立ちはだかる鬼スタック
家でもう一度AP196 Silver & Bronzeをやってみました。子供がアメリカ、私がドイツです。
アメリカの防御は基本前回と同じ北歩兵南戦車ですが、北側拠点建物の防衛は重機関銃も含めた鬼スタック1個に任せ、代わりに両翼の建物群2階に部隊を配置して、丘を含む広い範囲をカバーしています。また南も戦車をより広い範囲に配置し、北の戦車は両脇の南端に置いて最速で南に駆けつけられるようにしています。
これは前回よりも迂回侵入がしにくい代わりに、北側拠点建物を集中攻撃すれば脆いんじゃないか?ドイツはそう考え、そこに全部隊を集めました。
第1ターンはいきなり大雪。ドイツ軍はまず移動で半個分隊が警戒とアーマーアサルトで進み、SWを持ったユニットは隠蔽のまま突撃で入ります。アメリカは撃ってきませんでした。
ターン後半、アメリカ歩兵は攻撃を受けた所に向かって移動し、拠点建物では散開します。ドイツは射撃して中機関銃を持ったヒーローを負傷させました。
第2ターン、引き続きの大雪もあって北側のドイツ射撃は全く効果無し。これだけの火力でもか。南方では前回のように南西に別動隊を送りますが、南東では8両のアメリカ戦車にたった3両で挑むなど無理なので、ドイツ戦車は果樹園の石垣に隠れ、歩兵だけが慎重に進みます。アメリカは北で歩兵を決戦場に集め、戦車は南で配置に着きました。
第3ターン、北ではアメリカ兵がさらに耐え、隠蔽が?がれたのでヘッツアーも撃ちましたが、榴弾があったのは1両だけでそれも効果無し。この拠点固過ぎ。このままでは埒が明かないので、南のドイツ3号突撃砲はアメリカお家戦車に3対1で勝負を挑みます。
するとターン後半、他のアメリカ戦車がその背後の石垣に回り込んで来ました。ドイツ戦車1両は振り返り、追加射撃も含めて皆が撃ちますが、どちらも倒せません。一方北では榴弾の無かったヘッツァーが南に向かっていますが、その一両にアメリカ突撃工兵が街路戦闘を仕掛けます。幸いこのヘッツァーは難を逃れたものの、どう見ても状況はアメリカ寄り。

(下が北)
第4ターン、南の戦車戦はアメリカが1両衝撃、ドイツは1両走行不能で乗員脱出混乱。そしてアメリカ戦車の防衛線にできた隙を通って、ドイツ歩兵が内部に浸透して行きます。また中ほどではヘッツァー1両が、丘に登ってお家シャーマンに狙いを付けました。さらにもう一両が道路向こうのシャーマンを無理して狙おうとしましたが、エンジン壊れて走行不能。そして北の歩兵戦ではやっとアメリカ分隊を1個混乱させたものの、ドイツも混乱が増えてきて全然勝ち目が見えません。
ターン後半、丘から狙われたお家シャーマンは逃げようが無いので、致命的命中狙いでヘッツァーを撃ったら、本当に2を出してヘッツァー炎上。一方走行不能ヘッツァーは、逃げようとしたシャーマンを捉えて燃やしたものの、この交換は明らかにドイツにとって不利です。そして南の戦車戦は傷を負っていた戦車が双方破壊されました。
第5ターン、ドイツは準備射撃をしてみたものの状況は既にかなり悪く、北でも南でも全くアメリカ軍を打ち破れません。隙間を通ってあちこちで建物を掠め取っているものの、20VP台しか取れておらず、あと1ターンで80VPは絶対無理。ドイツの負けです。

北のアメリカ拠点建物は鬼スタック1つだけでも相当固く、すぐに他からアメリカ歩兵が集まって来るので、ドイツ軍が北で突破するのは難しそうです。そしてこの守り方では他のアメリカ歩兵で広い範囲に睨みを利かせられるので、ドイツの迂回進撃もやりにくく、北にいたアメリカ戦車も速やかに南に回すことができました。その結果南のアメリカ戦車が8両にもなると、ドイツは前回ほど運が良かったとしても、さすがにこれを早急に打ち破るのは難しいでしょう。
結論として前回アメリカは確かに運が悪く、北に歩兵南に戦車という全体方針自体は正しかったものの、配置の練り込みがもう一歩足りなかったと言えます。またアメリカは最初分散を強いられるものの、ドイツの方もアンバランスな戦力配分で分割されているので、アメリカがそれに対応して正しく配置すれば、分散配置の不利は相殺されます。そうすると戦力はそのまま評価すべきで、アメリカの勝率は66%程度と推測されます。
今までに例を見ない状況設定で正しく守るのが難しく興味深いシナリオでした。また建物支配VPと損害VPを合計する勝利条件は、損害度外視の非現実的な展開にならなくて良いと思います。ただ広い範囲あちこちに十分気を配るのが大変で、リプレイ写真も細かくなって状況が分かりにくくなってしまいました。
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