ブッシュマスター〜やぶへび〜
 
 今日のASLは、シナリオ66ブッシュマスター。ブッシュマスターは2m以上もある大毒蛇の名前ですが、ジャングル戦の訓練を受けたアメリカ軍部隊についた通称で、今回ニューギニアに上陸して日本軍を攻めることになります。
 アメリカは11ターン前半までに、日本軍の守る橋とその向こうの3へクスを占領し、40VP分以上の部隊に小川を渡らせ、アメリカの侵入側に近い村の過半数を保持の全てをターンの終了時に達成したら勝利です。道路は真ん中に一本だけ通っており、南側(アメリカから見て左手)には大密林地帯が広がり、他の場所も密生ジャングル、竹林、ヤシ林、クナイだらけで平地が非常に少なくなっています。
 アメリカ軍は第1ターンに10.5個分隊と中機関銃3、第2ターンに12.5個分隊と中機関銃3火炎放射器2爆薬2にシャーマン2両、第4ターンにシャーマン4両、第7ターンに3個分隊が東から侵入します。また60ミリ盤外迫撃砲が2組あります。分隊はエリートと1線級が半々です。
 一方日本軍はエリート10個分隊と重機関銃2、対戦車ライフル1、37ミリ対戦車砲1に、トーチカ3、単独壕10で守ります。ただし5〜7ターンのどこかで、日本軍には一線級18個分隊が森や竹林から突如現れ、敵にたどり着くか半個分隊に損耗して混乱するまで、強制的なバンザイ突撃を繰り返します。これは一体どんなことになるのか?
 子供が日本、私がアメリカをやります。


 まず途中の大バンザイ突撃の影響が計り知れず、どちら側も配置や作戦に悩みます。日本は勝利条件の橋を中心に守ることになりますが、見通しの良い所を突っ走られないよう、ダミーも含め前の方にも広がって守ります。
 第1ターン、まずアメリカ軍は東端の北側から登場し、村を目指しつつ日本軍の前衛に前進射撃を加えます。この内1つが3を出して、日本の9−1指揮官を負傷させ、アメリカ軍は幸先の良いスタートです。撃たれた日本軍は撤退します。
 第2ターンのアメリカ軍は中央から侵入し、また日本軍前衛に接近します。また先の部隊は村を占領します。日本軍もまた少数の部隊を残して後退します。
 第3ターン、第4ターンとアメリカ軍は日本軍を追いながら橋に近づいていくと共に、村の占領を終えた部隊は、村の近くのバンザイ部隊登場可能場所を潰して回ります(アメリカ軍が通った所や3へクス以内にアメリカ軍がいる所からは登場できません)。日本軍は小川を背にした橋の前の森まで後退し、ここで一戦交えるつもりのようです。

 第5ターン、このターンから日本軍バンザイ部隊登場の可能性があります。アメリカはここまでに登場場所を潰してきたため、日本軍が登場できるのは南側の密林地帯だけとなっています。アメリカはそれに備えて南側と橋を守る西側に向けて慎重に部隊を進めます。
 そして日本軍ターン。早くも大バンザイ部隊登場。前進を開始します。しかし密林地帯は少し離れているため、このターンにはアメリカ軍まではたどり着きません。アメリカ軍は第6ターンにバンザイ部隊に対応して部隊を平らに並べなおす一方、橋方向では機関銃で撃ちながら部隊を森の日本軍に接近させます。
 日本大バンザイ部隊はさらに前進を続けますが、今回もアメリカ軍には到達せず、射撃の応酬は当然ながらアメリカ軍の方が有利です。西側でも戦闘は続きます。

(下が北東)

