デスメイズ
 
 3月は毎週ゲームシリーズ最終回、ASLシナリオ32地下の石切り場です。クリミア半島の東端ケルチ付近で、ドイツ軍はソ連パルチザンによる神出鬼没の補給路襲撃に悩まされていました。その時ルーマニア軍が、付近にある地下の石切り場が拠点であることを突き止め、そこを攻撃するというかなり特殊なシナリオです。
 2つのマップがそれぞれ地上と地下を表し、地下マップは道路のみが使用可能で、5か所の入り口で上下が繋がっています。互いに見えないように、ルーマニア軍は地上、パルチザンは侵入口以外の地下に配置し、その後互いのマップを公開してゲーム開始となります。地下マップは道路のみが使用可能で、地下の全ては、移動コスト1、TEM+1、暗くてLOSは隣接へクスのみ、隠蔽地形、待ち伏せ可能、複数へクス火力グループ不可となっています。また地上と地下は入り口でもLOSは通りません。さらにパルチザン側は、制限付きで2か所秘密に侵入不可の地下ヘクスを指定します。なお地上の林は茂み扱いです。
 ルーマニア軍はドイツのエリートユニット(5−4−8)を使い20個分隊と軽機関銃6、火炎放射器4でELRが2。パルチザンは5−2−7分隊(パルチザン扱い)と3−3−7が合わせて14か15個分隊と軽機関銃が2〜4個、ダミーが14か15個で、全てその上に隠蔽を置けて、ELRは5ですが、正確な戦力はランダムに決まります。どちらも狙撃兵はありません。
 勝利条件は、ルーマニア軍が8.5ターンの間に28VPを越える損害を受けることなく、地下からダミーも含めてパルチザンを完全に無くすことです。子供がルーマニア、私がパルチザンです。


 初期配置は、とにかくパルチザンにダミーが多く、地下のいたるところにユニットが居ますが、東側の2つの侵入口には、特に大きなスタックが隣接しています。これに対しルーマニアは北西を除く4つの入り口に部隊を置き、パルチザンが地上に出て悪さをしないよう、建物の2階にも少し部隊を置いています。

 第1ターン、パルチザンのあからさまな大スタックはブラフだろうとふんだルーマニア。当初の予定通り警戒しつつ4つの入り口から暗黒の迷宮へ下っていきます。西から入った部隊は部隊は抵抗を受けず、北からの部隊は戦渦で1分隊が降伏するという波乱が起きるものの、そのまま前進して白兵戦に入ります。
 しかし東側の2つの侵入口。入り口を覆う大スタックは全部本物でした。まず先の射撃で隠蔽を剥がし、その後倍の24火力射撃で、ルーマニア軍は大損害を受けます。しかし残ったルーマニア軍も、バーサーカーが射撃で抵抗し、パルチザンを一部混乱させます。

(下が東、手前側が地下マップで右半分の道路のみ使用可能)
 さらにパルチザンターンになると、バーサーカーは射撃で倒されますが、火炎放射器は射撃を耐え抜き反撃して、パルチザンはさらに混乱を被ります。そこでパルチザンは白兵戦で止めを刺そうと火炎放射器に突撃。ところが静粛で1つ有利なのに、逆にルーマニア軍に不意打ちされ、逃げられてしまいます。
 まずい。白兵戦のためにフルスタックにしたパルチザンは、第2ターンにまとめて火炎に焼かれることに・・。12!12!と祈るパルチザン。そしてルーマニアの振った目は、まさに12火炎放射器故障で、パルチザンは壊滅を免れ、こちらの入り口からもルーマニア軍を排除するのに成功します。
 しかし最初の火炎放射器攻撃で混乱していたパルチザン最強の8−1指揮官が、その後火傷の悪化で負傷状態になります。回復地形の無い地下迷宮で、唯一の回復修正を失ったのは痛い。

 その後ルーマニア軍は一歩一歩着実に北西からパルチザンを潰していきます。パルチザンも時にスタックして防御射撃を行いますが、あまり効かず、逆に前進射撃を受けて損害を増やしていきます。5火力は自動火器ボーナスにより前進射撃でも4火力有るので、強力なのです。
 さらに第4ターンには、混乱して地上に逃げ出したルーマニア軍が、回復して戦力を統合し、再び南東の入り口から突入してきます。パルチザンもここを固めていましたが、地上とLOSが通らないのでいきなり白兵戦になり、互角の戦力で血みどろの戦いが始まります。
 第5ターンも白兵戦は続き、パルチザンは増援を送ってようやく侵入者を倒しますが、同戦力程度の被害を受けました。しかも北からの攻撃にパルチザンはさらに損害を受けて後退しており、回復もあまり捗りません。そしてルーマニア軍はさらに地上を回って、再度南東の入り口から突入しようとしています。
 第6ターンには、地上に出て突入の足止めをしようとしていた1火力パルチザンも倒され、ルーマニア軍は次ターンに再突入できる構えです。ルーマニア軍の9−1指揮官もすぐ前まで迫っており、パルチザンにはもうこれらと戦う余力はありません。どうする?パルチザン。

 しかしここでパルチザンは気付きます。突入口から奥まで4へクスの一本道が続き、その先は侵入不能ヘクスで終わっています。この4へクスと侵入口に1ユニットずつ並べて置けば、KIAで倒されない限りルーマニア軍は各ターンに1へクスしか進めません。(パルチザンターンの防御射撃には、後退して突撃で戻れば撃たれません。)

 あとは最後までそれだけやってみますがKIAは出ず、パルチザンの勝ちです。


 今回はパルチザンの作戦勝ちと言えるでしょう。ルーマニア軍はELR2で撃たれ弱いとは言え、エリートで火炎放射器も多く、これと撃ち合ったらまず勝てません。しかもいろんな方向から攻められるので、考えなしに戦っても逃げ場がなくなります。そこで後方地域を作るよう道を塞いだうえで、そちらへの2つの入り口を全力で守り、他は遅滞するという作戦を考えました。
 プレイ予想時間は35×8.5÷60+1≒6時間で、実プレイ時間も概ねそのくらいだったと思います。
 
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