出会ってはいけない敵
 
 今日のASLは、J141 王と同乗。スターリン戦車がキングタイガーと相まみえた事を指しているのでしょうか。1944年10月、ソ連軍はハンガリー攻撃に失敗して包囲され、ドイツ山岳部隊が守る町を破って脱出することを試みた。ソ連は6.5ターン終了時に、ドイツより35以上多いVPを持ち、内10VP以上が建物支配によるものなら勝利です。VPは、ボード35の複数へクス建物支配で含まれる区画数分が、またソ連は北側の中央部からの突破でも入ります。麦は生えています。
 守るドイツは、エリート11個分隊と9−2指揮官に、75*歩兵砲1門、50L対戦車砲1門を初期配置。そして第1ターンには75Lの3号突撃砲2両、第3ターンには88LLのキングタイガー2両がやって来ます。
 これを攻めるソ連は、第1ターンに16個分隊と75ミリのシャーマン3両、第2ターンにエリート4個分隊と爆薬1、122LのIS−2が4両、IFE24火力のアメリカ製ミーチョパー2両が侵入します。

 今の戦力評価基準では、第2ターンに出て来るIS−2が、それ以前にいるドイツ砲や戦車に倒され得ず、第3ターンに来るキングタイガーを待ち伏せしうると見なされます。するとドイツの戦車数は0.25倍され、ソ連の予想勝率は86%となります。
 しかし他の戦車もいる中で、キングタイガーより大分弱いIS−2が待ち伏せしても、ソ連はそこまで有利ではないかもしれません。ひとまず今回はバランスルールでドイツ1個分隊だけ増やし、ソ連の予想勝率を78%としました。
 子供がドイツ、私がソ連です。


 ドイツはいつものように勝利条件の町へ集中配置。ここで10VP以上取られなければ勝てるのだから、他を守る意味はありません。
 尖塔に−2修正中機関銃がいたら怖いので、ソ連軍は並木に隠れて進みます。ドイツの3号突撃砲も次に来るIS−2が怖いので、町の後ろに隠れています。

 第2ターン、ソ連は煙幕を撒いた上で人波攻撃を発動し、ドイツ先頭のシュレック半個分隊を混乱させましたが、ソ連はずっと多くの損害を受けました。そして増援戦車をどうするか難しい所ですが、後ろに回り込んでもキングタイガーに勝てる気がしない上、シャーマンの支援だけでは歩兵が進めそうにないので、町の攻撃へ投入することにしました。

(下が南)

 第3ターン、ドイツ半個分隊に囲まれた町の右側中心にいるドイツ鬼スタックが強い(つまり尖塔はダミーだった)。ここの建物は細長くて射線が通りやすく、前面を崩そうと進んだソ連兵がバンバン撃たれます。しかもこれがROFバーストして、煙幕などものともせずバンバンすり減らす。
 歩兵だけではどうしようもないのが明らかなので、ソ連は危険を承知でシャーマンを町に突っ込ませます。ドイツも3号を建物に突っ込ませて1両が地下室落ちし、さらにキングタイガーを中ほどまで出してシャーマンを狙いました。そしてドイツ鬼スタックは一歩後退。

 第4ターン、キングタイガーを破るにはIS−2が4両掛かりで行かないと無理なので、一旦道路に集めます。そしてシャーマンによる二連煙幕で目隠しし、歩兵がドイツ鬼スタックに隣接しました。これで次ターンに爆薬攻撃が効けば。
 しかしターン後半にドイツ鬼スタックはまた一歩後退し、石壁で耐えていたシャーマンもやられました。どんどんドイツの壁は厚くなり、サイの目もドイツが良くソ連が悪くて、ソ連の損害は増える一方。

 第5ターン、IS−2は大切な得点源なので、キングタイガーとのハイコストな撃ち合いは避け、ミーチョパーと一緒に左へ回り込ませて突破の準備をします。しかし対戦車砲が丁度良い位置に隠れていて、ミーチョパー1両が犠牲に。さらに既に走行不能だった突っ込みシャーマンもここで昇天。
 歩兵戦もソ連兵はかなり減っており、戦車と鬼スタックの壁を崩すのは難しそう。射撃と無理な前進でキングタイガーへの白兵戦を狙ってみたものの、やっぱりソ連のサイの目は悪く、大混乱を食らってソ連の負けです。



 やはりIS−2ではティーガーIIを十分止められず、他の戦車もいる状況では、ソ連戦車が完全に優越しているとは言えません。そこで一部の攻撃側戦車が一部の防御側戦車に対して先着しても、その待ち伏せされる戦車だけが敵戦車を倒し得ないと見做した上で、全戦車で劣後割合を決めることにします。すると今回の場合待ち伏せされない3号突撃砲が半数いるので、ドイツの戦車数は0.75倍されるだけとなります。
 またソ連の最大火力は最初20火力で増援と組み替えてようやく24火力なのに、ドイツは最初から24火力に加えて指揮修正2のリーダーがいて強力なので、これも低火力市街戦と見ることにします。するとこれらの修正により、今回のソ連の予想勝率は16%となりました。
 そしてこの強力な鬼スタックを市街の中心に置いて半個分隊で覆い、砲でこれを支援するのが非常に固い守り方でした。ASLは障害物競争ではなく、ウォーゲームなので、このように最大限の火力を発揮し相手に決戦で撃ち勝てる布陣を敷けるかが勝負の鍵なのです。

 
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