泥を越えて池
 
 今日のASLはRivers to the ReichよりU36スイッチバック作戦。1944年、アントワープの港の使用を妨害しているドイツ軍を排除しようと、カナダ軍がレオポルド運河を越えて攻撃しますが、ドイツは低地を水浸しにしてそれを阻止してきます。既に二度の攻撃が失敗し、今回が三度目の攻撃です。カナダ軍は15ターンの終わりにドイツ側に近い方の村の全ての複数へクス建物を支配し、そこから自軍盤端までつながる道路全てについてドイツ軍に隣接されていなければ勝利します。
 一番ドイツ側の盤以外にある建物は全て木造で、ドイツ側に近い1棟の3へクス建物以外は平屋建てです。橋、麦畑、沼は無く、岩場は果樹園になります。運河の南の丘もありません。運河の北の丘のレベル1はレベル0の泥(地形は残る)となり、レベル2以上の場所はレベル0の池となります。ただし道路だけは水上に残り、全ての道路は舗装となります。またカナダ軍は大型ラフトを使って運河の西側マップの真ん中に歩兵用浮橋を架けることができます。
 守るドイツ軍は10−2指揮官以下一線級18個分隊、120ミリと81ミリの迫撃砲各1、重機関銃2、中機関銃2、軽機関銃6と100ミリ盤外砲、塹壕6、狐穴12があります。そして2個のMMCが隠匿配置できます。
 一方攻めるカナダ軍は、9−2指揮官2人以下エリート8、一線級25個分隊に、重機関銃1、中機関銃3、軽機関銃5、軽迫撃砲3、76ミリ迫撃砲2、107ミリ迫撃砲2、80ミリ盤外砲2つと火炎放射器戦車3両がいます。ただ107ミリ迫撃砲は最低射程が24で、ほとんど奥の3階建て建物くらいしか狙えず、火炎放射器戦車も橋が無いので運河の対岸しか撃てません。ほかに爆弾無し戦闘機3機による最大4ターンの支援と、渡河用の大型ラフト6と小型ラフト10があります。
 子供がドイツ、私がカナダです。


 ドイツは運河の対岸の村に少数の部隊を置き、奥の勝利条件の村に主力を置きます。火炎放射器や機関銃に狙われる運河の岸には何も置きません。さてこのシナリオ、部隊数だけ見ると攻撃側は標準である防御側の1.5倍を超える数を持ち、射程や指揮官などで相殺して普通に思われます。しかし最終目標の村が大きな泥と池という困難な地形に囲まれており、攻撃側はこれを越えていけるのでしょうか。
 カナダは左側の橋からの一方向からだけでは到底攻めきれないと考え、中央や右端からも運河を渡らせることにしました。カナダ軍はラフトで運河を渡ると、左と中央の部隊で近くの村のドイツ軍を両側から攻め、順調にこれを倒して行きます。一方右端を渡った部隊は、使ったラフトを担いで運び、これで中央の池を渡ろうとしています。


 3ターンころには、早々到着した航空支援も受けて、橋側の村のドイツ軍はだいたい一掃され、4ターンからは掛け終えた左の橋から後詰が渡り始め、右の池からはラフトが漕ぎ出します。そして第5ターンにカナダは盤外砲で、見えない位置のドイツ重機関銃部隊を攻撃するのに運良く成功し、戦闘機で追い打ちをかけてここに大きな損害を与えます。しかしドイツ10−2指揮官だけはこれに耐え、それどころか戦禍でヒーロー10−3指揮官にレベルアップしてしまいます。ぎょえええ。
 カナダはなんとかこれを倒そうとそこに盤外砲を撃ち続けますが、その内許可を取り消され、ドイツは部隊を再編して超強力化した重機関銃部隊を築き上げます。
 さてこのシナリオでは最終ターンのドイツ番が終わってから勝利判定なので、長い道路のどこかに隠れていたドイツ軍が走りこんできたらカナダの負けです。そのためカナダ軍は大変な労力を持って、広いマップの隠ぺい地形をいちいちドイツ軍がいないか探し回らなければなりません。後続の部隊はそんな作業をやりつつ、カナダ軍主力は7ターンころにドイツ軍南東、南西、西の三方に近づきます。

 ドイツの南側は、カナダの迫撃砲や盤外砲が狙っているので、ドイツ軍はこちらの正面にはいません。そこで7ターンから8ターンにかけて、カナダ軍はまずこちらから突入します。しかしまず最初に東から村の外側の森にたどり着いた部隊は、少数だったため移動してきたドイツスタックに追い返されます。また道路を通って池の中を突っ切ったカナダ機関銃部隊も、隠れていたドイツ軍に撃たれて混乱。さらに南西から近づいた部隊も、やはり隠匿ドイツ軍に撃たれて1スタックが丸々混乱します。
 これで隠匿配置は出尽くしたものの、残り時間を考えるともう全軍村に突っ込まなければ間に合わないでしょう。9ターン目には西にいた一番大きい部隊も突入します。これを支援するため丁度いい位置に落ちていたSRを煙幕に替え、機関銃や迫撃砲の目を塞ごうとするカナダ。しかし砲兵隊は無情にもこれを拒否。止むをえずカナダ軍は丸見えのまま突っ込んでいきます。

 そこでドイツ迫撃砲は、突撃フェイズに出てきた2番目に大きいカナダ軍スタックを砲撃。これがピンゾロ、致命的命中。そして結果判定でまたピンゾロ、4KIA。1スタック全滅。さらにドイツ100ミリ盤外砲弾も、泥に塗れて走るカナダ歩兵に容赦なく降り注ぎます。だめです。全然たどり着けそうもありません。カナダ投了です。


 やっぱり地形がきつ過ぎます。迫撃砲や盤外砲に狙われる森、池にルートを狭められた泥と道路。こんな所を2、3ターンもかけて進まなければ敵にたどり着けないのに、射程は攻撃側の方が短い。ドイツが運河近くの戦闘にお付き合いしてくれるとかしなければ、ちょっとカナダどうにもなりそうな気がしないんですが。それとももっとたくさんラフトを運んで、全軍で南側から攻めるのでしょうか?それでも難しそうな気がします。
 
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