呪いの戦車
今日のASLは、デラックスシナリオ8、校舎。1943年クルスク戦のポヌイリ付近でのドイツの攻勢です。
ゲームは登場ターン不定のソ連増援が到着した5ターン後に終了します。ドイツはソ連側ボードの石造建物1へクスにつき1点、さらに左側の校舎占領で追加3点、中央のトラクターステーション占領で5点、右側の交差点に隣接する建物へクス全て占領すると7点を得ます。そして増援到着ターン×3+3点をゲーム終了時に持っていたらドイツの勝ちです。
攻めるドイツは、エリート6個分隊、一線級20個分隊、10−2指揮官つきと、重機関銃2、中機関銃2、軽機関銃5、火炎放射器1、爆薬3、さらに砲は超強力な88LLだが足は鈍重なフェルディナンドが4両です。一方ソ連は、エリート6、一線級17に9−2指揮官、重機関銃2、中機関銃3、軽機関銃2、爆薬3、そして57ミリと45ミリ超長砲身対戦車砲各2門ずつです。さらに増援はエリート6、一線級9に軽機関銃3、爆薬3、76ミリ長砲身のKV−1Sが6両も。えっと、これ、防御側の方が強くないですか?
建物は全て3階が無く、アパートはそれぞれ平屋建ての家になります。ソ連は2個分隊まで隠匿配置で、3区域を要塞化でき、エリートはモロトフを持った突撃工兵です。
子供がソ連、私がドイツです。
第1ターン、ソ連の45ミリ対戦車砲2つが前の方にあって、1両は対戦車砲の故障により難を逃れたものの、もう1両のフェルディナンドが中央の敵を視界に捉えたところで走行不能にされます。ドイツ歩兵の方は順調に前進し、ソ連は危険になった中央で後退します。
第2ターン、ドイツは右手の石造3へクス建物をほぼ制圧しますが、固く守られている左手の2へクス石造建物はやっかいです。そこでこれを狙おうとフェルディナンドが前進しますが、57ミリ砲に側面を撃たれて撃破されます。早くも戦車2両がやられたドイツ。ちょっとうかつだったか。ソ連軍はじりじりと後退しますが、ソ連軍の後方には強力そうなスタックが控えているので、ドイツも一気に進むことはできません。
第3ターンもドイツがじりっと進みソ連がじりっと後退。戦力差が少ないのであまりソ連軍に損害を与えられず、ドイツ軍はぽつぽつ混乱を出しています。ソ連は2か所に爆薬を完全設置し、防衛態勢を整えます。
第4ターン、ドイツ軍はまた少し前進しますが、中央の石造建築にはたくさんのソ連兵がおり、これを抜くのは難しそう。

と思ったらソ連は無理せず部隊を順次後退させ、建物の一番奥に鬼スタックを置いて牽制だけします。ここでドイツの防御射撃により、ソ連の最後の対戦車砲が露見しました。このターンからソ連増援の到着チェックが始まりますが、このターンは1のみで到着せず。
第5ターン、ドイツ軍左手は校舎が見える所まで到達します。中央ではドイツ鬼スタックがソ連鬼スタックのいる建物に侵入し、互いに見えない位置にいます。そしてソ連はここでも無理をせず鬼スタックを道路の後ろに下げ、最終防衛ラインを築きます。2以下が出ず、このターンも増援は来ませんでした。
第6ターン。所々でソ連軍は損害を出しているものの、道路を前にしてソ連は固い防衛線を築いており、完全設置の爆薬はドイツの攻撃を邪魔し、ドイツの火炎放射器は2回目で故障して既に無し。もうこのターンにもソ連の増援が来そうなのに、ドイツは全然勝利条件に達しそうもありません。
しかたない。ドイツは無謀でも中央の鬼スタック前面の建物にばらばらと兵力を送り込みます。ところがこれが、ソ連鬼スタックの射撃は大外れで、しかもドイツの前進射撃は大当たり。要塞内にいたにもかかわらず、ソ連鬼スタックは全員混乱してしまいます。
よーし、チャーーンス。ここで一斉に道路に突撃して要塞を落とせー!と思ったのですが、さすがにそろそろ増援が来る時期で、ここで道路に出てKV−1Sが到着すると、みんなオーバーランされてしまいます。そう、ドイツ軍にはまだパンツァーファウスト無いんです。ドイツは結局自重しました。
そしてソ連ターン。やっぱり来た増援。前に出てなくて良かった。増援部隊は中央の要塞と校舎(もちろんこれも要塞化されている)に加勢します。今ドイツは15点。勝利には21点必要ですが、ここからもう6点なんて取れるのか?

