豹狩り〜Caza del Pantera〜
今日のASLは、TAC48のtrapped嵌められた。ノルマンディー上陸後の連合軍の進撃作戦コブラに対するドイツ軍の反撃です。ドイツは7ターン半以内に、奥の中央部から25VP以上突破したら勝利です。ただし10VP以上は歩兵でなければなりません。
アメリカ歩兵はドイツの目前に、アメリカ戦車はその後方に配置することを強制されており、奇襲されやすい状況ですが、初期配置は両者同時配置なので、配置の運次第ではどちらが罠に嵌るか分かりません。丘は無く、石垣と生垣はボカージュです。ボカージュの効果は石壁に似ていますが、敵のLOS内でもボカージュ越しにしか見られない場合、歩兵はLOS外の隠蔽地形として隠ぺいを置くことができるなど、守りやすい地形です。
ドイツ軍は、SS13個分隊(内3個は8−3−8突撃工兵)が初期配置、エリート8個分隊とパンター3両、4号戦車5両が第1ターンの増援です。
アメリカ軍は、ドイツ配置範囲から6へクス以内に7個分隊。7へクス以上離れた所に、バズーカを持った隠匿配置半個分隊2個、オープントップ105ミリ榴弾砲戦車6両、76ミリ長砲身オープントップ2両、IFE24火力の対空車輌1両、ハーフトラック2台が初期配置。第5ターンには、4.5個分隊とハーフトラック6台が増援で、内1台は固有の分隊が乗っています。
子供がアメリカ、私がドイツです。
アメリカは配置制限がきつくて良い配置ができない上、多くの兵力が遅い登場なので、前半はかなりきつそうに見えます。しかしアメリカのハーフトラックは取り外せる機関銃を多く積んでおり、これを全部引っぺがすと、50calが5丁、MMGが3丁、LMGが4丁と、とんでもない数の機関銃が出てきます。
戦力評価ではアメリカが13%の優勢で予想勝率8割ですが、ドイツには奇襲的状況があるので、それを生かせるかどうかが勝敗の鍵になるでしょう。
配置を開いてみると、アメリカ軍はドイツから見て右手の建物・ボカージュが散らばる所に配置していたのに対し、ドイツ軍は左手に集中配置していました。ドイツのもくろみは、戦力差を生かして戦えるかもしれないが、有利な地形で最善の準備をしているだろう右手を攻めるより、相手の備えの薄いだろう左手を一気に進んで、アメリカの増援が来る前に良い位置を占めておこうというものでした。
第1ターン、初期配置のドイツ歩兵はボカージュの中を進み、歩兵を乗せて出てきた戦車はその脇に歩兵を下ろします。アメリカ軍は煙幕と麦畑に隠れ、僅かな混乱だけで後退していきます。
第2ターン、パンターは正面と側面のアメリカ戦車と対峙し、突撃工兵スタックはバズーカ歩兵に近づいて前進射撃。バズーカは逃がしてしまい、アメリカ戦車は煙幕を撃って抵抗しますが、パンターはまず側面の戦車を破壊しました。
第3ターン、白燐弾の中から撃ったパンターがさらにアメリカ戦車を1両破壊し、好調なドイツ軍。ここで一気に前方のボカージュ線まで進み、奥のアメリカ軍を一掃しようとします。しかしなんと左端にバズーカが隠れていて、パンターが破壊されます。
さらにそのアメリカ半個分隊は、煙に隠れて隣接してきたフルスタックSSの前進射撃に耐え、白兵戦からも不意打ちで逃げて、ターン後半にはさらにバズーカを撃って、もう1両パンターを破壊してしまいました。しかもこの半個分隊に後ろから見られて、ボカージュによる隠ぺいを置き損ねたドイツ軍は、正面からの射撃をまともに受けて、1スタックが大混乱を食らってしまいます。これはひどい。

第4ターン、幸い正面のアメリカ戦車は主砲を故障させてしまって逃げて行き、右前面に来ていたアメリカ戦車は故障した上に歩兵の射撃でスタンし、後半には撃たれて破壊されます。ドイツ歩兵は右脇の隙間から狙われていたので、そこを駆け抜ける訳にいかず、ボカージュの左側にシフトして、強力な戦線を作ります。
するとターン後半、左奥の建物の陰にいたアメリカ戦車から、丁度建物の隙間を通って射線が通っており、ハルダウンも潜り抜けて4号戦車が破壊されます。そして右手のボカージュ内には、撤退してきたアメリカ歩兵が到着。またアメリカ軍は近くでハーフトラックから引っぺがした機関銃を、各分隊に配っています。
第5ターン、かなり苦しい状況になってきたドイツ軍ですが、右手のボカージュの前には麦畑が邪魔していたので、それを頼みに全軍前進します。右後方からもアメリカ兵に狙われていましたが、まず4号がスモークディスチャージャーで煙幕を配置。そして歩兵はボカージュを越えて左側の建物に進み、右ボカージュのアメリカ兵を麦畑越しに撃って、半個分隊2個を混乱させます。さらにパンターは奥のボカージュ内に入り込み、中にいたアメリカ戦車を狙います。
そしてここでアメリカの増援が到着。ドイツの突破出口を囲むように登場します。パンターはアメリカ戦車を倒しましたが、隠匿のバズーカ兵が出て来てパンターに狙いをつけています。
第6ターン、パンターはやはり逃げられず最後の1両が破壊されました。ドイツは戦車をボカージュのアメリカ機関銃兵に突っ込ませ、その犠牲と引き換えに、歩兵を奥のボカージュまで前進させます。しかしターン後半、アメリカは増援のハーフトラックからも機関銃を全て引っこ抜いて、膨大な数の機関銃で待ち構えます。ドイツにはもう1両しか戦車が無く、これを抜ける術はありません。ドイツ投了です。

ドイツは奇襲効果を生かして戦力差を覆そうとしましたが、それどころかパンサーを一匹一匹狩られる結果になりました。ドイツは搭乗兵の損失など気にせず、無謀なくらい積極的に戦車を進め、第1ターンから4号も含む全戦車でアメリカ戦車に真正面からぶつかっていくべきだったのかもしれません。
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