 第7ターン、アメリカ軍はついに橋の入り口の森に突入し、日本軍を駆逐していきます。ところが南方では日本バンザイ部隊の防御射撃(火力半減)により、シャーマン2両を守っていた歩兵が全て混乱してしまいます。そして大バンザイ部隊は狙いをシャーマンに絞り総突撃。大量の部隊が戦車を取り囲みます。そして日本の秘密兵器?タンクハンターヒーローと棒付き爆弾?で、シャーマン一両を破壊します。一方もはや森を維持できない西側の日本軍は、小川を越えて撤退しました。
 第8ターン、アメリカは、バンザイ部隊の突撃を受けたもう一両のシャーマンを逃がそうとしますが、CC対応射撃で走行不能となってしまいます。しかも西側を狙っていた他のシャーマンも、隠れていたタンクハンターヒーローに襲われて残骸となります。また西側では森を全て占領したアメリカ軍が、川向こうの日本軍を撃とうとしたところ、対岸にトーチカが登場。重機関銃を相手に熾烈な射撃戦が始まります。さらに残った日本バンザイ部隊もアメリカ歩兵と白兵戦を始め、戦車の後ろに逃げていた混乱アメリカ部隊は、日本軍に包囲されて降伏してしまいます。

 そして第9ターン、ついにアメリカ軍は番外砲のSRを橋に置くことに成功し、歩兵同士の白兵戦でも日本軍を倒しました。また橋から離れた所にいた部隊は、日本軍から離れた所で小川に向かいます。さあ次のターンから川越えだ!
 第10ターン、アメリカ軍は日本の重機関銃トーチカに煙幕OBAを落とすと、まず戦車が橋を渡ります。(本当は木造なので崩壊チェックが必要でしたが気づきませんでした。)煙幕のおかげで対戦車砲も当たらず3両突破成功です。続いて歩兵が橋に殺到しますが、煙幕を掛けてなお重機関銃は強力で、ピン、混乱と止められます。これで重機関銃のROFは切れたものの、日本軍はもう1スタックが橋を狙っており、アメリカはこのターンこれ以上の前進は無理と判断します。そして前進射撃で橋を狙うスタックを混乱させ、突撃で小川に飛び込みます。果たして次の最終ターン、勝利条件へクスに残ったトーチカを占領できるのか?

(村は写真の右側)

 と思っていた第10ターン後半、村のはずれの小さなジャングルに隠れていた日本兵が突如登場。戦車を倒し北に向かっていた若干のバンザイ部隊と共に、村の過半数の家を占領してしまいました。
「あーー!そういえばジャングルでの隠匿された日本兵は、同じヘクスに入られても隠れたままでいられるんだったーー!」
日本の勝ちです。第7ターンのアメリカの小さな増援は、村を守るためにそちらに出しておくべきでした。


 確かに村を守っていなかったのはミスでしたが、このシナリオ、アメリカは全然勝てる気がしません。10−2指揮官と重機関銃の籠るトーチカが固すぎます。トーチカは+5修正の超強力タイプの上、10−2指揮官がいると操作班のモラルは実質11であり、モラルチェックに失敗させること自体至難の業です。しかも日本の操作班は3回モラルチェックに失敗するまで除去されず、トーチカでは退却を強制されず、敵の残っているトーチカには突撃もできません。10−2指揮官が無事なら混乱してもすぐに回復しますし、さらにいざとなったらトンネルから予備の操作班を持ってくることもできます。勝利条件へクスに置かれたら、このトーチカをどうやって落とせばいいのでしょうか?
 苦しいながらも少しアメリカの手を考えてみました。
1.日本軍が前に出てきているなら、戦車を突っ走らせて後ろに回り、退路を断つ。クナイにいる日本軍にはオーバーラン。白兵戦対策として敵が近い時は機動状態。
2.盤外砲は橋付近の攻撃支援よりも、まずバンザイ突撃に対して使う。トーチカや狐穴にはあまり効きませんが、突っ込んでくる敵には効果的なはず。
3.戦車は2両でトーチカ正面に隣接して撃つ。
そしてトーチカのルールを読み直したら、トーチカ側のユニットが外部にいなければ、同じヘクスの外部からトーチカ内部に白兵戦を仕掛けられることが分かりました。これで可能性が見えた気がします。

 予想プレイ時間は(58+6×3)×10.5÷60+1=14.3時間。実際には10ターンまでで15時間くらいかかったと思います。タンクハンターヒーローの隠匿配置や、バンザイ部隊登場という特殊なシナリオで状況が読めなかったことで、少し長めになったのでしょう。
 
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