第7ターン。6両ものKV−1Sがバンバン撃ち始めます。ドイツ歩兵たち恐怖の時間です。しかしこれまでの射撃で2門のソ連対戦車砲はようやく沈黙しました。ついに今まで隠れていたフェルディナンドの出番です。このターンはまずKV−1Sを1両撃破します。しかもKV−1Sの2両が主砲を故障させ、1両は修理で壊してしまって強制リコールに。しかもドイツはヒーローを出しまくり、全部で4人ものヒーローが居るというすごい状況です。これでドイツもまだ可能性が。と思ったら大事なドイツ9−2指揮官が負傷。これは痛い。
第8ターン、もう1両のフェルディナンドがまた1両KV−1Sを撃破し、さらにもう1両KV−1Sが主砲を故障させた上、既に故障していたのがまた壊れて帰還します。たった2ターンで、もうまともなKV−1Sは1両のみに。何の呪いか。ただ校舎の方では増援によってむしろソ連の方が優勢になり、中央でもそれまでのKV−1Sの攻撃でドイツ軍は大分混乱し、ソ連軍は回復して要塞に戻ってきつつあります。
第9ターン、正面攻撃ではもうソ連軍を破れそうもないドイツは、涸れ谷を通って歩兵を右奥の石造建築に向けて進ませます。そしてフェルディナンドは最後のKV−1Sに近づき、これを撃破します。しかし当然ソ連は、涸れ谷からの前進を阻止するため、歩兵と機関銃のみのKV−1Sを回り込ませてきます。
第10ターン。校舎はもう固くて取れそうもないので、ドイツとしては交差点確保を狙うしか無さそうです。しかしそのためには中央の要塞を落とさなければなりません。右奥への陽動でソ連軍が一部引き抜かれたとは言え、これはかなり困難です。幸運に賭けてフェルディナンドは中央要塞をバンバン撃ってみるものの、やはり防御修正が大きく当たりません。奥へ進んだ別動隊も、機関銃のみになってもう役に立たないと思っていたKV−1Sにオーバーランされて、混乱してしまいます。ソ連は校舎の大スタックを中央寄りにシフトして、中央要塞の守りを強化します。

第11ターン、ドイツが勝つには、交差点の確保に必要な要塞を含む3へクスを、一発で支配しなければなりません。無理でしょ、それ。それでも中央への防御射撃を軽減するため、ドイツはまず左手奥の建物へ左手の部隊を走らせてみます。いくらか撃たせた後で、フェルディナンドを要塞へ向けて前進。2両いれば1両くらい残って要塞の防御射撃を無力化してくれるかと思ったら、2両とも街路戦闘で破壊されてしまいました。もう完全に無理。ドイツ負けです。
このシナリオは最初から攻撃側の戦力優位が少ししかない上に、最終的に防御側の方が戦力が多く、ちょっとドイツで勝てる気がしません。第6ターンの大博打の成功とKV−1Sの連続故障があったので何とか最終ターンまでは行きましたが、普通なら途中でドイツ投了でしょう。
やはり防御側でも鬼スタックを作って、集中攻撃を受けない位置に置くのは強力です。ドイツが勝つとしたら、ソ連が戦力の優位を生かさずに、分散配置して各個撃破されてくれた場合くらいではないでしょうか。
予想プレイ時間は、(68+10×3)×11/60+1≒19時間。初期配置までを除いたプレイ時間はだいたいそれくらいだったようです。
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