これは本当に高火力市街戦なのか?
 
 浜甲子園さんとのVASSAL対戦、今回は以前家でもやったことのあるAP123 Busting in Balta(前回のリプレイは「高火力スタック対狐穴ブロック」)です。家でやった時は、ドイツが32火力スタックを2つ作れる高火力市街戦として攻撃側2倍で評価し、ドイツが有利と出たので5個分隊とFT1,DC1を減らしたら、2回ともドイツが負けました。
 これを今考えると、疎らな木造建物群では十分な市街とは言えず、守る場所が広すぎることによる分割(分散)防御で、攻撃側1.5倍になる程度ではないかとも思えます。もしそれで計算すると、分隊を減らさずバランスルールのドイツFT1,DC1減だけで互角になるので、今回はこれでやって確かめてみます。
 浜甲子園さんがソ連、私がドイツです。


 ドイツは東と北から広い範囲を攻撃でき、ソ連も勝利条件的に広い範囲を保持しないと勝てないので、ソ連の配置は分散しています。ただしドイツの半数程度は東から来るので、そちら側が厚めになっています。
 これに対し東側のドイツ軍は、勝利条件建物の集まる北側のルートを進みます。そして前進射撃をすると、直接は効かなかったものの、バーサークした1個分隊を後半に除去し、狙撃兵で1個分隊混乱させました。また北側のドイツ軍は建物を取りつつ南下します。ソ連軍は、ドイツ軍の進撃に合わせて布陣の調整。

 第2ターン、北側の西方牽制部隊を残し、ドイツは大半の部隊を中央のソ連主陣地に向かって進ませます。しかしスカスカの建物群はどこで撃たれるか分からないので、東のドイツ軍は少し遠回りして果樹園・建物伝いに進みました。そして今回の前進射撃は、高い突撃火力にもかかわらず全く効果無し。ソ連は前線から兵を引き揚げて、決戦のための陣作りをしますが、その際1個分隊が混乱しました。
 第3ターン、ドイツ軍はさらに決戦場へ迫りますが、さすがにまだ道路を越えて隣接するのは無理。向かいの建物から前進射撃して、今回は調子良く損害を与え、混乱していたソ連分隊もまたバーサークして除去されました。ドイツもソ連も決戦場に戦力が集まり、緊張は高まります。

(下が南)

 第4ターン、ドイツは敵に近い者が撃って損害を与えましたが、重要な接近路を見張っているソ連迫撃砲に効かなかったのが残念です。そして他はソ連戦線南東端の石造建物に近づき、前進射撃で1個分隊を混乱クラス低下させました。ソ連は損害が嵩んで前線戦力はやや不足気味に見えますが、ドイツがさらに前線を進めるには、狙われている平地を全員が越えて行かなければならず、決して簡単とは言えません。
 ターン後半、射撃戦では互いに混乱を出します。しかし盤外からのドイツ砲は、ずっと撃ち続けているにもかかわらず、捕捉される度に位置を変えるソ連戦車に全く損害を与えられずにいます。そしてやってきたソ連増援戦車は、進んで来たドイツ軍の背後に回りこんできました。これはドイツ、道路向こうの石造建物に攻め込むのが難しくなってしまったぞ。どうすればいい?

 第5ターン、何も無ければドイツは目の前のP5建物に進みつつ、次に近いP3やR4を取りに行くつもりでいました。しかしどちらも途中を戦車、機関銃、迫撃砲が狙っていて、いくら突撃工兵の煙幕が有っても危険なんじゃないか?
 考え込むドイツ。そして閃きます。「それは逆だ。これは突撃工兵の真価を見せるチャンスである!」ドイツは恐ろしいことに、正面から突撃工兵を戦車に突っ込ませるという、危険極まりない手に思い至りました。
 まず砲の射撃。戦車に命中、走行不能、乗員脱出。ずっと撃ち続けてきた砲撃がついに実ったぞ。そしてこれを捕獲するため次々と突撃工兵が煙幕を撒きつつ、戦車に隣接する建物に突っ込んで行きます。もちろんソ連は歩兵、機関銃、迫撃砲等でバンバン迎撃して来ますが、さすがのドイツエリートたちは射撃を躱しまくりました。これで西側の戦車の捕獲は確実です。
 そして東側の戦車の近い方にも、爆薬を持った分隊が正面の建物に突入し、射撃を乗り越えて無事配置成功。さらに遠い方の戦車にも、10−2指揮官が突撃工兵を連れて回り込み、建物から隣接します。ソ連戦車は機銃で撃ちますが、向きが違うので8火力+3にしかならず、10−2に効くような火力ではない。しかし3、指揮官がモラルチェックで12。。。なぜ私の指揮官はいつもこんなに弱いのか。指揮官の死亡こそ免れたものの、分隊も混乱してしまいました。
 それでもソ連戦車が射ち尽くしたのに付けこんで、ドイツは爆薬2個を持った分隊と指揮官をさらに裏に回り込ませ、戦車の脇から1個を配置するのに成功します。そして爆発の結果、東側の近い方の戦車は破壊しましたが、遠い方は倒し損ねました。これに捕獲した西側の戦車を加えると、ドイツのVP優越は24に達して勝利条件を超え、圧倒的火力のドイツ軍に対し、ここからソ連が差を縮めるのは無理ということで、ドイツの勝利となりました。



 ソ連は勝負に出ましたが、ドイツの果敢な攻撃に敗れました。このタイミングで戦車が砲にやられたのは不運でしたが、ソ連戦車は爆薬や火炎放射器が豊富な突撃工兵に少し近付き過ぎだったかもしれません。
 またやはり疎らな木造建物群では、移動中に撃たれ易くて危険で、高火力スタックが楽々と敵を倒して行くという訳には行きませんでした。今回もちょっと動きや運が違えば、十分結果が変わりえたと思われるので、このような地形では高火力市街戦としない事にします。

 
インデックスへ