空前絶後の断崖絶壁
 
 今日のASLは、アニュアル90からA23 Contest in the Clouds 雲の中の競合。フランスレジスタンス「マキ」は山岳地帯で蜂起し、ドイツ軍に抵抗していた。ドイツは山岳部隊を送ってこの鎮圧に当たらせた。7.5ターンの終了時にドイツは、レベル4ヘクスにマキより多くの混乱していない分隊相当を持っていたら勝利です。
 積雪があり、低草地は林になり、涸れ谷も道路も無い稜線へクスサイドは全て「崖!」です。マキのいるボード25は事前砲撃を受けます。
 守るマキは全てパルチザンで、5−2−7が7個3−3−7が9個分隊とドイツ中機関銃1(捕獲)、イギリス軽機関銃4(捕獲でない)、地雷24戦力、塹壕10で守ります。ファナティックで弾不足で、展開も複数へクスグループ射撃もできません。
 攻めるドイツ山岳部隊はコマンドーで、4−6−8が12個5−4−8が5個分隊と9−2指揮官に、機関銃重1中2軽6です。
 全面が崖ですが今まで例が無いので丘攻め(攻撃側0.5倍)として戦力評価すると、マキは21.5%優勢で予想勝率125%の完全必勝です。そこでドイツ+6個分隊、マキ−6個分隊してマキ51%の予想勝率にしました。
 子供がドイツ、私がマキです。


 マキは、丘の上の涸れ谷で分けられた4つのブロックの内側2つに2スタック、外側2つに1スタックずつ置きました。事前砲撃は塹壕により効果無し。ドイツ軍はマキの左側から近付き、マキもそちらに向かいます。
 第2ターン、ドイツ軍は崖を登ったり、雪で時間の掛かる涸れ谷を進んだり。マキも集まって来ました。
 第3ターン、ドイツ軍は全く崖登りに失敗せず、地雷に嵌ったスタックも無傷。マキは1スタックを回してその地雷原を狙うと同時に、他の場所でも一斉にダミーを混ぜた部隊を突撃で出しました。
 第4ターン、ドイツ機関銃が最初はダミーを撃ってしまうものの、ROFバーストして辺り一帯撃ちまくり、マキ1個分隊除去1個分隊混乱。一方マキスタックの地雷原への射撃は外れます。しかし別の地雷原ではドイツ軍スタックが混乱し、後半では地雷原へのマキによる射撃が効きました。


 ドイツ軍の機関銃火力が強力過ぎ、ダミーが尽きたマキはもう撃ち合ってもどうにもなりません。第5、6ターンは頂上の見えない所に隠れていることしかできず、ドイツ軍は安心して崖を登ります。しかも崖からは全く落ちず(12が出ない)、登り損ねる(11)ことも僅かで物凄く順調。ドイツ鬼スタックが敢えて地雷原に入ったら、蛇の目で1個分隊除去されましたが、そのくらいで流れは変わりません。
 第7ターン、多くのドイツ軍が崖を登り切って頂上手前で控え、機関銃スタック3つも次ターンに撃つなり登るなりできる態勢を整えています。「そうかドイツ軍が最終ターン突撃フェイズで頂上に出れば、ターン後半が無いからマキには平地倍火力で撃つ機会が無いのか。このままではマキの負けだ。」マキは崖に隣接する所に打って出るしかありません。


 しかし最終ターン、ドイツ鬼スタックの射撃はまた効きまくり、他2つの機関銃スタックは崖登りに成功しました。残ったマキたちは撃てるだけ撃ち、ある程度倒したものの十分ではありません。2か所の白兵戦はマキ1勝混戦1つ。10個分隊相当が登り切ってドイツの勝ちです。



 最終ターンに丘の端へ突撃してマキの姿を皆で一目見さえすれば、直後に殲滅されるとしてもドイツ軍の勝ちという意味不明な勝利条件。この勝利条件でマキが最善を尽くすなら、ひたすら頂上の見えない所で隠れて待ち、最終ターン直前の突撃で全部隊を端に並べて出すだけの退屈な戦いになるでしょう。全面が崖の山を攻めるという斬新なデザインは評価しますが、本来はドイツ軍がマキを倒しに行った戦いであり、この勝利条件は不適切だと思います。

 
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