後半には、尖塔から一段降りた中機関銃を、狙いすましたドイツ鬼スタックが20火力で撃ち、ようやくこれを混乱させました。彼らはどちらの脇の建物に逃げても敵に近づくので、仕方なく奥の林に逃げます。ドイツはこれで歩兵前進の目途が立ちました。
第5ターン、まず中央のパンターが石垣まで進んで中央のシャーマンに挑み、撃ち勝ってシャーマンは炎上。これによって安全を確保したドイツ軍は、一気に石垣のラインに並びます。そして移動後の射撃戦では、上側にいたアメリカ二線級が混乱しました。
ターン後半、このままではジリ貧で、増援の来るこのターンが最後の勝負時と見たアメリカは、ここで石壁に相対する対戦車砲を出します。しかしAPCR弾は無く、歩兵への榴弾も炎上に邪魔されて当たりませんでした。
それでももう後には引けない。登場したスチュアートは道路を通って進み、石垣の見える所に出る大勝負。パンターはこれを迎撃するものの、小さくて当たらない。そしてスチュアートはキャニスター発射。4、MC1、ドイツ9−2指揮官と1個分隊混乱で残りはピン。恐るべきアメリカの逆襲。
これはアメリカ、ドイツ歩兵主力を降伏させて一気に勝勢になるチャンス。まず森のバズーカ分隊が後ろに回り込む。しかしこれはピンの機関銃らに撃たれて混乱。さらに今度はシャーマンが回り込んで退路を断ちに行き、ここで振り向いてパンターが撃つ。9−2戦車指揮官の力でこれも当たり、アメリカの夢は惜しくも届きませんでした。残ったアメリカ軍は守勢に戻り、防御射撃で殊勲のスチュアートも撃破されます。

ドイツは9−2指揮官と分隊の混乱が痛く、即時回復することに賭けてその場に留まらせましたが、第6ターンそれらも森の半個分隊も全て回復に失敗。一方アメリカは中機関銃の回復が失敗したものの、バズーカ分隊は回復に成功しました。
これドイツ決して有利とは言えないな。歩兵の数では大差なく、このターンに焦って突っ込むと逆襲で一気にやられかねません。アメリカ砲がもう一つ残っているのも不安な所。ドイツ進まなくちゃいけないのは分かってるけど、慎重に行くしかない。
まず9−2指揮官パンターがバズーカに砲塔後ろを見せているので、当たらないけど振り向いて撃つ。そして別の1両がそのバズーカ分隊に隣接し、機関銃を撃ったら両方とも故障。うぐぐ。さらに色々持ったドイツ分隊2つが、このバズーカの見える中央建物に進みます。また右側のパンターはバズーカが危険で、無意味な一進一退をしただけ。最後にドイツ半個分隊が混乱分隊に隣接し、そこに隠れていた砲に混乱させられました。
ターン後半では、下側からバズーカ分隊が尖塔建物まで駆けつけ、スチュアートが煙から出て一歩進みます。このスチューをパンターが撃ってみるとぎりぎりLOSが通り、最後のアメリカ戦車も冥土に帰って行きました。
そして最終ターン。一方的に戦車を全滅させたし、さすがにドイツは有利になったのでは。と思いながらとりあえず半個分隊で建物2か所を占領し、次に砲とバズーカが籠る最上部の建物隣までパンターを進ませると。
対戦車砲が見事にAPCR弾を砲塔に当てパンター撃破。うわー、でもこれでAPCR弾は切れたから、もう一両行けばいい。2両目がまた同じコースで隣接します。ところがなんと追加射撃のAP弾なのに砲塔に当たって衝撃に。
アメリカ対戦車砲強すぎ。これもうドイツ不利なんじゃない?このまま後半に2つの建物が反撃されたら負けてしまいそう。そこでドイツは危険を承知で、上の建物に追加の8−1と1個分隊を送り込みます。これへの臨機射撃では8−1指揮官が混乱してしまいましたが、分隊がヒーロー&クラス上昇となり、運良く戦力を維持しました。
後は他の建物にも奪還防止部隊を送り、最後に機関銃の無いパンターで移動中射撃して外れ。これで移動は終わりかと思ったその時、上のアメリカ建物が対戦車兵器を全部撃ち尽くしていたのに、ドイツはふと気づきます。そこでパンターが続けて動いて後ろから退路を断ち、ヒーロースタックが前進射撃で混乱させて、アメリカ兵は降伏。これでドイツの勝ちとなりました。

浜甲子園さんはどんな状況でも冷静にチャンスを待って必ず隙を見つけ、驚異の技を仕掛けてはこちらを危機に追い込んできます。今回も恐ろしい魔術師でした。
またこのシナリオは小さめながら、守り場所、攻め場所、集中と分散、戦闘のタイミングが難しく、実はかなり考え甲斐のある高度なシナリオだと思います。
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