集中と分断
今日のASLは、Best of FriendsよりBoF3アブビル橋頭保。1940年5月、ソンム河を渡ったドイツ軍は、アブビルに橋頭保を築いており、フランスはほぼ破壊不能なB1−bisを伴ってこれに反撃を開始した。フランスは7ターン終了時、4V2,4P6,16O3の3つの建物の内2つ以上を支配していたら勝利です。麦畑は繁っています。
攻めるフランスは9−2率いる12個分隊に、B75*と47ミリのB1−bisが2両、37*のR35が2両で、戦車は第1ターンに移動力が半分になります。これに対してドイツは9−1と8.5個分隊に、37L対戦車砲2門、20L対空砲1門です。
防御側のドイツは少なくとも2つの建物を守り切らなければならず、戦力の分割を強要されるので、戦力評価ではフランスに防御不全の1.5倍補正を適用します。するとフランスが4.9%の優勢で、予想勝率6割とバランスは良好そうです。子供がドイツ、私がフランスです。
勝利条件建物は3つありますが、以前から言っている通り、2つ守ればいい所をわざわざ3つとも守って各個撃破されるのは悪い手です。当然ドイツは2つを選んで守ることになりますが、4P6は離れていて連携も退却も難しいので、他の2つを守ります。
ではフランスはどう攻めるか。もしフランスが最初からどちらかに決めて攻撃したら、ドイツは反対側から戦力を持ってきて、各個撃破になりません。そうなると戦力は逆にドイツが8%の優勢になってしまうので、フランスは不利になるでしょう。
そこでフランスはまず中央を進んで2つの建物の間に割って入り、ドイツ軍を左右に分断します。その上で弱い方の建物を集中攻撃すれば、フランスは互角以上に戦えるはずです。中央を進むと、途中で右や左へ斜めに進んだとしても、このヘクス並びでは最初から左や右を進んだのと距離が変わらないので、柔軟性を保てるという点でも有利です。
第1ターン、フランス全軍は中央に向かう道路を使って全速で進みます。そしてドイツ軍は2つの勝利条件建物とその間に布陣します。
第2ターン、敵が近くなってきたのでフランス軍は散開して前進を継続。ここでドイツ対戦車砲が側面からB1−bisを撃ってきましが、届きませんね、そのリプライ。さらにドイツは軽迫撃砲でフランス鬼スタックを撃ちますが、隠蔽があって当たっても2火力では、痛くも痒くも・・なんか狂ったようにROFバーストして当たりまくってるんですが。そしてよりによって9−2指揮官が混乱。ちょっとおかしいぞ。
ターン後半、対戦車砲はさらに撃ち続けるものの。「Chun!固すぎてごめん。」このまま進まれると中央の建物が落ちそうなので、ドイツは左から戦力を引き抜いて中央に送ります。
第3ターン、9−2指揮官は混乱しただけでもまさかなのに、またもやまさかの回復失敗。ひどすぎます。ただ作戦自体はこれで中央を分断できそうなので、このまま前進を続けます。
まず右側の建物は後続の部隊で占領。また歩兵は左にも回って、対戦車砲や左の建物にも睨みを利かせます。途中でドイツ対空砲が出て来て撃ちましたが、故障して囲まれ操作班は逃げ出す羽目に。
そしてフランス戦車は、森の中のドイツ大スタックが陣取る木造建物に向け、満を持して前進開始だ。まずB1−bis様始動。またそら豆対戦車砲が撃ってきますが、当然効か、、2、致命的命中、撃破。ぷぎー!!!しかもROFを維持した対戦車砲は、反対側から隣接していたフランス半個分隊までさらに混乱させてしまうし。さっきから起こるはずの無いことが起こり過ぎじゃない?
とは言えドイツ大スタックは、2両の戦車に隣接されてもうここには残れません。森を伝って後退し、元々森にいた部隊は中央の石造建物に入城します。

第4ターン、逃げ出した対空砲操作班がしぶとく耐えたので、フランスはやっと回復した9−2指揮官をこちらに送って退治しました。そして右の建物を占領し終えた部隊は中央建物に接近し、付近で散開していた機関銃部隊はどちらも狙える木造建物に集まって、あくまで中央建物を狙う構えを崩していないように見せます。
これによりターン後半、ドイツは森に残っていた部隊も全て、中央建物の敷地内に収容しました。そしてさっきから活躍していたドイツ対戦車砲は、やっとフランス機関銃にやられて沈黙します。
第5ターン、フランス、ついに時は来た。中央には押さえを残し、残りの全てで左の建物を攻める!まず機関銃が準備射撃、3。よし建物内を混乱させた。ところがこれで発生した狙撃兵が、はるばるこちらの一番手前スタックまでやってきて、8−0指揮官死亡、部隊がピンと混乱になってしまう。フランスの指揮官は少なくて貴重なのに、なんでこう大事な所ばかりピンポイントでやられていくんだ。
しかしこれくらいでフランスは負けないぞ。単独移動に成功したB1−bisは、森に残っているドイツ半個分隊を封じ、左側の歩兵が麦畑を通って建物に肉薄だ。
建物内のドイツ軍はかなり混乱しており、これで占領も時間の問題。と思ったところで、もう1門の対戦車砲が現れて射撃開始。でも歩兵に当たったところで4火力だけだし、大したことないよね・・のはずがまたもROFバースト!効きまくって近くに残ったフランス歩兵は半個分隊1個だけに。こんなの絶対おかしいよ。まあさすがに撃ち過ぎて対戦車砲は最後に故障しましたが。9−2指揮官は仕方なく混乱部隊の回復に当たります。
ターン後半、ドイツは中央から左の建物に部隊を呼び戻そうとしましたが、撃たれて失敗。
第6ターン、今度は狙撃兵がフランス中機関銃に命中。だからなんでこうピンポイントでばかり。それでもフランスは左建物にB1−bisを隣接させ、9−2指揮官も回復した部隊と接近させ、森の半個分隊2つは中央からのドイツ軍接近を防がせます。さあこれで何とかなるか?
ところがここで中央建物にいたドイツ部隊の1つがバーサーク。ターン後半にはこれが半個部隊に突っ込んで射撃を封じ、ドイツ主力が中央から急反転に成功してしまいます。しかもフランスは9−2指揮官配下が撃たれて一部混乱。これもう終わったんじゃない?
第7ターン、フランスはB1−bisと機関銃が当てまくって支配を取れるという、僅かな可能性に期待するだけ。しかし中機関銃分隊は結局回復せず、9−2指揮官の部隊は建物に突入できたものの、白兵戦で勝ちきれず、上の階にドイツ部隊が残ってフランスの負けです。

バランスもフランスの作戦も決して悪くなかったと思うのですが、決定的な所に限ってドイツの目が良すぎました。
それから戦力評価で、離れた場所を守る場合に防御不全を適用するのは2例目ですが、今回も妥当な補正だったと考えられます。
2025.3.11
その後出て来たいろいろな分割防御による防御不全を検討した結果、このように間の森に布陣して連携が取れる場合は分割防御としないことにしました。ドイツは隙間に狐穴を掘ることで、守りをさらに固くできるでしょう。
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