火力密度の偏り
今日のASLは、デラックス7、炎と砲弾とともに。クルスクの戦いにおいて、ドイツ軍がソ連軍の固める街を攻撃します。ドイツは10ターン終了時に50VP以上あれば勝利です。VPはドイツが損害と北への脱出で獲得し、そこからソ連の稼いだ損害VPを引きます。建物は全て木造で3階が無く、アパートは各ヘクス別々の1へクス建物になります。
守るソ連は25個分隊と75L野砲3門、45LL対戦車砲3門に、4か所の要塞化を持ち、半数ほどのエリート歩兵は対戦車白兵戦で突撃工兵扱いです。一方ドイツはやはり半数程度がエリートの26個分隊と、火炎放射器3号戦車3両、105ミリ榴弾戦車3両。
戦力評価はソ連17%優勢と圧倒的なので戦力調整をしようとしますが、なんかこのシナリオいつもと違うぞ?
ドイツ戦車は対歩兵火力がかなり強力なのに、ソ連の砲は非力で、攻撃正面も狭くて側面も狙えないので、これを防げません。するとソ連はドイツ戦車が怖くてスタックしづらい一方、ドイツ軍には8−3−8が4ついて、36火力スタックを2個も作れるので、ソ連は火力負けします。
そこで今回はほとんど役に立たないと思われるソ連の45LL対戦車砲3門を無くして総戦力を調整する一方、バランスルールでは逆にソ連を有利にし、9ターンに減らしてみることにしました。子供がドイツ、私がソ連です。
ソ連は配置を考えますがやっぱり難しい。結局一番ましそうな、後方の道路ラインで戦線を引くことにしました。そしてドイツは西側に重点を置いて前進してきます。特に戦車は西側の建物を迂回し、うまく石垣に隠れました。
第2ターンになると、105ミリ砲の致命的命中や、8−3−8スタックの射撃で、76Lを含むソ連西側の守りはあっさり崩壊。縦に走る道路は狙われていて渡れず、ソ連はこちらを救援することもできません。後はドイツが西側で楽な前進をすればいいだけなので、もうドイツの勝ちです。

(下が西)
このシナリオは、撃ち合いが全く勝負にならないほど、両者の火力密度バランスが崩れています。かといって奥行きが狭くターンも長いので、遅滞戦術を使ったとしてもやはりソ連は守り切れないでしょう。以前にはレッドバリケードの巨大シナリオThe Last Bidがそうでした。戦力の数でゲームバランスが計れないシナリオも、たまにはあるようです。
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